★阿修羅♪ > 国際18 > 640.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
新興国の雄・ブラジル、銃とドラッグが蔓延する国の理想と現実 ムニューシン米財務長官、通商問題で柔軟姿勢−G20に初出席へ
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/640.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 17 日 15:41:36: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

2017年3月16日 橘玲
新興国の雄・ブラジル、銃とドラッグが蔓延する国の理想と現実[橘玲の世界投資見聞録]
 アルゼンチンを訪れたあとは、ブラジルのリオデジャネイロとサンパウロに移動した。今回は南米の旅の最後として、この「新興国の雄」の印象を書いておきたい。
[参考記事]
●アルゼンチンで左派ポピュリズムが定期的に台頭する理由

偶然から生まれたブラジルという「国家」
 ブラジルという「国家」が誕生したのは、ちょっとした偶然だった。
 1492年にコロンブスがインディアス(新大陸)を“発見”すると、大航海時代の両雄であったスペインとポルトガルの間で大西洋の支配権争いが起こった。これを調停したのが教皇アレクサンデル6世で、1494年のトルデシリャス条約で、西経46度37分を分界線とし、そこから東で新たに発見された地はポルトガルに、西の地はスペインに権利が与えられることとされた。
 この条約はもともとはカリブの島々を分割するためのもので、当時、南米大陸の存在はまったく知られていなかった。だがこの分界線を延長すると巨大な大陸にぶつかったことで、その東側(ブラジル)がポルトガル領となり、それ以外がスペイン領とされたのだった。
 南米は大きく3つの地域に分けられる。東北部のアマゾン川流域から南はポルトガル領で、トルデシリャス条約の分界線を大きく越えてアンデス山脈まで広がっている。カリブ海の島々をスペインに押さえられたポルトガル王室は、アフリカからこの地に大量の黒人奴隷を「輸出」しサトウキビのプランテーションを開発しようとした。
 一方、南米大陸の西側には巨大なアンデス山脈がそびえ、標高3000メートルを超える高地に原住民(インディオ)が高度な文明を築いていた。ここに莫大な銀鉱脈があることがわかって、“シルバーラッシュ”に狂喜したスペイン人は多数の鉱山労働者を送り込んだが、アフリカの黒人は高地に耐性がなく、無理な労働をさせるとすぐに死んでしまった。インディオも西洋人が持ち込んだ疫病に苦しんだがやがて免疫を獲得して人口は回復し、ペルーやボリビアでは白人とインディオの混血であるメスティーソが主要民族になっている。
 それに対して南米大陸の南(現在のアルゼンチン)には広大なパンパ(草原地帯)が広がり、ヨーロッパから持ち込まれた牛が野生化して大繁殖した。この牛の群れに寄生して暮らすようになったのがガウチョで、都市生活からドロップアウトしたスペイン系白人の男と、インディオの女性とのあいだに生まれた子孫たちだ。
 19世紀後半から20世紀はじめにかけて、港町ブエノスアイレスが大西洋貿易の拠点として発展し、貧しいイタリア南部から移民が大挙して押し寄せた。その結果アルゼンチンが、本国に次ぐ「(スペイン語を話す)イタリア人の国」になった経緯は前回述べた。
 それに対してブラジルでは、生産過剰で砂糖の価格が暴落するとともにサトウキビのプランテーションも衰退していったが、それと時を同じくしてヨーロッパでコーヒーの大ブームが始まった。亜熱帯ではコーヒーは栽培できなかったが、ブラジル南部(現在のサンパウロ周辺)の高地が良質のコーヒー栽培に適していて、アマゾン流域から黒人奴隷が大挙して南に移動しはじめた。リオデジャネイロが金やダイヤモンドの積出港として発展したこともあり、18世紀にはブラジルの重心は東北部から東南部へと大きく移動した。
 コーヒーのプランテーションはどこも多数の労働者を必要としていたため、黒人を雇い入れる際、農園主は奴隷の身分を解放して自由を約束せざるを得なかった。この自由黒人の子孫たちや、黒人と白人の混血であるムラートがブラジル国民の過半数を占めている。
リオデジャネイロのシンボル、コルコバードのキリスト像        (Photo:©Alt Invest Com)
ブラジルの犯罪発生率は世界的に非常に高いというが、実態は?
 ブラジルはBRICSの一角として近年、目覚しい経済成長を遂げ、2014年のサッカーワールドカップや2016年のリオオリンピックを成功させた。だがその一方で、いまも国内に膨大な貧困層を抱え、治安についての評判は芳しいとはとてもいえない。
 外務省海外安全センターが海外の日本人向けに提供している「海外安全情報」では、「世界的に見てもブラジルの犯罪発生率は非常に高く、日本人の被害も多発しています。また、多くの犯罪には、拳銃等の銃器が使用されており、抵抗すれば銃器で危害を加えられるだけでなく、殺害される可能性も非常に高くなりますので、注意する必要があります」と書かれている。
 リオデジャネイロやサンパウロなど都市部については、「ファベーラ(スラム街)を活動拠点とする犯罪組織間の抗争事件又はこれら組織と治安当局との間の銃撃戦が後を絶たない状況です。ファベーラ周辺での流れ弾による被害も発生する等、一般市民の犠牲者も出ており、状況は深刻化しています」「誘拐事件に対しても警戒が必要です。特に、都市部では昼夜を問わず「短時間誘拐」(「電撃誘拐」とも言われ、金品や車両を強奪するために、拳銃等の銃器を使って脅迫し、一時的に拘束するもの。ATM等で現金を引き出させ、携帯電話や車両を奪った後に連絡手段のない市街から離れた場所で解放するのが一般的な犯行パターン。)が多発していることから、防犯対策に留意し、行動する時間帯や場所等に十分注意する必要があります」と警告されている。
 これを読めば、「怖そうだから近づかないようにしよう」と思うひとが大半なのではないだろうか。では、実際にブラジルの治安はどんな感じなのだろうか。
 リオデジャネイロは、グアナバラ湾に面したビジネス街のセントロと、コパカバーナやイパネマの海岸沿いに高級住宅地が連なる南部に大きく分かれる。内陸部の小高い丘にはファベーラと呼ばれる貧困地域が広がっている。
 旅行者の多くはセントロではなく、コパカバーナなど海岸沿いの高級ホテルに泊まるのだろうが、私が訪れたときはあいにくの雨模様で気温も低かったため、ビーチにはほとんど人影はなかった。夏は海水浴客のセクシーなビキニ姿で有名だが、冬でも天気がよければビーチバレーやビーチサッカーに興じるひとたちで賑わうという。
コパカバーナ海岸。あいにくの雨模様でビーチに人影はない     (Photo:©Alt Invest Com)

