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経済成長のカギは低賃金!? ヨーロッパの自動車産業に注目!
http://diamond.jp/articles/-/135316
2017年7月15日 宮路秀作 [代々木ゼミナール・Y‐SAPIX東大館地理講師] ダイヤモンド・オンライン
「経済×地理」で、ニュースの“本質”が見えてくる!
地理は、ただの暗記科目ではありません。農業や工業、貿易、交通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問です。
地理なくして、経済を語ることはできません。
代々木ゼミナールで「東大地理」を教えている実力派講師であり、『経済は地理から学べ!』の著者でもある、宮路秀作氏に話を聞いてみました。
■先進国って、どんな国?
先進国という言葉があります。これは一般的には先進「工業」国を意味しますが、ここではあえて、先進工業国という言葉を使います。
先進工業国では機械類(一般機械と電気機械の合計)や自動車の生産が盛んです。これらは国内市場だけでなく、世界市場へと積極的に輸出され、輸出品目の中心を占めています。
先進工業国の多くは、最大輸出品目が「機械類」です。しかし、スペインの最大輸出品目は「自動車」なのです。スペインの輸出品目は「1位自動車、2位機械類」となっていて、これは先進工業国の中で、スペインだけなのです。スペインの経済発展の歴史を見ていきましょう。
■安い労働力を武器に発展!
スペインは、第二次世界大戦後、「輸入代替型工業化政策」を採用していました。
「輸入代替型工業化政策」とは、輸入している工業製品を国産化することで、自国の近代的工業化や経済発展を進めようという政策のことです。これは国内産業を育成することを目的としています。
しかし、国民1人当たりの購買力が小さければ、市場規模には限りがあり、市場はすぐ飽和してしまいます。そのため、市場の拡大を目的に、輸出志向型工業化政策(自国に外資系企業の誘致を促し、生産および輸出を行う政策)に切り替えられます。
スペインは1970年代半ばから輸出志向型工業化政策を採用します。さらに1986年には、ポルトガルとともにEC(ヨーロッパ共同体)に加盟することで、ヨーロッパ有数の自動車生産大国として発展しました。
ガソリン自動車の祖といえば、ドイツベンツやダイムラーがあげられます。自動車産業は、ドイツやフランスといったヨーロッパの伝統産業なのです。
そんなドイツやフランスに比べ、当時のスペインは、ヨーロッパにおいて比較的賃金水準が低い国でした。そのため、ドイツやフランスの自動車企業は、スペインの低賃金労働力を活用すべく、生産拠点として多くの工場を進出させます。
結果、スペインでは部品製造業の集積も進みました。これにより外資部品メーカーによる技術供与が進み、国内製造部品の競争力が向上しました。こうした要因を背景に、スペインの自動車生産は飛躍的に発展したのです。
■東ヨーロッパ諸国の加盟で起こったこと
ECは、1992年の欧州連合条約(マーストリヒト条約)によって、翌93年からEU(ヨーロッパ連合)へと発展的改組します。
1995年にはオーストリア、スウェーデン、フィンランドが加盟、2004年には東ヨーロッパ諸国を中心に10カ国、2007年にはルーマニアとブルガリア、2013年にはクロアチアがそれぞれ加盟し、28カ国体制となりました。
EUの加盟国の拡大によって、スペインよりも賃金水準の低い東ヨーロッパ諸国へ生産拠点が移動することになりました。
かつてスペインが持っていた「賃金水準の低さ」という優位性を、東ヨーロッパ諸国に奪われたのです。
ポーランドやチェコ、スロバキア、ルーマニア、ハンガリーといった東ヨーロッパ諸国では、EU加盟後に自動車の生産台数を伸ばしました。
その結果、スペインの自動車産業の空洞化を招く恐れがありました。事実、スペインの自動車生産台数は2004年を境に減少します。
■スペインは「戦い方」を変えた
現在、スペインの自動車生産台数は、1990年代ほどの勢いはないものの、ドイツに次いでヨーロッパ諸国中第2位の自動車生産大国になっています。
2015年には、生産台数273万3000台に対し、輸出台数227万3000台と、実に製造車両の83.2%が輸出に回されています。EUの拡大後もヨーロッパで有力な自動車生産拠点としての地位を保っているのです。
東ヨーロッパ諸国に「大衆乗用車」生産の主役は譲りましたが、スペインは非量産型の高品質小型車やミニバンなどの多目的車両の生産にシフトしました。
また、自動車生産だけでなく、研究開発部門の強化も推進させ、研究開発の事業拠点としての役割を強化させているのです。
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