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裁判所の「正義」とは?〜「大崎事件」最高裁決定の異常 これはひどい 判事は狂人?”裁判”に間違いはあり得ないと?
http://www.asyura2.com/17/nihon32/msg/182.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2019 年 6 月 27 日 07:59:57: KqrEdYmDwf7cM gsSC8YKzgqKBaYKigWo
 

https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190626-00131770/




雪冤を訴え続ける原口アヤ子さんと弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士(4月30日)



 「再審」は、冤罪を訴える人を救済する、最後の手段である。ただ、そこに至る扉は限りなく重く、容易には開かない。

 この困難な手続きで、地裁、高裁が続けて「再審開始」を認めた「大崎事件」第3次再審請求審。ところが最高裁は、これらの決定を取り消し、再審請求を棄却した。高裁に差し戻すわけでもなく、最後の最後に、自ら再審の扉をぴしゃりと閉めたのだ。地裁、高裁が認めた再審への道を、最高裁が破棄自判という形で道を閉ざしたのは過去に例を聞かない。前代未聞の異常な決定と言わざるをえない。 

 最近、再審を巡っては、在野で大きな動きが出て来ている。いくつもの冤罪事件を通して明らかになった再審に関する法律の不備を訴える「再審法改正をめざす市民の会」が設立され、日本弁護士連合会も秋の人権大会で「今こそ再審法の改正を」をテーマの1つに掲げる。冤罪被害者を救済しようという声が広がる中、この最高裁決定はそれに冷や水を浴びせた。地裁などの下級審が再審開始を決定するのをためらう萎縮効果も懸念される。法改正の動きが本格化し、過去の裁判の見直しが積極的に行われる前に、それに抵抗したい最高裁が機先を制した格好とも言えるのではないか。

大崎事件とは

画像

 事件に登場する人物の関係はこの図の通り(原口アヤ子さん以外は仮名)。1979年10月、鹿児島県曽於郡大崎町の牛小屋堆肥置き場で四郎さんの遺体が発見された。アヤ子さんは、夫と義弟、及び甥に持ちかけて、四郎さんを殺害したとして、懲役10年の判決を受けた。控訴、上告して争ったが、この有罪判決は確定し、アヤ子さんは服役した。

 今年3月に再審無罪が確定した熊本・松橋事件など、冤罪事件では密室の取り調べの中で、虚偽の「自白」に追い込まれているケースが多いが、本件でアヤ子さんは、捜査・裁判を通して一度も「自白」していない

 刑務所では模範囚だった。刑期満了を待たずに仮出所できるように、職員が反省文を書くように勧めたが、アヤ子さんは「やっていないから」と言って応じなかった。そのために仮釈放はされず、満期出所した後の1995年4月に最初の再審請求を行った。鹿児島地裁は再審開始決定を出したが、検察の異議申立を受けた福岡高裁宮崎支部が取り消した。今回の第3次請求は2015年7月に起こされ、17年6月に鹿児島地裁が、18年3月に福岡高裁宮崎支部が再審開始決定を出した。すでに3つの裁判体で再審開始決定を出している事件だ。

 高裁の決定に対して、検察側が特別抗告。しかし、今回の最高裁は、決定の冒頭で「単なる法令違反、事実誤認の主張」として、検察側の主張を退けた。そのうえで、「職権をもって調査」し、今回の結論を出している。

大崎事件の現場。3家族が同じ敷地に家を構えていたが、今では物置1つが残るだけで木や草が生い茂っている
大崎事件の現場。3家族が同じ敷地に家を構えていたが、今では物置1つが残るだけで木や草が生い茂っている

確定判決を否定する鑑定を「尊重すべき」としながら…

 最高裁が問題にしたのは、四郎さんの死因についての鑑定だった。

 確定判決が認定した死因は、アヤ子さんが手渡した「西洋タオル」を一郎さんが四郎さんの頸部に巻いて「その両端を力一杯引いて絞めつけ」ための「窒息死」だった。

 その最大の根拠となった鑑定を行った城哲男・鹿児島大教授(法医学)は、被害者に「頸椎前面の組織間出血」があったことから、死因は頚部圧迫による窒息死と判断していた。ところがこの城教授は、四郎さんに関する重要な事実を警察から聞かされていなかった。

