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ワシントンの危険な中東計画(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/703.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 6 月 23 日 16:31:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ワシントンの危険な中東計画
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-3335.html
2017年6月23日 マスコミに載らない海外記事


2017年6月17日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

現時点で、最近のトランプ大統領によるサウジアラビアとイスラエル訪問は、中東全体における現在の力のバランスを、アメリカ合州国とアメリカのエネルギー地政学に有利なように根本的に変えるため、物事を発動させるのが狙いだったのは明らかだ。急速に衰退しつつあるアメリカの世界覇権を建て直そうとして、ワシントンが試みている、他の大半のことと同様に、カタールでの政権転覆を引き起こし、スンナ派-シーア派の権力闘争を装った石油戦争をエスカレートさせようと、サウジアラビア王国をけしかけたワシントンの最近の動きは、既に深刻な困難に陥っているように見える。

中東のアラビア語雑誌でした質疑応答形式の最新インタビューを皆様にご紹介しよう。

Q: リヤドでのアラブ-イスラム-アメリカ・サミット後の、現在のカタールと湾岸諸国との紛争についてのお考えは?

WE: これはムスリム同胞団とイランに関して公表されている理由とはほとんど無関係な、カタールとサウジアラビア間の根深い権力闘争だというのが私の考えです。地域におけるイランの影響力に対抗するため、サウジアラビアが率いる“アラブNATO”という見込みのない考えを押しつけたトランプ大統領の最近のリヤド訪問中に、カタールを孤立化させる行動がそそのかされたのは明らかです。

国防大臣ビン・サルマーン皇太子によって始められたのが明らかな、サウジアラビアのこの動きは、テロ反対が主眼ではありません。もしテロが問題ならば、ビン・サルマーン皇太子は、世界中のテロに対する最大資金提供者の一員として、自らと、サウジアラビア閣僚の大半を逮捕し、サウジアラビアが資金提供するパキスタンからボスニア-ヘルツェゴビナ、コソボに至る世界中のあらゆるイスラム教育施設を閉鎖しなければならないはずです。オランダの消息筋によれば、もう一つの要素は、中国に米ドルではなく、人民元で天然ガスを輸出しようとしたカタールを、ワシントンが罰したかったのです。カタールは世界最大のLNG輸出国で、その大半がアジアですから、ワシントンが警戒したのでしょう。

しかも、カタールは、サウジアラビアの高圧的なワッーハーブ派から益々自立して行動し、サウジアラビアの湾岸諸国支配を脅かしています。クウェートやオマーンや、湾岸国ではないトルコもカタール寄りになり、パキスタンさえ、サウジアラビアが率いる“アラブNATO”加盟に、二の足を踏むかもしれません。ビン・サルマーン皇太子は、イエメンの大失敗で証明されている通り、防衛戦略家としては最悪です。

将来、カタールが態度を変えて、サウジアラビアの行動に屈伏しそうには見えません。既にタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長は、イランとも、軍の支援もあり得るトルコとも、より最近ではロシアとも、関係を深めようと動いています。クウェートとオマーンが、サウジアラビアに、これを撤回させようと、急遽動いていますが、サウジアラビアの背後には、アメリカがおり、何百億ドルものアメリカ兵器契約もあるので、その可能性は低いでしょう。ワシントンの要望通り“言うことを聞かない”国々を懲らしめるのに、連中の代理、この場合にはリヤドを利用するという、この愚かなアメリカの動きは、中東全体におけるアメリカの残された影響力が、今後数年内にも崩壊しそうな岐路となる可能性があります。

Q: テロが世界を脅かしています。ご著書『ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編』や、ダーイシュ (IS)に関する他の著作で、あなたが書いておられるものによれば、最近のいわゆる“東と西の文明や、欧米・イスラム衝突の背後にある真実は一体何でしょう?

WE: あらゆる本格的テロ組織は国家に支援されていることに留意しなければなりません。全てがです。ダーイシュであれ、ヌスラ戦線であれ、アフガニスタンのムジャヒディンであれ、フィリピンのマウテ集団であれ。どの国が、どのテロリストを支援しているかというのは意味のある疑問です。現在、NATOは、連中の地政学的狙いの武器として、テロ支援に大いに加担しています。NATO内では、アメリカ合州国が第一のスポンサーで、サウジアラビアの資金と、最近までは皮肉にも、カタール資金を良く利用しています。

