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2017年10月 1日 マスコミに載らない海外記事
2017年9月27日
Paul Craig Roberts
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ワシントンがロシアと中国との対決の道を選んだという明白な証拠にもかかわらず、ヨーロッパ各国政府は反対していない。ポーランド、ウクライナとバルト三国は、更なる対立、あるいは対立への近道を要求しているようにさえ見える。ヨーロッパ人自身、ワシントンへの従属を進んで拒否し、まともな対ロシア外交政策を行える指導部を選んでいない。
この日曜日のドイツ選挙は、ドイツ人有権者が、ワシントンの傀儡、アンゲラ・メルケルとキリスト教民主同盟 (CDU)を拒否する好機で、一定程度彼らはそうした。ところが、マスコミ報道からは、決してそうと知ることはあるまい。
見出しは、メルケル四度目の勝利だ。アメリカでは、ヒラリー派の連中が、トランプは得票数では負けていると強調したが、メルケルは70%も負けたのだ。10人中、わずか3人のドイツ人しか彼女に投票していない。彼女の党の得票は前回選挙の41.6%から、33%以下にまで落ちた。
メルケルの連立相手、社会民主党(SDU)も得票の減少に苦しみ、SDUはメルケルの次期連合政権政府への参加を拒否する結果となった。これは、つまり、メルケルは、投票の10.7パーセントを得た自由民主党 (FDP) と、投票の8.9パーセントを得た緑の党と組まなければならないことを意味している。この連合で、政権を作るための52.6 パーセントが得られる。メルケルの“勝利”は、大敗だったので、たぶん退場する途上なのだろう。
メルケルの党と連立相手(SDU)が失った票は一体どこに行ったのだろう?
ワシントンではなく、ワシントンの戦争からの難民ではなく、ロシアとの対立ではなく、ドイツをこそ擁護する新党に行ったのだ。この政党とは、ドイツのための選択肢 (AfD)だ。この党は、投票の12.6%を得て、ドイツ議会で、94議席を擁する、今やドイツで三番目に大きな政党だ。
この党はメルケルが支持している膨大なイスラム教徒移民に反対で、ワシントンの対ロシア政策にも反対なので、AfDは、すぐさま、ナチスの響きを持った言葉である“極右”というレッテルを貼られた。
言い換えれば、ドイツとドイツ国民を支持すると、ナチスにされるのだ。
第二次世界大戦以来、ドイツ国民は、ワシントンによって徹底的に洗脳されているので、ドイツ人は、自らに対して肯定的な見方ができず、何であれ“極右”と言われるものには、罪悪感と恐怖しか感じない。それでも三番目に大量の票は“極右”党に行ったのだ。
ユダヤ人組織は、AfD得票を巡って逆上している。ヒトラーが甦った云々。ユダヤ人が本当にこれほど被害妄想だと信じることは困難だ。ユダヤ人監視機関には、何か他に狙いがあるのではと時折疑いたくもなる。
ドイツにおいて、ロシアとは対立したくない、あるいは中東やアフリカにおけるワシントンの戦争の残滓としての人々のごみ捨て場にはなりたくない政党は、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、イギリス、オーストラリアの売女マスコミや、スプートニクのような英語版のロシア・ニュース・サービスによってさえ“極右”にされてしまうのは明らかだ。
12.6%のドイツ人が覚醒したのを見ると元気づけられるが、投票はロシアとの迫りくる戦争を避けるというより、ワシントンの戦争の瓦礫たる人々のごみ捨て場にならないようにと考えてのことに見える。ドイツにとってのこの二つの脅威を、どう判断すべきだろう?
もしワシントンが、世界に核戦争をもたらせば、ドイツもヨーロッパも存在しなくなる。中東やアフリカにおけるワシントンの残虐行為から逃れる他国の人々で国が溢れたら、ドイツは存在しなくなる。
前者の場合、ドイツには何も残らない。後者の場合、もはやドイツではない国となる。
我々が持ち合わせている証拠からして、西ヨーロッパは、ワシントンにとらわれており、ワシントン外交政策との関係を絶つのではなく、破滅の道を進むだろう。だが東ヨーロッパには、希望の兆しが見える。
ドイツと違い、東ヨーロッパ諸国の中には、ワシントンの戦争からの難民受け入れ割り当てを拒否した国がある。欧州委員会そのものが、儲けと覇権のためのワシントンによる戦争の死傷者に連中が用いる婉曲表現である“巻き添え被害者”用ごみ捨て場として属国機能を受け入れ、難民割り当てを拒否するEU加盟国を訴えている。チェコ共和国元大統領ヴァーツラフ・クラウスは、移民割り当てをチェコ国民に押しつけるEU決定に答えて、こう宣言した。“わが国の欧州連合離脱準備を開始する時がやってきた。” http://gatesofvienna.net/2017/06/vaclav-klaus-the-time-has-come-to-start-preparing-the-exit-of-our-country-from-the-european-union/
EUの独裁的性格は、あらゆる加盟国にとって、離脱の良い理由だ。既にアメリカのグローバル企業や金融機関によって略奪されている国々には、ワシントンの違法な戦争による犠牲者たちを支援する余分な金などない。EUが、ワシントンの戦争の外部費用を加盟諸国に押しつけようとしていることは、EUが一体どこまでワシントンの道具なのかの証明だ。
東ヨーロッパ、あるいはその一部にとって、依然、自立した思考能力を持ち合わせていることのより重要な理由は、核ハルマゲドンを避けられることだ。ワシントンによる世界覇権追求が、世界を三度目で最後の世界大戦においやりつつある。東ヨーロッパ政府は、ワシントンへの属国状態から離脱し、NATOとロシアとの間の中立的緩衝となることで、この忍び寄る戦争を防げる可能性がある。
東ヨーロッパのそうした現実的な振る舞いは、ドイツ、フランスやイギリスを、ワシントンの属国として彼らが直面している極度な危険について覚醒さえできるかも知れない。
私が先に書いた通り(http://www.paulcraigroberts.org/2017/09/25/washington-initiated-military-conflict-russia/)、ワシントンはシリアで、二度もロシア軍に攻撃を加えたのは驚くべきことだ。この狂気は決して良い結果はもたらさない。アメリカ人は、全くぼんやりしていて、ワシントンの狂人連中がもくろんでいる恐ろしい戦争を全く理解できずにいる。どうやら、ヨーロッパ人もイギリス人も分かっていないようだ。
親愛なるヨーロッパ人よ、そう、非ヨーロッパ人移民は脅威だ。ロシアとの紛争もそうだ。現在、指導部と、皆様ご自身の重大な認識が欠如しているがゆえに、あなた方自身を、そして我々を、救うために何もすることができずにおられる。
疲れ果て、吹き込まれ、洗脳され、ヨーロッパ人は、自らと世界の終焉に身をまかせる以外何もしないのだろうか?
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
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