http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/611.html
Tweet |
Column | 2017年 03月 14日 15:54 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:新興国発のインフレがやってくる
http://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20170313&t=2&i=1176090399&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXMPED2C1OP
写真は、中国の国旗と建設現場で働く作業員。北京で2013年4月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
James Saft
[10日 ロイター] - 新興国市場はまもなく、デフレというよりも世界的なインフレの発信地となるかもしれない。問題は、それが貿易障壁を通じて発生するのか、それとも人口動態によって発生するのか、という点だ。
1980年代以降に起きた中国、インド、旧ソ連圏のグローバル経済への融合は深刻なデフレショックをもたらし、実質的に世界の労働力のプールを倍増させた。複雑な世界サプライチェーン網に中国が加わったのは、関税が最低限化もしくは撤廃され、西側の消費財が中国や他のアジア諸国の安価な労働力を使って製造できるようになった時期とまさに重なる。
しかし、現在は廃止された「一人っ子政策」を長く推進していたことで高齢化が進んだ中国では、新規労働力供給が需要を上回っていた時期は終焉を迎え、2011年以降、都市部における新たな労働力は継続的に需要を下回っている。
製造拠点を中国からもっとコストの安いインドなど他のアジア諸国に移転する動きは拡大しているが、近年、世界的な価格上昇のインパクトはコモディティー価格下落の陰に隠れているようだ。
「中国の労働力縮小と人口高齢化はインフレ圧力をもたらすだろう」と、資産運用会社ピクテのクリストファー・ドネイ氏は顧客向けメモで指摘。「労働コストが上昇し続け、コモディティー価格がこれまでの低水準から回復するならば、インフレ率はいずれ上昇する」
国際決済銀行(BIS)の2015年の調査によると、ある国で労働人口が拡大するとインフレを抑圧する傾向がある一方、高齢者や若年層の増加はインフレ上昇を招きやすいことが分かっている。
ピクテの推計では、人口動態だけで、2025年の中国総合インフレ率は、2002─2015年の平均と比べ25%上昇する可能性がある。2025年の中国国内におけるインフレ率は3%程度にすぎないかもしれないが、同国が過去25年担ってきた役割に容易に取って代わるような安価な労働力が見当たらないため、それは世界的なインフレにかなりの影響を、長期的に与える可能性がある。
しかしこれは、中国にとって悪いことではない。製造業や輸出への依存度を下げ、消費主導の経済成長を目指すために賃金上昇を必要としているからだ。
人口動態の変化には逆らえず、米国と世界におけるインフレ圧力が高まる運命にある一方で、人口高齢化の素晴らしい点は、それが緩やかに進むため政策立案者や企業に適応する時間を与えてくれることだ。
<より破壊的なリスク>
より破壊的な差し迫ったリスクは、新興市場が時間をかけて価格を上昇させることではなく、新たな貿易戦争がグローバルなサプライチェーン網から部分的に新興市場を締め出し、価格を急速に押し上げることだ。
ドナルド・トランプ氏は、中国などが自国を有利にするために世界の貿易システムを操作し、米国経済と製造業の雇用を空洞化させていると非難して大統領に当選した。
「Death by China(中国による死)」の著者であり、トランプ政権で新設された国家通商会議の委員長を務めるピーター・ナバロ氏は、第2次世界大戦後から続く「リベラルな貿易秩序」に狙いを定めた政権の通商政策を明確に打ち出した。エコノミストたちにとっては悩みの種だが、ナバロ氏は貿易赤字を重視し、「もし条件が平等なら存在するすべてのサプライチェーンと生産能力を取り戻す」ことを米国は目指すべきだと語っている。
現時点でナバロ氏は、起こりそうもないそのような変化を駆り立てるべく他国に米国製品を自発的に買うよう求めている。だがもし同氏とトランプ大統領がこの件を非常に真剣に捉えているのであれば、関税や貿易障壁は避けられないだろう。
思い出してほしい。世界銀行からのデータによると、世界の関税率は1980年代初めは平均30%で、1990年代初めには40%に上昇したが、2010年までに約6%にまで低下し続けた。世界のインフレ率も同様の軌跡をたどっており、1990年代の30%から現在は約3.3%にまで低下している。
米国が関税や国境税、その他の貿易障壁を実施すれば、貿易相手国から報復的な対応を招くことから、そのように緩やかに低下してきたインフレ率は、急速に逆回転することになるかもしれない。そうなれば、インフレショックをもたらしかねない。国境税によって、米自動車価格は6─7%上昇して、平均2000ドル(約23万円)から2500ドルの値上がりになるとアナリストたちはすでに予想している。
米連邦準備理事会(FRB)は1回限りの価格上昇のようなものとして「スルー」するかもしれないが、それが賃金と物価のスパイラルに寄与しないことはあり得ず、金利の急上昇を引き起こすだろう。
その一方で投資家は、人口動態がもたらすインフレが彼らにとって最悪の問題だとすれば、それはまだ幸運だろう。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。
ロイターをフォローする
おすすめ記事
コラム:ドラギECB総裁、次の難題は緩和解除の適切な時期 2017年 03月 10日
コラム:「バフェット信仰」はもうたくさん 2017年 03月 03日
