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2017/01/17 04:55
<安倍晋三首相は16日午後(日本時間同)、ベトナムのハノイでグエン・スアン・フック首相と会談した。安倍首相は中国の南シナ海進出を念頭に、新造大型巡視船6隻を提供すると表明。下水道や塩害対策のインフラ整備なども含めて総額約1174億3900万円の円借款を供与する方針を伝えた。
安倍首相は会談後の共同記者発表で「世界的に政治、安全保障、経済面での不透明性が増す中、両国の戦略的パートナーシップを深化させることで一致した。両国の防衛協力を一層強化し、ベトナムの海上での法執行能力向上を後押しする」と成果を強調。フック氏は「日本は永久的で最も重要なパートナーだ」と歓迎した>( 以上「毎日新聞」より引用)
行く先々で気前よくカネをばら撒く安倍氏の世界漫遊が今年も始まった。政府専用機を飛ばす費用や随員の費用などはまだしも、経済支援を底の抜けた笊のようにばら撒くのは感心しない。
カネをばら撒けば相手の歓心を買える、と考えるのは自分がそうして欲しいからだ、というのは心理学的な真実だ。人は自分がして欲しいことを相手に施すものだ。
そういえば安倍氏は官房費でマスメディア幹部たち寿司友を招いて晩餐会を行うのが好きだった。人はそうした会食に弱いと思い込んでいるようだ。
実際に日本のマスメディアは捏造としか思えない世論調査による安倍内閣の高支持率を毎週のように発表してヨイショしている。何処をどう調査すれば安倍内閣の高支持率が出てくるのか教えてほしいものだ。
そして今般の中国包囲網を構築すべく東南アジアを漫遊した。ただフィリピンでドテルテ大統領に対中戦略としてミサイル配備を支援する、と申し出てフィリピン大統領に断られている。
ドテルテ大統領は中国と戦争を始める気はないと返答したようだ。フィリピンの海域ともいうべき近くの岩礁を埋立てて中国が軍事基地を建設したのに対して、フィリピンは錆付いた廃線を浮かべて監視してきた。だから当然、埋立て工事の初期段階で米国に通報していたはずだ。しかし米国は埋立て工事が完成するまで放置していた。それが米国の戦略だと、ドテルテ大統領は見抜いている。
先の大戦直後までスペインの植民地を奪って、米国がフィリピンを植民地にしていた。その当時の米国による過酷な植民地統治をドテルテ氏は忘れてはいない。米国と深入りするのは危険だと、彼は判断している。
中国とは是々非々で外交を進めるつもりのようだ。面従腹背ともいえる関係で地域の平和を維持しようとしているようだ。
安倍氏の本質は気の弱い苛められっ子のようだ。だから徒党を組んで中国という苛めっ子に対抗しようとしている。あるいは米国を「親分」と頼んで、守ってもらおうとしている。
しかしトランプ氏の米国は「親分」を降りるといっている。徒党を組もうとした漫遊先の国々は目の前にぶら下げられた援助に対して礼を言い笑顔を浮かべるが、彼らには彼らの国家と国民の命を守る戦略がある。安倍氏の考える対中戦略に全面的に共鳴して徒党を組んで対抗するとは思えない。
そうした手法は先の大戦以前の枢軸国対連合国を彷彿とさせるし、大戦以後の東西冷戦時の西側陣営対東側陣営の対立を彷彿とさせる。しかし、それらが何をもたらしただろうか。
安全保障として国家の存立と国民の命の保全を考えるなら、徒党を組むのも有効かもしれない。しかしそれは積極的に平和をもたらす戦略ではなく、軍事の固定化と兵器や装備の絶えざる開発と更新を前提とする。つまり軍産共同体にとって好都合の戦略だ。
国民の社会保障制度が米国はもとよりロシアも中国も日本より劣るのはなぜだろうか。軍事費では日本を数倍も上回る支出をしているにも拘らず、国民は貧弱な社会保障の下で貧困化している。
日本も史上最大の防衛予算を組む傍ら、年金支給額を削減し高齢者の個人負担を増やし、国民の貧困化が進行している。まさしく軍備増大して国民貧困化す、の軍事先進国の姿に近づこうとしているかのようだ。
安倍政権をこれ以上続けさせるのは危険だ。「国民の生活が第一」の政治に回帰すべく、野党連合を一日も早く構築すべきだ。世界漫遊している暇はない、国土を維持すべき社会インフラは劣化し、国民は貧困化している。中国に対する備えは必要だが、東南アジア諸国と徒党を組む必要はない。それぞれの国にはそれぞれの国の事情がある。
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