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ポピュリストの見分け方
QuickTake Marc Champion
2017年3月24日 08:35 JST
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「ポピュリズム」ほどここ数年で突如として再び目につくようになった言葉は他にほとんどない。米国のドナルド・トランプ大統領や英国のナイジェル・ファラージ氏、フランス極右政党のマリーヌ・ルペン党首、イタリアのコメディアンで「五つ星運動」党のベッペ・グリッロ党首といった政治家が勢力を増すという、先進国に出現した現象を表現する言葉として日々使用されている。これらの政治家は過去の著名なポピュリストがそうだったように、それぞれ異なる政治目標を掲げている。彼らの共通項となっているのは、その政治スタイルだ。
1. ポピュリストとは?
ソーシャリズム(社会主義)やファシズム、リベラリズム(自由主義)、イスラミズム(イスラム主義)およびその他ほぼすべての『ズム(主義)』が付く政治用語とは異なり、ポピュリズムには内容がほとんどない。ジョージア大学のカス・ムッデ准教授はこれを「無垢(むく)」な人々と腐敗したエリートに宿る「浅薄」なイデオロギーと説明する。ポピュリズムを道具箱ととらえて、そこからどんな種類の政治も行うことができると考えると、理解しやすいかもしれない。例えば、急進的社会主義者であったベネズエラのポピュリスト、故ウゴ・チャベス元大統領と、経済政策ではマーガレット・サッチャー元英首相の保守主義に傾倒する英国のナイジェル・ファラージ氏をつなぐものはほとんどない。
オランダのウィルダース党首
2. どのように見分けるか?
スウェーデンのウプサラ大学政治学部フェロー、ベンジャミン・モフィット氏は、過去の28人のポピュリストを研究した結果、次の3つの中核要件を特定した:
エリートの対極に位置する者としての「大衆」に訴える
ポピュリストのリーダーが自身をエリートと区別し、「大衆」を導いているとの立場を確立するためにあえて衝撃的な言い回しを使うということをモッフィト流に控えめに表現した「不作法さ」を備えている
体制に対抗する理由を正当化するために危機的状況を利用する、またはそれを生み出す
3. 政治家は「大衆」に訴えるのが常では?
そうではあるが、ポピュリストは非難されるエリート以外を訴える対象とすることで、自分たちだけが一般大衆すべての意思を代表しているとの印象を言葉巧みに与える。そして、競争相手を「大衆」に背く人々と位置付け、それゆえに非民主的で違法であるとの理論を展開する。ポピュリストがとりわけ強い二極化要因であるのはこのためである。
4. 有権者はなぜ「不作法」を容認するのか?
オランダでは、極右・自由党のヘルト・ウィルダース党首がコーランをイスラム版の「わが闘争」と評した。彼の性格を認める支持者はほとんどいなくても、その言動は、リベラルな体制に揺さぶりをかけ移民を問題として取り扱うよう求めるものであり、自分たちの側に立った政治家であることを印象づける。同様に、米国のトランプ大統領もある普通の政治家のキャリアを台無しにするような発言をすれば激励される。「エリート」がその偏見や性差別に満ちた発言を非難すれば、それは単に大統領が「大衆」の一人であることを確認する結果となるにすぎない。
5. 危機的状況が必要な理由は?
危機的感覚は、「エリート」とそれが象徴するすべてを打倒する革命の本質的な理由を正当化する。歴史学者のニーアル・ファーガソン氏らは、ポピュリズムの動きを招く要因の一つに金融危機を挙げる。ファーガソンは、2008年の金融危機が多くの米国人に「政府組織と大企業、そしてメディアの間には不健全でおそらく腐敗した関係」があり、切り崩す必要があることを納得させたと記している。ポピュリストは、代償が大きいとの印象を生み出すために状況を誇張することが多い。トランプ大統領が大統領就任演説で米国の現状を「大虐殺」という言葉で言い表した理由も、これかもしれない。
6. 人気(ポピュラリティー)とポピュリズムの関係は?
ポピュリストが成功するためには、他の政治家以上に人気を集める必要がある。選挙に勝つことは重要ながら、得票数や取り込むことのできる大衆の数、ツイッターのフォロワー数も勝利に匹敵するほど重要である。これらの要素は大衆の意思を代表しているとのポピュリストの主張を裏付けるものとなるからだ。こう考えると、トランプ政権が最初の数日間に、大統領就任式への参加者数が低く見積もられたことや昨年11月の一般投票での敗北について熱心に異議を唱えていた理由が理解できる。ただ、当然ながら例外もあり、ファラージ氏が率いていた英独立党は、議会で1議席以上を獲得したことがないにもかかわらず、欧州連合からの離脱の是非を問う国民投票の実施を実現させていた。
「法と正義」の集会(2015年ワルシャワ)
「法と正義」の集会(2015年ワルシャワ) Photographer: Wojtek Radwanski/AFP via Getty Images
7. 民主主義にとってポピュリストは善、または悪?