 遺体発見の数日前、酒に酔って自転車に乗っていた四郎さんは、側溝に落ち、前後不覚の状態になっているのを地元の人に発見されていた。近くの男性2人が、意識のない四郎さんを、軽トラックの荷台に載せて自宅まで運んでいた。

四郎さんが落ちた側溝
四郎さんが落ちた側溝

 事情を知った城教授は、再度鑑定資料を検討し、他殺の判断を撤回。「頸椎前面の組織間出血」の原因は、首の「過伸展(むち打ち症などのような力が加わること)」などによるものと修正し、この出血のほかは頚部圧迫の痕跡はなかったことを明らかにした。そして、側溝に転落した状況によっては、このような出血を伴う頸椎や頸髄損傷によって死亡することもある、とした。

 第3次再審請求で弁護側が新規証拠として提出した鑑定を行った吉田謙一・東京医科大教授(法医学)も、出血の原因は「過伸展」によるものとし、死因は「低体温を伴う失血」である可能性が高いとした。自転車ごと溝に落ちた事故による出血のため、自宅に届けられた時にはすでに死亡していた可能性も指摘した。高裁決定は、吉田鑑定を踏まえ、他の証拠を総合評価して、再審開始を決めている。

 今回の最高裁も、吉田鑑定について、「死因に関して、科学的推論に基づく1つの仮説的見解を示すものとして尊重すべきである」と評価した。ところが、その一方で、吉田教授自身が解剖を行ったわけではないとか、「死亡するに至るまでの具体的な時間経過については明確な判断を示していない」とかの「問題点」を挙げ、こう結論づけた。

〈前記のような問題点を考慮すると、同人(=四郎)の死因又は死亡時期に関する認定に決定的な証明力を有するものとまではいえない

出典:最高裁決定より

 そのうえで、アヤ子さんとの共犯関係を認めた一郎さんらの自白は「相互に支え合っている」などとして信用性を高く評価した。

 実は、この男性3人は、いずれも知的障害があり、誘導に乗りやすく、強圧的な者に迎合的な傾向があった。アヤ子さんが出所後、元夫の一郎さんになぜ「自白」したのかを問いただすと、「警察の取り調べが厳しくて言ってしまった」と謝られたという。

 こうした特性のある知的障害者は、取り調べで捜査官に迎合した供述をすることも多く、虚偽供述によって冤罪が起きるのを防ぐために、現在は警察が取り調べの可視化を行うように努めている。警察庁のまとめでは昨年度中には「知的障害等を有する被疑者」の取り調べ4,978件で録音・録画を実施した。しかし、大崎事件が起きた頃は、そうした配慮などはまったくない。

 それでも、最高裁は3人の供述について、こう結論づけた。

〈一郎、二郎及び太郎の知的能力や供述の変遷等に関して問題があることを考慮しても、それらの信用性は相当に強固なものであるということができる〉

出典:最高裁決定より

 そのうえで、地裁、高裁の再審開始決定について、次のように認定した。

これらを取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる〉

出典:最高裁決定

 最高裁はかつて、再審請求審においても「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則が適用される、とする判断(白鳥決定)を示した。しかし、最高裁自身も「科学的推論に基づく1つの仮説的見解を示すものとして尊重すべき」とする吉田鑑定が、「絞殺」とした確定判決の死因鑑定に大きな疑問を呈しているのに、再審の道を閉ざした。この決定は、弁護側に完全なる無罪の証明を求めるに等しい。

 吉田鑑定に「問題点」があるなら、最高裁は高裁に差し戻して、疑問点をきちんと明らかにするように命じる道もあった。高裁の判断より被告人や再審請求人に不利な判断をするなら、むしろ、それがこれまでの最高裁の常道だった。なのに今回、敢えてその道を採らず、自判して弁護側の反論や補足の立証を一切シャットアウトしたところに、今回の決定の異常さがある。

