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英EU離脱へ初交渉 毎月協議し最終合意急ぐ/nhk
6月20日 5時16分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170620/k10011023351000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_021
イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱に向けた初めての交渉が19日EU本部で行われ、今後、限られた期間で交渉を終わらせるため、優先課題ごとに複数の作業部会に分けて毎月協議を行い最終的な合意を急ぐことで一致しました。
イギリスが去年6月、国民投票でEUからの離脱を決めてからまもなく1年となるのを前に、イギリスとEUによる初めての本格的な交渉が19日、ベルギーの首都ブリュッセルのEU本部で行われました。
協議のあと双方の交渉の責任者が共同記者会見を行い、EUのバルニエ首席交渉官は今後の交渉は月に1度、1週間にわたって行うことで合意したことを明らかにしました。
そして毎月の交渉では3つの作業部会を設け、離脱後にイギリス国内に残るEU市民などの権利をどうやって守るのかや、イギリスが過去に約束したEUへの分担金の支払いに関する協議など、優先課題をそれぞれ協議することになりました。
この結果、双方は実質的な交渉期限が来年秋に迫る中で、高い頻度で集中的に交渉を行い最終的な合意を急ぐことで一致しました。ただイギリス側が離脱条件の交渉と並行して進めたいとしていた離脱後の通商関係をめぐる協議については、作業部会での十分な進展があったと判断された場合にのみ進めることになり、イギリス側がEUに対して譲歩する形となりました。
与党過半数割れ 交渉の先行き疑問視も
イギリスのメイ首相は去年7月の就任直後から「離脱は離脱だ」と述べ、EU=ヨーロッパ連合からの離脱を進める考えを示してきました。
ことし1月には、国民投票の結果を尊重するとして単一市場へのアクセスよりも移民の規制を優先する、いわゆる「ハード・ブレグジット」の方針を表明しました。
その一方で単一市場へのアクセスを求めてきた産業界に配慮し、EUと新たな自由貿易協定を締結してイギリス経済への影響を最小限に抑えるとともに、離脱後の経済的な混乱を避けるためEU側に一定の移行期間を設けるよう求める方針も明らかにしました。
イギリス政府はこのほか、EU域内の規則に関して判断するヨーロッパ司法裁判所の管轄から外れ自国の判断でルールを設ける司法権の回復や、EUとの防衛協力の継続など、12の優先事項を示しています。
ただメイ首相が離脱交渉の開始を前に、政権基盤を強化するため前倒しに踏み切った総選挙で与党・保守党は過半数の議席を維持できませんでした。
これによってメイ首相の求心力は大幅に低下していて、交渉が進むにつれて、交渉決裂も辞さないとする強硬な離脱派から残留派まで議会のさまざまな勢力から横やりが入ることも予想され、EUとの厳しい交渉を乗り切れるのか疑問視する声も出ています。
離脱を規定「EU基本条約50条」とは
EUからの離脱に関する取り決めは、EUの基本条約「リスボン条約」の50条に定められています。
離脱に向けた手続きはイギリスがEUに離脱を正式に通知することから始まることになっていて、イギリスはことし3月29日、離脱を通知しました。通知を受けてイギリスとEUは、離脱後の新しい関係をめぐり、単一市場へのアクセスや人や資本の移動など今後のルールを決めるための交渉を行うことになります。
リスボン条約の50条が発動されると後戻りはできず、離脱を通知してから原則として2年の間で「離脱協定」を結ぶことが必要になります。
もし交渉期限までに協定がまとまらなければEU首脳会議の全会一致で交渉期限を延長することも可能です。
ただ協定がまとまらず延長も認められなければ、イギリスは新しいルールがないままEU加盟国としての権利を失うことになり、貿易に関税がかかるようになるなどイギリス経済にとって大きな打撃となることが予想されます。
EU 厳しい姿勢で交渉に臨む方針
EUは離脱をめぐる交渉を2つの段階に分けて進めたいとしています。1つは離脱条件をめぐる交渉、そしてもう1つは離脱後の双方の関係を定める交渉です。
離脱条件をめぐる交渉でEU側が重視しているのは3点です。
EU側はイギリスに住むEUの市民の権利を離脱後もこれまでと同様に保護することをイギリス側に求めていて、保護の保障方法などをめぐって交渉が行われると見られます。
またイギリスの北アイルランド地方と接する隣国のアイルランドとの国境をめぐる問題では、これまで自由に行き来することができた国境線が離脱によって通行不可能になる可能性があるため、どのような国境管理を行うのかを話し合いたいとしています。
さらにイギリスが過去に支払いを約束した分担金はEUの試算でおよそ600億ユーロ(7兆4000億円)に上るとされ、EUはこれについても負担を強く求めていく方針です。
EU側は、離脱条件をめぐるこれら3点の交渉が終了しないかぎりイギリスが強く求めている離脱後の自由貿易協定についての交渉には入らないという姿勢を示しています。
自由貿易協定の交渉についてEUの交渉責任者のバルニエ首席交渉官は、離脱して第三国となったイギリスがEUから受ける利益は加盟国が受ける利益よりも少なくなければならない、との考えを示しています。
EUから離脱したイギリスが大きな恩恵を受けることになれば各国の不満が高まり、EUに批判的な勢力を勢いづかせかねないためで、交渉には厳しい姿勢で臨む方針です。
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