 コパカバーナの海岸に沿って大通りが走り、海を一望できるホテルやコンドミニアムが並んでいる。
 メインストリートの裏手に商店や飲食店が集まっていて、日が落ちてからも人通りは多く、若い女性がスマートフォン片手に1人で歩いている。セキュリティの完備したコンドミニアムからいかにも富裕層といった男性がジョギング姿で現われたりもするが、どちらかというと、経済成長で勃興する(中の上の)中産階級の町という感じだ。
コパカバーナのメインストリート                   (Photo:©Alt Invest Com)
夜のコパカバーナ。カップルが歩道のベンチで談笑している    (Photo:©Alt Invest Com)
海岸から離れると庶民的な雰囲気になり、路上の物売りやホームレスの姿も目にする   (Photo:©Alt Invest Com)

 南部の高級住宅地とセントロのビジネス街は地下鉄で結ばれている。コパカバーナの地下鉄駅は洞窟のような斬新なデザインで、列車も真新しい。地元のひとたちがごくふつうに使っているから、観光客が利用する主要路線なら安全面でも不安はない。
コパカバーナの地下鉄駅。洞窟のような斬新なデザイン        (Photo:©Alt Invest Com)
真新しい地下鉄の列車。セントロまで3.8レアル(約130円)    (Photo:©Alt Invest Com)

 リオデジャネイロのセントロは南米を代表するビジネス街ではあるものの、北京や上海のような近代的な都市をイメージすると拍子抜けするだろう。私が訪れたのは土曜日で、人通りがなく閑散としていたということもあるが、建物がどれも古いのだ。
 アジアの新興国の都市のように高層ビルが林立するわけではなく、かといってロンドンやパリのように石造りの重厚な建物が並んでいるわけでもなく、1960年代や70年代の街並みがそのまま残っているようで「なんかぱっとしない」というのが第一印象だ。
 グアナバラ湾に面した一角は最近再開発されたらしく、広い遊歩道は家族連れで賑わっていた。「休日のセントロは治安が悪い」といわれるが、港の近くにはカフェが集まる路地もあり、このあたりを歩くのならなんの問題もない。
リオのビジネス街セントロ。土曜日なので人通りは少ない       (Photo:©Alt Invest Com)
海岸沿いにつくられた遊歩道。家族連れが散策している    (Photo:©Alt Invest Com)
港に近い路地のカフェ               (Photo:©Alt Invest Com)