最高裁決定に憤る鴨志田弁護士
最高裁決定に憤る鴨志田弁護士

 弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士は、「あなた方の『正義』とは何か、と裁判官たちに問いたい。あなた方は何のために裁判官になったのか、と」と憤った。 

冤罪救済の法整備を求める声が高まる中で

 

最高裁決定を受けて記者会見する弁護団
最高裁決定を受けて記者会見する弁護団

大崎事件の再審請求の過程では、検察の証拠隠しが次々に明らかになった。裁判所が証拠開示を勧告し、五月雨式に不提出証拠を開示し、検察官が「大崎事件に関する証拠はもはや存在しない」と言い切った後に、裁判所がさらに強い姿勢で開示を求めたところ、新たにフィルムが何本も出て来た、というようなこともあった。

 現在、再審に関する法整備を求めるムーブメントの中で、再審請求審での証拠開示は最も大きなテーマだ。通常の裁判では、公判が始まる前に検察側の証拠がかなり開示されたり、検察側の手持ち証拠の標目が示されたりするようになったが、再審請求審では裁判官の姿勢次第で対応の差が大きい。それをルール化しようという主張が出ている。

 大崎事件は、その象徴的な存在だった。

 松橋事件に続き、湖東記念病院事件でも再審開始が確定し、手続きが始まった。昨年、大津地裁は、無実を訴えながら獄死した男性の遺族が起こした日野町事件で、再審開始決定を出した。布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さんが起こした裁判では、東京地裁が、警察の取り調べだけでなく、証拠開示に応じなかった検察の責任も認めた。

布川事件国賠訴訟一審判決では検察の証拠開示の義務を認めたが(国民救援会提供)
布川事件国賠訴訟一審判決では検察の証拠開示の義務を認めたが(国民救援会提供)

 冤罪被害者を救う判断がいくつも出ている中での、今回の最高裁決定。

 日弁連の再審に関する会議の最中に今回の決定を知ったという鴨志田弁護士は「下級審への萎縮効果が心配だ」と懸念する。

 92歳になったばかりのアヤ子さんには、今後、弁護団がこの決定を伝える、という。

これで諦めるわけにはいかない」(鴨志田弁護士)

 今回の決定を出した第1小法廷の裁判官は以下の通り。

 小池裕(元東京高裁長官)

 池上政幸(元大阪高検検事長)

 木澤克之(東京弁護士会出身、元立教大学法科大学院教授、元学校法人加計学園監事)

 山口厚(東京大学名誉教授)

 深山卓也(前東京高裁長官)


 

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コメント
1. てんさい(い)[1033] gsSC8YKzgqKBaYKigWo 2019年6月27日 10:15:35 : 0kUGInjLpY : ZUJoU1c2MzFGUzY=[41] 報告


最高裁に告ぐ 単行本 – 2019/3/28
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4000613316/asyuracom-22

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R33U5JNYCBIPW0/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4000613316
表現の自由を行使する裁判官にかけられた攻撃と反撃
2019年3月29日

