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2021年12月2日 06時58分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/146074?rct=hissen
ある歌舞伎役者の楽屋を客が訪ねた。役者のいつになく横柄で尊大な態度に客はびっくりさせられる。不思議に思い、役者の家人に聞くと今月は芝居で横柄な役を演じているので、と教えられた▼役者は舞台に出る前後の心構えまで大切。初代中村吉右衛門の逸話である。天才役者と評された初代の跡を継ぐのはどれほどの苦労だったか。その役目を立派に果たし、初代さえしのごうかという名演技を長きにわたって見せてくれた。二代目の中村吉右衛門さんが亡くなった。七十七歳▼俊寛や弁慶など時代物のツボにはまった演技や世話物の悲痛な名調子。加えて、新歌舞伎からテレビの「鬼平犯科帳」まで幅広い分野で日本人を愉(たの)しませ、感嘆させた▼その失われた芝居がもったいなく、吉右衛門なき時代が来るのかと思えば、何やら落ち着かぬ感じさえする。それほどの大看板であった▼天才の初代に対して自分は努力型だとおっしゃっていた。努力と研鑽(けんさん)。人に会うのもその一環でいろいろな人間の心理を知り、演技に生かそうとした。努力のおかげだろう。その人が舞台に上がるとさっと気持ちのよい江戸の風が吹いた。そんな役者は少なかろう▼ベンチプレスやランニングで鍛えていたそうだ。八十歳で勧進帳の弁慶を演じ、百歳でも舞台に立つと語った人の「引っ込み」が寂しい。「播磨屋」。掛け声もかすれがちである。
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