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2022年4月21日 23時11分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/173143?rct=national
明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰氏が、ツイッターに「差別主義者」と書かれ名誉を傷つけられたとして、戦史・紛争史研究家山崎雅弘氏に550万円の損害賠償と投稿削除を求めた訴訟で、竹田氏の請求を棄却した二審判決が確定したのを受け、山崎氏が21日、都内で会見し「ひとまず安堵した。裁判で私は被告の立場だったが、判決を読むと、原告の竹田氏を裁いたように感じた」と振り返った。(望月衣塑子)
【関連記事】竹田恒泰氏、名誉毀損訴訟の控訴審でも敗訴 差別指摘投稿は「公正な論評、意見の表明」(動画あり)
一、二審判決などによると、山崎氏は2019年11月、富山県朝日町教育委員会が中高生らを対象にした講演会に竹田氏を講師で招くことに「町内の中・高生に自国優越思想の妄想を植え付けさせる」「この人物が教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者だとすぐわかる」などと投稿。竹田氏は訴訟で、投稿の削除と550万円の支払いを求めた。
一審東京地裁は21年2月、山崎氏の投稿には相応の根拠があり、竹田氏自身が講演や著書で攻撃的・侮蔑的な表現を繰り返していることから「一定の批判は甘受すべきだ」と竹田氏の請求を棄却。二審東京高裁も支持し、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は今月13日付で、竹田氏の上告を退ける決定をした。
21日の会見で山崎氏は「最高裁の判断が出てひとまず安堵した」と述べた上で、自身が戦史などを研究していることから「これまで戦いの歴史を分析してきた。裁判に勝ったで終わらせず、今回の経験を書籍にまとめたい」と話した。
山崎氏は、竹田氏の著作「笑えるほどたちが悪い韓国の話」(14年)を例にして「日本人が『日本は素晴らしい』と持ち上げるのは差別でないように見えるが、コインの表裏のようなもので、差別につながる」と主張。竹田氏が三重県の私立大で非常勤講師を務め、テレビ番組に出演していることなどに触れ「大学やテレビ局に、今後どう対応するか聞いてみたい」と疑問を呈した。
会見に同席した思想家の内田樹氏は「『裁判でお金かかる』と訴えたら、1414人から1200万円超の寄付が集まった」と協力者に謝意を示した。さらに「日本のメディアには、差別主義や、大日本帝国を懐かしむ主張が出てくるようになってきており、そのことへの市民の不安と怒りが出て裁判の支援につながった」と分析した。
内田氏は今回の訴訟を、批判を封じて言論を萎縮させる目的で起こされる「スラップ訴訟」だと指摘。弁護士費用などを差し引いて残った寄付金950万円は、差別や、スラップ訴訟で苦しむ人たちへの支援などに使うことを検討するという。
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