岡口裁判官の名を知らない法律家はほとんどいないだろう。
司法研修所で「秘儀」のように教えられてきた民事要件事実論(各要件ごとの立証責任の振り分け)を集大成し出版した著書は、司法修習生の必携の書となっていた。
そして、岡口裁判官は、司法と裁判のあり方についてツイッターで発言する珍しい裁判官でもあった。私も、弁護士として、岡口さんのツイッターをフォローしてきた一人である。(その岡口裁判官のツイッターのアカウントが一方的にロックされ、現在は読めなくなっている。)
そのツイッターの中で、岡口裁判官は、政府に迎合した司法判断、たとえば原発の稼働を安易に認めるような判断を厳しく批判してきた。いわば、裁判官自らが「同僚としての批評」(ピア・レビュー)を展開してきたのである。このような言論活動は、司法判断を市民が検証する上で、有用であり、貴重な発信であった。多くの市民が、岡口裁判官のツイッターをフォローしてきたことそのものが、そのことを証明している。
その岡口裁判官が最高裁による分限裁判で「戒告」とされ、次には国会の訴追委員会からの喚問を受けるという事態となっている。裁判官として、さらには法律家として仕事を続けられるかどうかと言うところにまで、追い詰められているのである。
その渦中にある本人が、自らの置かれた状況をあくまで客観的に「自己批評」しようとして書かれたのが本書である。第1部が前史、第2部が分限裁判、第3部が「変貌する最高裁、揺らぐ裁判所」、第4部が「司法の民主的コントロールは可能か?」という構成となっている。
裁判官が、市民として、表現の自由をもっていることは当然である。この自由は裁判官の職責から一定の制限を受ける。たとえば、裁判官が自らが現在担当している事件について、裁判外で意見を述べるようなことは認められない。岡口裁判官のツイッターの中には、その職責と矛盾するようなものはない。
個人的には、後半の第3部、第4部があることにより、岡口裁判官のような自分の意見をはっきりと持ち、それを臆せず発信する裁判官が、今の司法の中でどんどん減っていて、だからこそ攻撃の対象とされているのだということが理解できる。
岡口裁判官は、第3部の冒頭で、最近の最高裁判例のいくつかを取り上げて、具体的に批判している。
NHK受信料判決、金沢市役所前広場事件、君が代再雇用拒否事件、マンション共用部分不当利得返還請求事件、ハマキョウレックス事件が取り上げられ、現在の最高裁の判断が、現場の裁判官の実務感覚と大きくずれて「王様化」しているのではないかと論じている。そして、その原因が最高裁の憲法判断の歴史、その仕事量、さらには裁判官の選任方法の変化に起因するのではないかと論じている。
さらに、民事事件の審理にあたる裁判官の能力が全般的に低下していること、それが裁判官養成の過程、とりわけ司法研修所教育の形骸化に原因しているのではないかとも述べている。
いずれも、裁判所の中にあって、日々裁判の実務を重ねながら思索を深めてきた裁判官でなければ論ずることのできない貴重な意見である。
今の日本の司法は、自らの官僚主義と、政府からの圧力によって、市民の人権を保障するという機能が劣化しているようにみえる。このような危機に立つ司法にとって、岡口裁判官は「坑道のカナリヤ」のような存在だ。
今後も、日本の司法の民主的コントロールのために、岡口裁判官が、裁判の営みを続けられること、そして、その仕事の中で感じた司法の問題点を発信し続けられることを願ってやまない。
2. 2019年6月28日 09:15:48 : ognRDQzdSk : Sm5VTThLbEhIUnM=[26] 報告
TACやLECなどの受験予備校に行ってた司法試験合格者が法曹界に多くなってきてから本当に裁判官、検察官の程度が低くなってきた。
3. 2019年6月28日 19:57:53 : tTZTz7ttoU : UC9tR21KbFhKY2s=[1] 報告
今から十分に、安倍ポチ判検による茶番に国民を慣らしておかないと
安倍関連の数多ある疑獄事件・自殺偽装殺人事件の、今後予定されている(無罪)判決をうけて
国民が暴動を起こすからでしょう
4. 戦争とはこういう物[3148] kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo 2019年7月02日 02:41:57 : 9PG0M0b68Q : NGRTZWJIdFdHdFU=[80] 報告
司法の劣化と三権分立の崩壊を象徴するような「事件」。
こんな国だから隣国の裁判に「法の支配のない韓国に法整備支援を申し入れるべきだ」と行政支配を言い出す事になる。

http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/170.html

5. 2019年7月10日 06:05:11 : AUjLr1EJ72 : c2FMZllMTlBVT2s=[164] 報告
何度も書くけど、法科なんて出てない奴が天下りで裁判官になったりする国だからね。

この裁判官がどうなのかは知らんが。

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