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バルセロナで自動車を歩行者に突入させた容疑者が警官に射殺され、事件について語れなくなった
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708240000/
2017.08.24 05:03:28 櫻井ジャーナル
8月17日にカタルーニャ自治州の州都バルセロナのラ・ランブラでバンが歩行者に突入、13名を殺害して130名以上を負傷させた。その自動車を運転していたとされるヨウネス・アボウヤーコウブが警官に射殺されたようだ。
ラ・ランブラの事件から6時間後にカンブリスで5名の男性が自動車で歩行者を轢いてひとりを殺害、6名を負傷させているが、この5名も射殺されている。殺された容疑者6名は偽物の自爆ベルトを身につけていたという。
自動車を使った「テロ」が実行される前、8月16日にやはりカタルーニャのアルカナーで家が爆発によって破壊されるという出来事があり、少なくとも2名が死亡している。当初、警察はガス爆発事故だと主張していたが、爆弾を製造中の事故だったことが後に判明している。
アルカナー、ラ・ランブラ、カンブリスの出来事はリンクしていると見られているが、現地の報道によると、事前にCIAがスペイン当局に対し、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)がバルセロナで攻撃を計画していると警告、ラ・ランブラがターゲットになる可能性が高いとしていたようだ。
ダーイッシュはアル・カイダ系武装集団から派生したが、このアル・カイダとはロビン・クック元英外相が2005年にガーディアン紙で指摘したように、CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵の登録リスト。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。
ズビグネフ・ブレジンスキーの計画に基づいてCIAがスンニ派を中心とする戦闘集団を編成したのは1970年代の終盤、アフガニスタンにおいてだった。その主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。武器/兵器の提供や軍事訓練はアメリカが担当したが、資金や戦闘員を提供したのはサウジアラビアで、イスラエルが工作に協力している。
アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が2012年8月に作成、ホワイトハウスへ提出された報告書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者やムスリム同胞団で、バラク・オバマ大統領が言うような「穏健派」は存在しないとされている。これは事実。そして、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているともされていた。こうした実態のため、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるともDIAは警告している。
この報告書が作成された当時のDIA局長がネオコンなど好戦派に憎悪されているマイケル・フリン中将。ダーイッシュが売り出された直後の2014年8月に退役させられているが、その後、アル・ジャジーラのテレビ番組に出演してダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている。
つまり、CIAとダーイッシュは非常に緊密な関係にある。ダーイッシュがバルセロナで爆弾攻撃を計画していることをCIAが知り、それを阻止したいなら、その関係を使えば可能だろう。CIAがスペイン当局に「テロ」計画を事前に警告していたとする報道が正しいなら、その「テロ」がダーイッシュによるものだと信じさせる演出だとも考えられる。
ところで、過去の「テロリスト」で裁判まで生き延びられなかった人は少なくない。例えば、エイブ・リンカーン大統領を暗殺したジョン・ブースは事件の12日後に死体となって発見され、1933年2月、前年の大統領選で勝利し、就任間近だったフランクリン・ルーズベルトと並んで立っていたシカゴのアントン・セルマック市長を射殺したジュゼッペ・ザンガラは3月20日に処刑されてしまった。
ジョン・F・ケネディ大統領暗殺では容疑者とされたリー・ハーベイ・オズワルドは警察で射殺され、その射殺犯だとされるジャック・ルビーもテキサス州で事実を語るチャンスが与えられないまま死亡した。9/11をはじめ、21世紀に入ってから続いた「テロ」の容疑者も殺されている。
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