 セントロの中心は地下鉄のカリオカ駅で、平日はビジネスパーソンや買い物客で賑わうのだろうが、土日はどの建物もシャッターを下ろしている。それでも地元のひとが歩いているから危険というわけではないが、人通りの少ないところはさすがにちょっと緊張する。
 セントロを代表する建物がピラミッドのようなカテドラル・メトロポリターナ(サン・セバスチャン大聖堂)。2万人を収容できる巨大な教会で、内部は床から天井まで60メートルもの巨大なステンドグラスが据えられている。その隣のキューブを積み重ねたような建物は、ブラジル最大の石油会社ペトロブラスだ。
 セントロのカリオカから歩いて5〜6分の距離だが、このあたりまでくると人通りはほとんどなくなる。なんとなく不安になったので、ここから先は行かなかった。
収容人数2万人のカテドラル・メトロポリターナ            (Photo:©Alt Invest Com)
ペトロブラス(ブラジル石油公社)の本社ビル。休日はほとんど人通りがない(Photo:©Alt Invest Com)

 旅行者のブログでは休日のセントロを『北斗の拳』や『マッドマックス』の世界であるかのように描いているものもあるが、公園や広場など観光客の集まるところには日本式の交番が設置され、街中でもホームレスの家族に通りかかった女性が話しかけるなど、危険な感じはなかった。
 とはいえ、ほとんどの建物が閉まっているので見所があるわけでもなく、ここを訪れるなら平日の昼にした方がいいだろう。
公園の脇につくられた交番                       (Photo:©Alt Invest Com)
ホームレスの家族に通りかかった女性が話しかけている      (Photo:©Alt Invest Com)
ブラジルの貧困街「ファベーラ」が今では観光名所に
 ブラジルの貧困を描いてアカデミー賞監督賞の候補にもなった映画『シティ・オブ・ゴッド』の舞台となるのがリオデジャネイロのファベーラ(スラム街)だ。ささいなきっかけから子どもたちが強盗に手を染め、殺人を犯し、やがてモレーキ(ストリートチルドレン)と呼ばれるギャング団になっていく。
 かつては麻薬組織の巣窟で警官も立ち入れないといわれたファベーラだが、1990年代からの経済成長で治安は改善して、いまでは観光客がツアーで見学できるまでになった。
 ファベーラはリオデジャネイロの後背地である山の斜面にあり、コンクリートと煉瓦でつくられた家がびっしりと並んでいる。まさに『シティ・オブ・ゴッド』の世界そのままだが、よく見るとどの家の屋根にも給水タンクの横に衛星アンテナが据えつけてある。ファベーラ=スラムのイメージが強いが、いまでは家族で衛星放送を楽しんでいるのだ。
山の斜面がびっしりと家で埋まったファベーラ        (Photo:©Alt Invest Com)
どの家の屋根にも衛星アンテナが据えつけてある           (Photo:©Alt Invest Com)

 観光客を案内するのだから当然だろうが、私が訪れたのは「貧困地区」というよりは庶民の町で、治安が悪いという感じはまったくなかった。北米ではダウンタウンがスラム化し、高級住宅地は見晴らしのいい高台にあるが、ファベーラが山の斜面につくられたのは上下水道が完備せず、衛生環境を維持するのが難しい分だけ土地の値段が安かったからだろう。
リオのファベーラには商店が並ぶ                      (Photo:©Alt Invest Com)
住民はバスに乗ってリオの中心部に向かう             (Photo:©Alt Invest Com)