いずれとも言えない。一部の政治学者は、ポピュリズムが民主主義から発展すると同時にそれを破壊することができるものであるため、民主主義の病的状態と言い表す。民主主義にとって代わるものとしてポピュリズムが台頭する傾向があるのには理由がある。大衆を代表するパワーを失った民主主義を是正する手段との印象を与えるからだ。「大衆」の意向を代表すると主張することで、ポピュリストは彼らの心に訴える再出発を約束することができる。
8. ポピュリストが政権についたらどうなるのか?
ポピュリストは社会を揺さぶる気前の良い約束をするため、政府の能力を制限するために設置された民主主義的な抑制と均衡、特に司法機関やメディアと即座に衝突する。そうなると、次に打つ手はこれらを大衆の意向を阻止するエリートの謀議に加担する機関であると宣言し、つぶそうと試みることになる。
9. 実例を挙げると?
例えば、ポーランドでは15年に「法と正義」党が政権をとった後、旧共産党エリートの腐敗を主張しそれを一掃することを約束した。新政権の採択した法律を同国の憲法裁判所が取り消す動きに出ると、政府は裁判官をパルチザンと判断し、判決を無視して裁判所の権限を弱める法律を制定した。ハンガリーでは、ポピュリストのビクトル・オルバン首相が、ポーランドのケース同様に彼に対抗する同国の憲法裁判所の独立性をおとしめたとして欧州連合(EU)から厳しい非難を浴びた。また、米国のトランプ大統領は就任後1カ月内に、難民およびイスラム圏国家7カ国の国民の米国入国を制限する大統領令を連邦地裁判事が差し止めたことに対し、彼を「いわゆる判事」と軽んじて非難した。大統領はまた、メディアを「米国民の敵」と批判している。
原題:How Do You Know a Populist When You See One?: QuickTake Q&A(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-23/ON5JG46JIJUP01
サマーズ氏:米がNAFTA離脱なら中国を大いに利する結果に
Bloomberg News
2017年3月24日 10:09 JST
サマーズ元米財務長官は23日、ドナルド・トランプ氏の大統領選期間中の公約通り、メキシコなどとの北米自由貿易協定(NAFTA)を米国が打ち切れば、中国を大いに利することになるとの考えを示した。
メキシコ・アカプルコで開催の年次銀行会議に出席中のサマーズ氏は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、メキシコに対し非友好的な政策を取り続ければ、ベネズエラの故ウゴ・チャベス氏のような大統領をメキシコで誕生させ、米国との緊張を招く可能性があるとも指摘した。
トランプ大統領はNAFTA離脱か再交渉を公約に掲げるとともに、メキシコとの国境の壁建設費用を同国に負担するよう求めている。
サマーズ氏は「米国のNAFTA離脱ほど中国を戦略的・経済的に利するものはない」と発言。「それは北米での生産効率低下を意味し、中国が率いるアジアに思いがけない大きな恩恵をもたらすことになる」と語った。
原題:Summers Says Scrapping Nafta Would Be Handing a ‘Gift’ to China(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-24/ONAME26K50YW01
【コラム】火曜日の株価急落には多数の容疑者−エラリアン
コラムニスト:Mohamed El-Erian
2017年3月24日 10:16 JST
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米国株式市場は21日に大幅下落したが下げは驚くほど短命に終わり、ここ数年投資家に都合よく作用してきた2つの仮説をあらためて裏付けた。金融市場は極めて弾力性に富んでいるというものであり、もう一つは目立った相場下落は買いの好機と捉えるのが良い、という仮説だ。
だが、S&P500種株価指数が約100日ぶりに1%超下げる展開になったことの説明としてアナリストらが指摘した容疑者は数多く、これらに含まれる情報は軽くあしらうべきではない。
21日の相場急落の最大要因は、ライアン米下院議長がまとめトランプ大統領が支持する医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の支持で、共和党が速やかに結束できなかったことだ、という指摘がまずある。これは、減税をはじめとするトランプ大統領の成長重視政策の法案可決が今後困難になることの兆候だと捉える見方だ。
また、独特の複雑さがあり過去に論争を呼んだ医療保険改革をまず議会に持ち込むというホワイトハウスの判断が相場急落の要因だとみる向きもある。むしろ、比較的通過させやすい税制改革を先に扱っていれば、今後の法案成立に向けて勢いをつけることができたはずなのに、という視点だ。そして今、医療保険を巡る分裂が露呈してしまい、仮に土壇場で解決に至ったとしても、議会が次に審議する法案の先行きを暗くした可能性があるという。
政治関連の材料をさらに広い視野で捉え、欧州諸国の選挙を取り巻く不透明性が相場急落の一因になったと考えるアナリストもいる。特に反体制派の影響力に着目している。英国がリスボン条約50条の発動日を決め、欧州連合(EU)離脱交渉が開始目前となったことも、こうした見方を支えている。