私の新刊、The Lost Hegemon: Whom the Gods Would Destroyは、イギリス諜報機関と、第三帝国のヒムラー、そして1950年代以降は、CIAによる、特にムスリム同胞団と、1980年代、アフガニスタンでソ連を打ち破るための、CIAによるサイクロン作戦の一環、オサマ・ビン・ラディンのアフガニスタン・ムジャヒディンを含む、後の“分派”の利用に関する遥かに詳細な記録です。

悪名高いサウジアラビア諜報機関のトップ、トゥルキー・アル=ファイサル王子による監督の下、オサマ・ビン・ラディンによって、CIAのために徴募され、パキスタンのISIによって訓練されたCIAムジャヒディンが、1989年にソ連のアフガニスタン撤退後、旧ソ連共和国に、問題の種を蒔くため、CIA自家用飛行機で送り込まれました。これには、石油利権を、BPやアメリカ企業に与え、ロシアのチェチェンを経由するソ連時代の石油パイプライン利用を止めることに従順なアリエフ独裁政権のため、CIAが、政府を打ち倒すべく連中を利用したアゼルバイジャンも含まれます。

その後、CIAは彼らが訓練した、オサマ・ビン・ラディンを含む歴戦のテロリスト、アフガニスタン・ムジャヒディンを、バクーからロシアへのロシア石油パイプライン経路を不安定化すべく、連中をチェチェンに送り込みました。イギリス-アメリカ バクー-トビリシ-ジェイハン石油パイプラインへの道を開くのが狙いでした。石油支配です。

著書『The Lost Hegemon 1990年以降の、唯一の超大国アメリカ合州国』では“信心深いイスラム原理主義者”といううわべの陰に隠れた、こうしたCIA傭兵テロリストの進展を追いました。2003年に、デービッド・ペトレイアス大将の下、アメリカ軍作戦で、イラク内に、実質的なアルカイダを作り出した後、CIAとペンタゴンが、連中をイラクに送り込んだのです。更に2011年に、CIAと、一部の人が、アメリカ“陰の政府”と呼んでいるものの長年の夢である、中東全ての石油とガス資源を軍事的に支配する動きで、イスラム世界全体で政権転覆を強いるべく、アメリカはアラブの春を開始しました。

ワシントンによるアラブの春では、チュニジアやエジプトでのようには、リビアのカダフィを平和的抗議行動で打倒できなかたので、ワシントンは、フランスとNATO爆撃を最前列の当事者として利用する軍事的解決策を選びました。ところが、ワシントンの計画に反対したバッシャール・アル・アサドに対し、シリアで同じことをしようとした際、主に国連安全保障理事会でのロシアと中国による拒否権のため、連中はそうすることができませんでした。対外人テロリスト戦闘支援というアサドからの懇願にロシアが答えた2015年9月以降、ロシアはあざやかかつ迅速に動き、ダーイシュ、いわゆる「イスラム国」を打ち破ろうとしているとワシントンがウソをついていたのを全世界にはっきり暴露しました。

いわゆるイスラム・テロ勃興の背後にある真実は 、特に中国の、今やロシアと組み、また、更に、イランと中央アジア共和国や、南アジア諸国とも組んでのユーラシアの勃興を制御しようとする、イギリス-アメリカ陰の政府による、必死のあがきです。これを把握していないと、中東における最近の出来事の何一つ意味がわかりません。

現在、ワシントンの戦略家連中は、中東のあらゆる石油とガスの要衝を支配できれば、ヘンリー・キッシンジャーが、かつて1970年代に言ったように、“石油を支配して、国々を”特に中国とロシア、そしてドイツとヨーロッパを支配することができると愚かにも思い込んでいます。連中の戦略は破綻したのですが、ワシントンとペンタゴンは、連中の戦争が次々失敗する原因を見るのを拒否しているのです。アメリカ世界覇権の隠された現実は、アメリカという“巨人”は、現在、1873年から1914年までの大恐慌後の英国と同様、破綻した超大国なのです。イギリスは、連中の世界覇権を維持しようと死に物狂いで、1914年に、世界大戦を引き起こしました。私が『ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編』で論じた理由で、連中は失敗したのです。

現在、ほとんど同じ原因、アメリカの金融コングロマリット権力が、国の産業経済の利益に優先するのを許していることで、アメリカの国、個人、大企業の債務は制御不能になっています。レーガンとチェイニーは完全に間違っていました。債務は大問題なのです。

2008年の史上最大の金融危機、アメリカ不動産危機から八年後、アメリカ中央銀行は、新たな金融メルトダウンのリスクをおかすことなく、金利を1%以上にあげることはできません。これだけでもドル体制の危機の度合いを物語っています。民間のエコノミストたちは現在の本当のアメリカ失業率は、アメリカ政府が言う架空の4-5%ではなく、労働人口の23%に近いと見積もっています。

Q: アラブ諸国間や、イスラム教諸国間の紛争に関するアメリカ合州国の立場についての、あなたのご意見は?

