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2021年12月15日 06時31分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/148894?rct=hissen
寄席に絶対に笑わない客がいる。笑わない修業のためと毎日やって来る。この客を笑わせた者を真打ちに昇進させようではないか。四人の若手落語家が挑んだ▼一人目は艶っぽい廓噺(くるわばなし)を演じたが、客は笑わない。二人目は江戸ではあまり演じられぬ珍しい噺。これも失敗。三人目は「転失気」。オナラのネタである。舞台上で実際に放屁(ほうひ)までしてみたが、クスリともしない。四人目は「雛鍔(ひなつば)」。珍しい噺ではないが、客は登場する愛らしい子どもに自分の孫を思い、にっこりと笑う▼漫画家の古谷三敏さんが亡くなった。八十五歳。冒頭は代表作、『寄席芸人伝』の「雛鍔文七」。この話、古谷さん自身の漫画論ではないか。そんな気がする▼手塚治虫さんのアシスタントとしてこの道に入った。その後は赤塚不二夫さんのスタッフ。タイプの異なる二人の巨匠の下で漫画を学んだ方である▼手塚漫画の奇想天外な展開。赤塚漫画の笑いとギャグ。二人の良さを生かしつつも古谷さんがたどりついたのはあの四人目の落語家のような「情」の漫画なのだろう▼「雛鍔文七」にこんなせりふがある。「笑いってのはばかばかしさや珍しさじゃねえ。情愛に根ざしたあったけえもんだ」。『寄席芸人伝』『BARレモン・ハート』。声を上げて大笑いする作品ではないが、読めば人の情に穏やかな気持ちがわき、笑顔となる。名人芸を失った。
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