 ファベーラではメインストリートに沿って商店が並び、リオの中心部に通う公共バスが走っている。坂が急なのでどの交差点にもバイクタクシーが待機していて、近距離の移動に使われている。建物のあいだは急な階段で、下りきったところが下町の商店街だ。買い物袋を提げて階段を登る高齢者とよくすれちがう。
 下町の建物には至るところに顔写真が貼ってあるが、これは地方選挙のポスターで、候補者の名前といっしょに5桁の番号が書いてある。識字率がまだ高くないブラジルでは、番号で投票できるようになっているのだという。
 ファベーラで気づいたのは、ホームレスの姿をまったく見かけないことだ。ひとびとは貧しくても、それなりに日々の生活を賄っている。家族や地域との絆を断ち切られた「貧困」はスラムではなく都市問題だという現実は、次に訪れたサンパウロで目の当たりにすることになる。
交差点や店の前にはバイクタクシーが待機している      (Photo:©Alt Invest Com)
下町の商店で買い物をして、狭い階段を上がる高齢者        (Photo:©Alt Invest Com)
選挙ポスター。候補者の名前の下に5桁の数字        (Photo:©Alt Invest Com)
下町のスポーツ施設の近くでは武装した警官の姿も       (Photo:©Alt Invest Com)
サンパウロは南米最大の巨大都市でホームレスが非常に多い
 サンパウロは人口1100万人、都市圏人口は2000万人を超える南米最大の巨大都市だが、観光客が訪れるのは近代的なオフィスビルが建ち並ぶパウリスタ大通りと、旧市街のセントロ、あとはリベルダージ地区の日本人街くらいだろう。
 サンパウロに着いたのは素晴らしい天気の日曜で、パウリスタ大通りではショッピングセンターの前でエアロビクスをやっていたり、あちこちでフリーマーケットが開かれたりで、地元のひとたちで賑わっていた。
 パウリスタ通りはリオデジャネイロのビジネス街よりもずっとモダンだが、嫌でも目につくものがある。ホームレスがものすごく多いのだ。それも、歩道の真ん中で堂々と寝ていたりする。なんというか、「人間やめますか」感が半端ないのだ。
サンパウロ、パウリスタ大通りの新市街。近代的なビルが並ぶ    (Photo:©Alt Invest Com)
ショッピングセンターの前でみんなでエクササイズ      (Photo:©Alt Invest Com)
その近くではこのような姿が……               (Photo:©Alt Invest Com)
家財道具一式を運ぶひとも……                    (Photo:©Alt Invest Com)
突然、こんなひとが現われる……                       (Photo:©Alt Invest Com)

 翌日の月曜は朝から雨が降っていたが、地下鉄に乗って旧市街のセントロに行ってみた。
 セントロのシンボルはセー広場に建つカテドラル・メトロポリターナで、ゴシック様式の尖塔を持つ美しい教会だが、それよりも驚いたのは広場のあちこちにホームレスが寝ていることだ。雨がびしゃびしゃと降るなか、まったく気にせず毛布にくるまっている(意識を失っているのかもしれない)。
サンパウロのシンボル、カテドラル・メトロポリターナ        (Photo:©Alt Invest Com)
雨のなか、毛布にくるまって身動きもしない           (Photo:©Alt Invest Com)

 セー広場の東にオペラ座(サンパウロ市立劇場)があるのでそこまで歩いてみたのだが、劇場の横が高速道路になっていて、その高架下が巨大なホームレス村になっていた。オペラ座の先にセントロの商店街があるのだが、そこでは誰が買い物客で誰がホームレスかわからないくらい渾然一体となっている。
サンパウロのオペラ座。観光客が写真を撮っている      (Photo:©Alt Invest Com)
その隣の高架下につくられた巨大なホームレス村         (Photo:©Alt Invest Com)
セントロのショッピング街。買い物客とホームレスが渾然一体となっている        (Photo:©Alt Invest Com)
こうした光景をいたるところで見かける               (Photo:©Alt Invest Com)