来週の日本株、上値試す展開 FOMC前後は波乱含みも環境良好 2017年 03月 10日
http://jp.reuters.com/article/column-emerging-markets-inflation-idJPKBN16K2U8
Business | 2017年 03月 14日 16:30 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
中国、1─2月指標は全般に経済の好調示す 不動産など懸念材料も
[北京 14日 ロイター] - 中国国家統計局(NBS)が14日発表した一連の指標は強い内容となり、銀行融資の伸びや政府のインフラ支出、民間投資を背景に中国経済が2017年に好調なスタートを切ったことが示された。
好調な経済は、多額の債務がもたらすリスクへの対応に軸足を移す中国の政策当局者にとって歓迎すべきニュースだ。しかし、中国人民銀行(中央銀行)が信用引き締めに動く中、輸出も米国の保護貿易主義に直面する見込みとなっており、エコノミストらはこのペースがどの程度持続可能か確信が持てないでいる。
1─2月の経済指標は鉱工業生産が前年比6.3%増、固定資産投資が8.9%増となり、ともに市場予想を上回った。
ロイターがまとめたアナリスト予想は鉱工業生産が6.2%増、固定資産投資が8.2%増だった。
鉱工業生産は、国内外の需要改善を背景に昨年12月の6.0%増から伸びが加速した。
固定資産投資の伸びも2016年1─12月(8.1%増)から加速した。
民間投資は6.7%増で、こちらも昨年の3.2%増から伸びが加速。民間企業の投資意欲が改善していることを示した。
コメルツ銀行(シンガポール)のエコノミスト、周浩氏は「きょうのデータは主にインフラ支出と不動産セクターの回復が主因のようだ」と指摘した。
OCBCのエコノミストは先週、リサーチノートで、中国の第1・四半期国内総生産(GDP)伸び率が前年比7%と前期の6.8%から加速する可能性があるとの見方を示した。
しかし、OCBCや他の多くの中国ウォッチャーは、昨年の景気刺激策の効果が薄れるに伴い、今春から成長率が減速し始めるとみている。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「この強さは投資の急速な伸びに大きく依存しており、当局による今年の財政・金融政策スタンスがそれほど景気刺激的ではなくなるという明確なシグナルを踏まえると持続するのは難しい」と指摘した。
<懸念される分野>
指標は全般的に底堅い成長を示唆する内容となったものの、アナリストは懸念される2つの分野を指摘している。
不動産データはまちまちの内容となり、一部では同セクターが再び過熱しつつある兆候ではないかとの見方が出ている。
1─2月の不動産販売(床面積ベース)は前年同期比25.1%と急増。7年ぶりの大幅な伸びを記録した2016年通年の伸び率(22.5%)を上回ったほか、昨年12月の伸び率である11.8%と比べても大幅増となった。
一方、1─2月の中国不動産投資は前年比8.9%増とロイターが算出した12月単月の伸び率11.1%から鈍化したものの、わずかな減速にとどまった。
1─2月の小売売上高も前年比9.5増と12月の10.9%増やアナリスト予想(10.5%増)を大幅に下回り、約2年ぶりの低い伸びとなった。
*内容を追加します。
ロイターをフォローする
今、あなたにオススメ
中国国家主席がスー・チー氏と会談、「正しい方向に関係発展を」
習主席がスー・チー氏と会談、「正しい方向」に動く必要訴え
中国商務省が豪政府に懸念示す、電力公社の買収拒否で
アングル:中国の個人投資家を魅了する「ロボ・アドバイザー」
アングル:香港・深セン相互取引、A株のMSCI採用は期待薄
http://jp.reuters.com/article/china-feb-economic-indicator-idJPKBN16L0AJ
中国経済、勢い持続−工業生産と固定資産投資の伸び加速
Bloomberg News
2017年3月14日 11:35 JST 更新日時 2017年3月14日 12:39 JST
1−2月の工業生産は前年同期比6.3%増、予想上回る伸び
都市部固定資産投資は同8.9%増、小売売上高は同9.5%増
今年の中国経済は堅調なスタートを切った。従来型の成長エンジンがペースを加速している。
国家統計局が14日発表した1−2月の工業生産は前年同期比6.3%増。ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値は6.2%増。昨年12月は前年同月比6%増だった。1−2月の都市部固定資産投資は前年同期比8.9%増となった。
1−2月の小売売上高は前年同期比9.5%増。小型エンジン搭載車の減税幅縮小で自動車販売が落ち込み、予想を下回る伸びにとどまった。
中国当局は今年の成長目標を6.5%かそれ以上に設定すると発表。マネーサプライM2伸び率目標は昨年の13%から12%に引き下げた。経済が安定する中、当局は不動産価格と行き過ぎたレバレッジの抑制に軸足を移している。
オーバーシー・チャイニーズ銀行の謝棟銘エコノミスト(シンガポール在勤)は「今回の統計は今年の好調な幕開けを示している。固定資産投資の拡大は主にインフラプロジェクトによるものだ。積極的な財政政策が奏功しつつある」と分析。「官民パートナーシップのおかげで、今年のインフラ分野は全般に力強いだろう。2月の与信データも投資が適切な金融支援を得ていることを示唆している」と述べた。
原題:China’s Economy Holds Momentum as Output, Investment Accelerate(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-14/OMS94W6S972801
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。