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トランプの苦戦〜トランプは転向していない。覇権派との闘いはまだ続く/田中宇
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/467.html
投稿者 仁王像 日時 2017 年 8 月 31 日 21:23:02: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

トランプの苦戦/田中宇
 http://www.tanakanews.com/
 【2017年8月31日】トランプは転向していない。覇権勢力と取引している。今のところ、トランプを弾劾する罪も見当たらないので、彼が辞めさせられることはない。覇権派との闘いはまだ続く。今後、議会の共和党がトランプの経済政策を通すようになると、今回の取引はトランプにとってうまくいったことになる。逆に、10月になっても何も議会を通っていない場合、トランプと覇権勢力の関係が、また荒れることになる。

(詳細)
http://www.tanakanews.com/170830trump.htm  

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コメント
 
1. 仁王像[1691] kG2JpJGc 2017年8月31日 21:58:19 : A9BcnKUK22 : JLqqc5ZOhQk[1]
 (詳細部分から一部抜粋)

トランプの苦戦
2017年8月31日   田中 宇

▼トランプは過激なツイートをしている限り潰されてない

 米国のトランプ大統領は、8月18日に最重要の側近だった「米国第一(覇権放棄)主義」のスティーブ・バノンを辞任させ、8月21日には、アフガニスタンへの米軍の増派を発表し、米軍総撤退の公約を反故にした。トランプを支持してきた反戦右派の人々の間に、トランプは、覇権放棄の策を捨て、軍産エスタブの覇権維持派へと寝返ったとする失望感や後悔が広がっている。 (What Happened to Making America Great Again?) (Neocons Love Trump's New Afghanistan Plan, Blackwater Calls It "Obama-Lite")

 私は、トランプがバノンを辞めさせたり、アフガン撤退を棚上げした理由について、根本的な転向・戦略転換でなく、トランプの覇権放棄策に反対している米議会の共和党主流派との敵対を緩和するための、暫定的でうわべだけの方策だろうと考えてきた。減税や財政出動策、健康保険改革など、トランプの経済政策は、議会に次々と否決され、ほとんど実現していない。このままだと株価の急落や景気の悪化を引き起こす。それを回避する策として、トランプは7月末、4か月間の約束で、軍産・覇権派の代理人であるジョン・ケリーを大統領首席補佐官に就任させた。それ以来、ケリーは、マクマスター安保担当補佐官、ティラーソン国務長官、コーン経済担当補佐官ら、政権内の覇権派(軍産や金融界出身者)と結束し、バノンら覇権放棄派を政権から追い出し、アフガン撤退やイラン核協定離脱などの覇権放棄派の策を阻止してきた。 (バノン辞任と米国内紛の激化) (トランプの軍産傀儡的アフガン新戦略の深層)

 こうした私の見立ては、楽観的すぎないだろうか。米マスコミは、トランプを正常な人間とみなさず、トランプの政策を理にかなったものとみていない(日本のマスコミは米マスコミの鵜呑み)。私から見ると、それはマスコミが軍産・覇権派の一部なので、公正な報道をせず、トランプ敵視に変更しているからなのだが、同時にいえるのは、報道が信用できないため、政治の動向について正確な見立てが難しくなっていることだ。今回は、最近のトランプ政権をめぐる動きの意味を、再度、分析してみる。 (軍産に勝てないが粘り腰のトランプ) (金融界がトランプ政権を乗っ取り米国をTPPに戻す??)


 まず、トランプ政権内で、覇権維持派(軍産エスタブ・金融界)と覇権放棄派(バノンらナショナリスト)が激しい暗闘を続けてきたという、私の見立ての可否を再検討する。トランプは、選挙期間中から、NATOは時代遅れだとか、日韓がこれ以上米軍の駐留費を負担したくないなら、独自の核武装をして対米自立することを認めるとか、アフガンから米軍を撤退させるとか、ロシアと和解するとか発言し、米国が軍事安保的に世界を運営(支配)する覇権構造の放棄(米国第一主義)を言い続けてきた。就任演説では、ワシントンDCのエリート支配を壊せと、米国民に檄を飛ばしている。この手の扇動や、覇権放棄の方針は、バノンが掲げてきたものと同じだ。トランプはバノンと組み、軍産エスタブの支配を壊そうとしたことがうかがえる。

同様に、従来の米政府は、日韓や欧州を米国の安保の傘に入れ続ける一方で、同盟国の安保タダ乗りを批判し、同盟国により多くの負担金(思いやり予算など)を払わせる策だった。NATO廃止や日韓核武装容認に言及し、G7の協調を重視しないトランプは、従来の米政府よりも、覇権放棄の指向が強い。 (理不尽な敵視策で覇権放棄を狙うトランプ)

 ロシア(ソ連)敵視は、軍産・覇権派にとって重要な戦略だ。トランプは、プーチンと和解し、この覇権戦略を壊そうとした。軍産(米諜報界)は、それを阻止するため、対露和解を担当していたフリン安保補佐官(バノン派)に、針小棒大な微罪のスキャンダルを吹っかけて2月に辞めさせ、代わりに覇権派のマクマスターを据えさせた。

トランプは、米政界を支配してきた覇権派を無力化することを目標に、覇権放棄の戦略を持って大統領になったが、政界からの大きな圧力を受けて側近群の中に覇権派を入れざるを得ず、政権中枢は覇権派と放棄派の激しい政争となり、放棄派が劣勢になっている。トランプは苦戦している。

トランプが転向したのでないことは、相変わらずツイッターで勝手に発信しまくっていることからうかがえる。覇権派を強化するため7月末に首席補佐官になったケリーは、トランプのツイッター利用を制限し、大統領府からの情報発信を、覇権派の検閲のもとで一元化しようとした。もしトランプが転向したのなら、ツイッターの発信が減り、公式論のつまらないツイートしか出てこなくなる。トランプが相変わらず吠えている限り、トランプは転向していない。

トランプがバノンの策を廃棄せず踏襲しているもう一つの点は、中国との貿易関係についてだ。

トランプは「合意形成」よりも「取引」を重視する。大きな組織を信用していないので、孤立を恐れない。従来正しいとされきた常識よりも、自分の直感を重視し、自分が正しいと思えば、非難されても喧嘩腰で押し通す。誇りが高く、自尊心が強い。軍産・外交界(=覇権派)という巨大組織に包囲されて圧力をかけられるほど、トランプは闘志を燃やす。取引の結果、いったんは譲歩もするが、敗北は受け入れない。

 (以下、略)


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