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【5月17日 AFP】ロシア・シベリア(Siberia)トムスク(Tomsk)市に住む高校生セルゲイ・チャイコフスキー(Sergei Chaikovsky)さん(18)は教室に入ったとき、普通の歴史の授業だろうと思っていた。
だがそこで始まったのは、「過激派」の危険性を説く特別講義だった。担当教師は、チャイコフスキーさんを辛辣(しんらつ)な口調で激しく非難した。今年3月、チャイコフスキーさんが野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が組織した反政府デモに参加していたからだ。
「ファシスト」「アングロサクソン国家の追従者」「国賊」──教師は容赦ない言葉を浴びせ続けた。
「クラスメート全員の前で、みんなをぼくみたいにさせないことが教師としての務めだと言われました」と、チャイコフスキーさんは振り返る。チャイコフスキーさんはひそかに特別講義の様子を撮影し、ネットに動画を投稿した。
教師の行為について、「倫理に反するものでした。ぼくを辱め、どう喝しようとしたんです」というチャイコフスキーさん。校長に訴えたが、「一人の教師のヒステリックな反応にすぎない」と一蹴された。
大統領選を来年に控え、ロシア当局は若年層の不満に神経質になっているように見受けられる。チャイコフスキーさんのような事例は決して特殊なものではない。
数多くの学校や大学で、ナワリヌイ氏を批判する授業や講義が行われるようになったが、それに先立つ3月26日には、同氏主導による全国的な反政府デモに大勢の支持者が参加し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対する抗議活動としては、ここ何年もの間で最大規模の盛り上がりを見せた。
このデモで特筆すべき点は、プーチン氏が政権を握ってきた18年近くの間に成長した若者たちが数多く参加し、拘束される危険を冒して怒りの声を上げたことだ。
「ロシア国民でありたいと考え、恐れない世代がこの国に生まれてきていることを本当にうれしく思う」と、ナワリヌイ氏は首都モスクワ(Moscow)での抗議活動で拘束された翌日に裁判所で語った。
■再教育を強要され、かえって政治への関心を高める若者たち
反プーチン派を支持すればどんな目に遭うかを警告する講義を強制的に受けさせられたという学生たちの報告は全国から上がっている。
ロシア南部サマラ(Samara)のボルガ(Volga)市では先月、3000人以上の学生が、「過激派にノー」と題された長時間の会議への出席を強要された。ある出席者がAFPに語ったところによると、この会議では、今年の3月のデモは武力を使った運動になるおそれがあったと言われたという。さらに講演者の一人は学生たちに「過激派と闘え」と呼び掛け、地元の首長で与党所属のニコライ・メルクシュキン(Nikolai Merkushkin)氏を支持するよう要求した。同氏は、汚職をめぐってナワリヌイ氏から糾弾されている人物だ。
また、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(St. Petersburg)の地元記者によると、同市内にある工科大学でも学生たちが同様の会議に参加させられ、アンケート用紙への記入を求められたという。
AFPが入手したアンケート用紙には、「喜んで警察の協力に応じますか。過激派についてはどう思っていますか。メディアが過激派を助長していると思いますか」などの質問が並んでいた。
だが、若年層の再教育は時には逆効果を生むようだ。
モスクワから東へ450キロほどのゼルジンスク(Dzerzhinsk)で歴史の教師を務めるアンドレイ・ルドイ(Andrei Rudoi)さん(26)は、自身の教え子の間でも政治参加が増えてきており、当局はそうした動きを懸命に抑え込もうとしていると語った。
「私が教えている学生たちの中にもそういう動きが見て取れますね。去年は、政治について語り始める学生が増えました。これまでになく討論もするようになり、会合に行ったり政治団体に参加したりしています。そうした風潮に当局は不安を抱いているんです」(c)AFP/Anaïs LLOBET
http://www.afpbb.com/articles/-/3128365
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