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メキシコ、新興左派が台頭 来夏、大統領選 政権交代の可能性
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコで新興左派政党が支持を集めている。既存政党への不満に加え、ポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策で世論調査のトップを走る。対する与党は現職大統領が史上最低の支持率に悩む。来年夏の大統領選挙で政権交代の可能性が高まっている。
「野党はどこも与党の使用人にすぎない。我々が唯一の希望だ」――。6月末、日系企業も多く進出する中部グアナフアト州の都市レオン。中心部の広場で国家再生運動(Morena)のロペスオブラドール党首(63)が既存政党を激しく批判すると、集まった数千人の支持者から大きな歓声が沸いた。
2014年に誕生した新興左派政党、Morena。既存政党への批判に加えて、ポピュリズム的な政策が国民の心をつかむ。「高齢者の年金は倍にする」「若者には奨学金を与える」「農家への支払い保証システムを作る」――。ロペスオブラドール氏の政策は貧困層や農家に特に受けがいい。しかし、財源は「政府による汚職の撲滅」「若者の雇用確保で経済成長する」など実現性に疑問が残る内容だ。
だが、地元メディアの世論調査で大統領候補のトップに位置するのがロペスオブラドール氏だ。メキシコシティ市長を務めた後、2度大統領選に出馬したがいずれも次点に泣いている。今回は既に全国を回り、事実上の選挙活動を始めている。
同氏の人気の背景には既存政党への不満がある。前回選挙で、与党の制度的革命党(PRI)は12年ぶりに中道右派の国民行動党(PAN)から政権を奪還した。しかし国民の間では「PANでもPRIでも期待する生活は実現しない」という不満が募っている。
PAN政権時代から進めてきた麻薬組織の撲滅は全く進まず、今年5月の殺人事件件数は2186件と月間での過去最悪を更新。汚職事件も後を絶たない。
経済は成長しているが、国民全体が潤っているとは言いがたい。直近調査の14年の家計所得は10年に比べ2%の減少となった。同期間で平均3%近い経済成長率を示したにもかかわらずだ。貧富の格差も目立つ。
メキシコでは大統領の再選は禁止のため、与党PRIも候補探しが必要だが、まだ具体的な声は上がっていない。
ロペスオブラドール氏は、市場開放が進む石油資源に関しても再国有化を主張したり、メキシコシティ新空港の建設中止を訴えたりするなど、経済混乱を引き起こすとの指摘もある。トランプ米大統領の出現で揺れるメキシコだが、今度は自国の大統領選で動揺が広がる可能性もある。
[日経新聞7月4日朝刊P.8]
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