 ただし、ホームレスが多いからといって一概に治安が悪いとはいえない。アルコールなのかドラッグなのかはわからないが、彼らのほとんどは気力をなくし、ただ寝ているか、呆然と座っているだけだ。地元のひとたちも、ホームレスの脇をまったく気にせず歩いている。
 セー広場の近くにリベルダージの日本人街があるが、かつては「サンパウロでもっとも安全」といわれたこの地区も最近はホームレスの姿が目立つようになったという(高齢化で住民の数が減ったということもある)。
 ブラジルではルラ大統領の時代に、経済成長の恩恵を貧困層に再分配するために「ボルサ・ファミリア(家族交付金)」と呼ばれる生活保護制度が始まった。その一方でサンパウロでは、100万人以上が市内に点在するスラムで暮らしており、ワールドカップの新スタジアム建設のために労働者階級の住む住宅が取り壊され、さらに大量のホームレスが生まれたとも報道された。
 2016年のブラジルの実質国内総生産(GDP)は前年比マイナス3.6%で、とりわけ家計消費が前年比マイナス4.2%と大きく落ち込んだ。その理由は失業率の高止まりで、16年11月〜17年1月の失業率は12.6%と近年では最悪の水準となった。リオオリンピックの開催前に大規模な抗議デモが行なわれたように、経済状況の悪化でひとびとの生活が苦しくなり、ホームレスが増えたのは間違いないだろう。
 とはいえ、リオデジャネイロもサンパウロも、訪れてみれば言われているほど危険ではなかった。旅行者が歩くのはビジネス街か裕福な地区で、ほとんどのひとはふつうに暮らしているのだから、当たり前の話でもある。
 ただし、銃とドラッグが蔓延しているのは間違いなく、安全な日本に比べれば凶悪犯罪の数ははるかに多い。人通りのない場所は避け、夜に出歩くのは繁華街だけし、貧困地区に足を踏み入れないなど、最低限の注意が必要なのはもちろんだ。
リベルダージの日本人街                        (Photo:©Alt Invest Com)
日系のスーパーはどこも賑わっていた                 (Photo:©Alt Invest Com)
日本人街では歩行者用信号も鳥居の形            (Photo:©Alt Invest Com)
橘 玲(たちばな あきら)
作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(ダイヤモンド社)『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)など。最新刊は、小説『ダブルマリッジ』(文藝春秋刊)。
●橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を毎週木曜日に配信中!(20日間無料体験中)
DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://diamond.jp/articles/print/121120
http://diamond.jp/articles/-/121120

 
ムニューシン米財務長官、通商問題で柔軟姿勢−G20に初出席へ
Saleha Mohsin、Jeff Black、Alessandro Speciale
2017年3月17日 13:46 JST

関連ニュース
東芝メモリ売却7000億〜1.8兆円で応札意向、内外10社関心−関係者
JPモルガンのクオンツが警告、オランダ選挙後に現状肯定感広がる
日本の小型株は箱入り娘だ、還元力に海外勢執心−世界リスク希薄
日本株反落、輸出や内需広く売られる−円安鈍さやG20、「森友」警戒
ムニューシン長官:米国は貿易戦争を望まず−ベルリンで会見
貿易不均衡問題でショイブレ独財務相の主張に理解示す

ムニューシン米財務長官は就任後初の外遊で、米国の新政権が為替・通商政策に関してこれまで与えていなかった安心感を20カ国・地域(G20)にもたらすかもしれない。
  ムニューシン長官はG20財務相・中央銀行総裁会議に出席するため、17日にドイツのバーデンバーデンを訪れる。トランプ政権の「米国第一」主義を巡って各国当局者は不確実性に直面しているが、ムニューシン長官は16日にベルリンでショイブレ独財務相と会談した後に共同記者会見し、「極めて生産的」な協議だったと述べた。ショイブレ財務相も会談を「良好なスタート」と評した。
  ムニューシン長官はドイツの多額の貿易不均衡の根底にある複雑さに理解を示し、米国は貿易戦争を回避したい考えだと発言。米国の680億ドルの対独貿易赤字を経済的に不公平で対抗措置が必要だと指摘している他のトランプ政権当局者とは著しく対照的な姿勢を見せた。
  長官は「ユーロは多くの国で使用され、多くの側面から影響を受ける。単一通貨を単一国家がコントロールするわれわれのような状況とは非常に異なる」と指摘した。
  米国の為替政策をつかさどるのは伝統的に財務長官の職務とされるが、ロス商務長官やトランプ大統領自身の為替発言を受け、実際に政策を引っ張るのは誰なのかという戸惑いが世界各国で生じている。
  ドルに関する米政府のスポークスマンは誰かとの質問にムニューシン長官は、「まずは大統領の話を聞くべきだが、私にも耳を傾ける必要がある」と答え、米財務省が為替操作国に指定すべき国がないか検討するため為替市場を定期的に調査すると述べた。
  
原題:Mnuchin Softens Brazen U.S. Trade Talk in Global Stage Debut (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-17/OMXUJR6TTDS001  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際18掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際18掲示板  
次へ