WE: 分割して、支配するため、ワシントンは紛争が必要なのです。チェイニーが世界最大の油田サービス会社ハリバートンのCEOだった頃、ディック・チェイニーが、1999年9月、ロンドンのLondon Institute of Petroleumでの講演で言った通り、中東の石油豊富な国々は“結局のところ、宝が埋まっている場所”なのです。アメリカの政策は、アラブ君主国の支配と、石油に基づくアラブの政府系投資ファンドの増大する富がドルから離脱する脅威とを潰すことです。

典型例は、2010年、リビアのカダフィ、チュニジアのベン・アリと、エジプトのムバラクによる主導権下で、リビアは、アラブ・ディナール金貨を発行し、石油輸出に対し、米ドルではなく、ディナール金貨での支払いを要求する、汎アラブ銀行の種を計画していました。これはアメリカ覇権の主柱たるドルの終焉を意味していました。当時の国務長官ヒラリー・クリントンから、個人的顧問シドニー・ブルーメンソール宛ての暴露された電子メールが、いわゆる“アラブの春”で、この三人-ベン・アリ、ムバラクとカダフィを、ワシントンが慌ただしく排除した理由であることを裏付けています。

Q: 最近のロンドンとイランでのIS攻撃後、新世界秩序は一体何だとお考えでしょう?

WE: 最近のロンドンとテヘラン攻撃後の新世界秩序と呼びたいと思います。世界は現在、古い世界秩序、イギリスがウォータールーで勝利して以来、最初は大英帝国、そして、1945年以降は、ソフト・パワー、NATOの支配、IMFと世界銀行の支配と、至高のあるいは至高に近い軍事力とに基づくイギリス-アメリカの協調により、過去二百年、帝国支配してきた秩序が崩壊のさなかにあるのです。

その秩序は、現在破綻しています。アメリカ権力の没落は、1971年8月、ニクソン大統領が厳粛なブレトンウッズ協定におけるアメリカ合州国の義務を放棄し、連邦準備金制度理事会の金割引窓口を閉鎖した時に始まったのだと思います。それ以来、ウオール街の金の権力が静かなクーデターを行い、アメリカ合州国を、1950年代と1960年代に、私が青年として知っていた、それなり機能する民主的共和国から、オバマやトランプのような大統領から、法律を作る議員に至るまで、全てを金が支配する少数独裁政治へと変えたのです。これはアメリカ人と全世界にとって、極めて危険な状態です。

ロンドンやテヘランでの攻撃の背後に一体誰がいたかは決して知ることができないかも知れませんが、疑念は、ワシントンや、モサドや、テヘランの場合には、連中のサウジアラビアの代理を強く指し示しています。

どの国であれ、国益のためにテロに頼るのは、底力ではなく、痛ましい弱さの印です。今、世界は、アメリカ版グローバリゼーションと、故デイヴィッド・ロックフェラーが新世界秩序と得意気に呼んでいたものを、全世界に一国が命令する体制からの極めて大規模なパラダイム・シフト、本当に地殻変動的な地政学的移行の真っ最中にあるのです。その体制は彼と彼の長年の顧問ブレジンスキーと共に死んでしまったのかも知れません。

現在、ユーラシアの国々が、北京から、モスクワ、ブレーメンやロッテルダム、テヘラン、おそらくはイスタンブール、更にその先まで、全ユーラシアの全ての人々を結ぶ、経済成長、インフラ投資、高速鉄道路線、新たな深水港湾に莫大な投資をして、新しい世界を構築しています。過去二十年以上、アメリカが世界にもたらしたものと言えば、アメリカ権力、衰えゆく覇権に対する、ありとあらゆる脅威に対する戦争と破壊という外交政策でしかありません。今世界は、我々の文明を本当に前向きな形で構築し発展させる、数世紀で初めての好機にあるのです。どちらかの選択肢を選ぶのは我々なのです。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”に独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/06/17/washingtons-dangerous-middle-east-agenda-2/
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コメント
 
1. 2017年6月24日 20:27:59 : 4YYrzdxdME : kL37DvJ@@K4[155]
大義など いらぬ背に腹 代えられず

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