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https://jp.sputniknews.com/opinion/201710174194866/
北朝鮮に圧力をかける米国の制裁:1941年、日本が真珠湾を攻撃した時のシナリオは繰り返されるのか?
© AP Photo/ Wong Maye-E
オピニオン
2017年10月17日 23:12(アップデート 2017年10月17日 23:14)
タチヤナ フロニ
朝鮮半島での米国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の対決の火種は、1940年代における日米関係の一触即発のシナリオを繰り返す可能性を秘めている。このような見解をロシア科学アカデミー東洋学研究所朝鮮部のアレクサンドル・ヴォロンツォフ部長が「スプートニク」とのインタビューで語った。その根拠としてヴォロンツォフ氏は、当時の日本に対する威嚇という米国にとって歴史上非常に苦い経験を挙げている。相手を窒息させようとするいわゆる「投げ縄」式制裁のことである。この方式で日本に対し燃料の禁輸に踏み切った結果、米国は真珠湾攻撃に見舞われた。
スプートニク日本
先日、米国のティラーソン国務長官は国際世論を安心させるため、「米国は北朝鮮との戦争を望んでいない。爆弾が投下され始めないうちは、外交努力が続けられる」と述べた。しかしこの発言はどちらかと言えば「煙幕」に見える。なぜなら、この地域では大規模な軍事行動のための拠点が形成されつつあることがますます明瞭になってきているからだ。
© AFP 2017/ Jung Yeon-Je
パニック起こせば北朝鮮の核の恐喝の思うつぼ
今週日本海と黄海で始まった米韓合同軍事演習では、原子力空母「ロナルド・レーガン」をはじめとする約40隻の艦艇が動員されている。また、韓国の港には米国の原子力潜水艦「ツーソン」「ミシガン」が停泊している。素朴な疑問が浮かぶ。果たして北朝鮮はこのような「外交」の言葉を理解するのだろうか。
軍事力の誇示に対して北朝鮮が弾道ミサイルの実験を行った、という前回の経験を無視して米国は、制裁こそが「万能薬」であると主張し続けている。米国は全世界が北朝鮮に圧力をかけることが不可欠だと考えているのだ。しかしヴォロンツォフ氏は、かつて日本に対してこの方法は機能しなかったと指摘する。「1940年代初め、米国は日本に対し金属と石油の供給制限を柱とする禁輸政策をとった。事実上の封鎖だった。米国政府は、制裁が日本に対し厳しい圧力をかける手段になると考えていたのだ。そしてまるで投げ縄を締めたり緩めたりするようにして、日本の振る舞いを米国にとって必要な方向に導くことができる効果を狙っていた。だが周知のように、日本はその投げ縄を引きちぎるという選択をした。そして真珠湾攻撃のあと、米国の何人かの外交官が『米国の計画には日本を挑発して侵略に踏み切らせる意図は全くなかった』と認めたときにはすでに遅かった。
© REUTERS/ Issei Kato
北朝鮮の脅威と米国の激怒のもとでの「ガラスの家」に住む日本
今米国の外交当局は、『諸外国に対し北朝鮮とのすべての経済・外交関係を断絶するよう説得せよ』との指示を受けているという印象ができあがりつつある。だが国連安全保障理事会で採択された決議には、そのようなことは何も書かれていない。つまり、米国自らがとれる手段によって北朝鮮の孤立を深めさせようという、米国による一方的な行動がとられているのだ。米国のペンス副大統領はラテンアメリカ諸国に対し、北朝鮮との外交・通商関係を絶つよう公然と呼びかけた。そしてすでに実際、世界でおよそ20カ国が米国の圧力のもとで、北朝鮮との関係においてそのような道に踏み出した。そして米韓合同軍事演習では、北朝鮮の現体制排除を目的とした攻撃が実際に訓練されているのだ。だが、隅に追い詰められた者の行動を予測することは可能だろうか。歴史が示すように、日本は『投げ縄』式制裁を科されたとき、縄が締められるのを待つことはなかった。自ら真珠湾攻撃を準備し、実行したのだ。それではいったいなぜ、北朝鮮の場合は違うはずだと言えるのだろうか」。
興味深いことに、日本の北朝鮮経済専門家である三村光弘氏が、米ジョンズ・ホプキンズ大学が運営する北朝鮮分析専門サイト「38ノース」とのインタビューで、1941年の日米間の緊張状態と現在の状況を比較して、似たような考えをすでに示していた。「今米国は、多くの点で1941年の日本に似た政治制度を持つ国に対して、再び同じ道を歩んでいる。米国政府は北朝鮮への燃料輸送を完全に絶とうとしているのだ。米国は、北朝鮮が自国の核・ミサイル計画を終わらせることでこの圧力に反応することを望んでいる。だがもし、北朝鮮がこの核・ミサイル計画を自国の安全保障にとって不可欠だと考えているなら--私はそう確信しているが--北朝鮮は別の道、日本が1941年に選んだ道を選択し、先制攻撃に打って出るかもしれない。つまり、自分が勝利することはできないと分かっていても、外部からの攻撃に対し自衛するための十分な燃料がなくなってしまう前に戦争を始める、ということだ」。
© AP Photo/ Wong Maye-E
自国の地図にクリミアをロシア領と記載した北朝鮮は何を思いついたのか?
相反する、そして多くの場合単独行動主義的な米国政府の対北朝鮮政策は、北朝鮮のミサイルと核の問題の外交的解決ではなく、朝鮮半島における予測不可能なカオスに、世界を一歩一歩近づけている。
かつて、事態改善を求める米国政府の意図が、日本政府の様々な行動を呼びこんできた。1937年、米国のルーズベルト大統領は日本を公然とは名指しせずに、侵略国を「隔離」するよう呼びかけた。1939年、米国は1911年調印の日米通商航海条約の一方的廃棄を通告した。さらにそののちルーズベルト大統領は、海軍力の一部を真珠湾へ、即ち日本列島により近い場所へ移転させる命令を下した。そして結局、すべては広島と長崎で終わった。
おそらく世界は、核問題をめぐる外交がそのような「成功」に終わることを夢見てはいないだろう。
タグ 軍事, ミサイル, 戦争・紛争・対立・外交, 核問題, 制裁, 北朝鮮
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