4つ目に、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げに対する遅延反応だったと捉える向きもある。あと年内2回の利上げ見通しが強いことも手伝って、金融当局が以前ほど資産価格のてこ入れを続けることに意欲的でなく、そうする能力も低下していることの表れだと解釈している。
さらに5つ目の視点として、何らかの株式相場調整がいつ起きてもおかしくない状態にあったとの声も出ている。結局のところ、インプライドボラティリティー(IV、予想変動率)と実際のボラティリティーを示す数値はこれまで非常に低く、21日までは昨年10月以降という珍しく長い期間にわたって顕著な相場下落が起きていなかった。
最後に、日本が年度末に近いことから一部がポートフォリオのリスクを減らし、これが相場急落に作用したとみるアナリストもいる。
実際には、これら全てが下落の材料になっていたかもしれない。だが、相場急落がひとまず落ち着いたのでもう意味がないとしてこれらの材料を片付けてしまうのではなく、経済成長率、企業利益、レパトリ(海外利益の本国への還流)資金がそれぞれ大きく伸びるとの大胆な見方が続く中で、株式が何度も逆風をうまく乗り越えてきたことの重要な再確認としてこれらの材料は受け止めるべきだ。
アガサ・クリスティー作の推理小説「オリエント急行の殺人」に登場する探偵エルキュール・ポアロが置かれた状況のように、今回は容疑者全員が何らかの役目を果たしたと考えるのに十分な理由がある。だが今回の場合、犠牲者に損害はなく、言うまでもなく大損害を受ける事態にもならなかった。少なくとも現時点では。
(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)
原題:The Many Culprits in Tuesday’s Selloff: Mohamed A. El-Erian(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-24/ONA2J76VDKHT01
「ビッグウルフ」の元資産運用者らのファンド、9カ月でリターン46%
Mikael Holter
2017年3月24日 11:29 JST
関連ニュース
日銀が8年ぶりの国債売り現先オペ、期末需給逼迫で−応札2倍台
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https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iLn3fpIuH_zY/v2/-1x-1.png
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ノルウェー資産家の元運用者ら、石油業界の資産やジャンク債に投資
石油業界回復で資金は今後3−5年で3倍にも−ベステレン氏
石油タンカーと沖合掘削事業で富を築き「ビッグウルフ」と呼ばれたノルウェー出身の資産家ジョン・フレドリクセン氏。そんな同氏とつながりの深い2人が、石油関連のディストレス債や敬遠された資産への投資で驚異的なリターンを生んでいる。しかも、上値余地はまだまだ大きいという。
この2人はエスペン・ベステレン氏とフレデリク・ハルボシェン氏。両氏が設立したタイタン・オポチュニティーズ・ファンドは、運用開始から9カ月のリターンが46%に達した。今や投資額を最大1億7500万ドル(約195億円)増やそうとしている。目標は年率リターン30%以上で、今後3−5年に資金を2倍または3倍にすることだ。ベステレン氏は2010年初めから15年後半までフレドリクセン氏の個人的な投資を運用・管理。同氏の企業数社に勤務経験があるハルボシェン氏は、同ファンドに最も出資している。
タイタンの最高投資責任者(CIO)を務めるベステレン氏は「チャンスは今だ」と電話インタビューで発言。「石油業界が経験したのはほぼ前例がないような下降サイクルで、極めて厳しかった。われわれはこれが好転し、今後数年続くと確信している」と説明した。
世界的なだぶつきで原油価格が急落し、石油会社は14年から16年の間に投資を40%余り減少させた。生産会社に加え、エンジニアリングから採掘までさまざまな関連サービスを提供する企業の評価額もがた落ちし、多くが破綻やその瀬戸際に追い込まれた。
昨年6月にスタートしたタイタンにとっては、これが投資のお膳立てになった。開始時の運用資産は約5000万ドルだったが、最新の月間報告によれば、資産は7200万ドル以上に膨らんでいる。
ベステレン氏は「業界は底を脱したばかりで、2017年は活動が上向く最初の年になると確信している」とし、「われわれは石油投資の回復で恩恵を受ける企業に投資している」と語った。ロンドンを拠点とする同社の投資チームは割安なエネルギー企業の株式や債券のほか、独自のネットワークでアクセスできる私募発行の証券や企業間取引にも資金を投じていく方針だ。
原題:Hedge Fund Run by Former ‘Big Wolf’ Trader Delivers 46% Return(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-24/ONA53F6JTSEA01
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