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FX Forum | 2017年 03月 13日 10:54 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:トランプ帝国主義が招くドル高と中国衰退
武者陵司武者リサーチ代表
[東京 12日] - トランプ米政権の負の二大イメージと言えば、保護主義と孤立主義だろう。ただ、それらは人々の不満に訴えるドナルド・トランプ氏の選挙戦術が生んだノイズあるいは間違ったシグナルであり、今後急速に是正されていくと考える。
私は、トランプ政権の真髄を正しく表現するならば、「守り」ではなく「攻め」、「孤立」ではなく「対外関与の強化」だと見ている。誤解を恐れずに言えば、パクス・アメリカーナ(米国覇権による世界平和)の再構築を目指した新手の「帝国主義」とでも呼ぶべきものだろう。
そうした兆候はすでに安全保障分野において、はっきりと確認できる。「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」追求で内向きの対外不干渉主義が高まるかと思いきや、実際には「世界の警察官」としての言動が目立ち始めている。
1月28日には、イラクとシリアでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討計画に関する大統領覚書を公表した。これを読むと、ISとの戦いに参加する新たな連合パートナーの特定、あるいは対IS武力行使に関連して国際法の要件を超える米国の交戦規定や政策上の制約について修正の推奨などを計画に盛り込むとしており、積極的対外関与の色彩をむしろ強めている。3月9日には、シリア北部ラッカの奪還作戦に関連し、米軍が400人の増派を行うことも明らかにされた。
また、就任前は国内問題優先でアジア地域への関与を弱めるのではないかとの懸念があったが、実際は南シナ海問題などで中国との対立姿勢を強めており、トランプ大統領をはじめ米政権側からは日米同盟の意義を強調するメッセージが相次いでいる。北朝鮮問題についても、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、武力行使や政権転覆も選択肢として検討されているという。こうした動きの全てが、「トランプ政権下で米国の内向き志向が強まる」との事前予想を裏切りつつある。
理想主義的なオバマ政権下では、各国の協調で営まれる「世界共和国」的な概念が追求された。だが、いまやその真逆の「米国帝国主義」的な世界秩序の再構築が始まろうとしている。
<軍事と経済を同じ土俵で議論>
経済政策に目を移しても、帝国主義的な行動を確認できる。例えば、通商分野だ。環太平洋連携協定(TPP)からの米国離脱を「保護主義」と捉えるのは、物事の本質を読み誤っている。
帝国主義的発想に基づけば、価値観・経済力・軍事力で優位にあると自負している帝国の中枢が、その周縁の皆がハッピーになれる最大公約数をまとめようと自発的に動くはずがない。それぞれの相手から一番良い取引条件を引き出そうとするのは当然の行為だ。これを保護主義と呼びたければそう呼べばよいが、保護という言葉から連想される「守る」イメージではないことは明らかだ。
要するに、「攻め」であるからこそ、「同盟国は米国が再び先導役を務めることができると知る」(トランプ大統領、2月28日の議会演説)といった強気の言葉も出てくるのだろう。そして、その実現のためには、経済基盤の強化が不可欠であると認識しているがゆえに、他国に対して無理筋とも言える強硬姿勢を見せ始めているのだと思う。
とりわけ注目すべきは、側近が通商問題と安全保障問題をセットで語っていることだ。例えば、トランプ大統領が新設した米国家通商会議(NTC)の委員長を務めるピーター・ナバロ氏は、「なぜホワイトハウスは貿易赤字を懸念するのか」と題した米WSJへの寄稿で、貿易不均衡が経済成長を脅かし、米国の国家安全保障を危険にさらすとの持論を展開している。中国を暗に批判していることは明白だ。
なお、貿易不均衡是正にドル安が必要とのトランプ大統領の認識は、後述するように誤りだと考えるが、大事なことは、トランプ政権が軍事問題と経済問題を同じ土俵で議論していることだ。「白人労働者の不平不満を解消するために生まれてきた政権」と考えている人々は、早晩、そうした先入観の見直しを迫られることになるだろう。
<国境調整税は絵に描いた餅ではない>
間違った先入観と言えば、トランプ大統領が掲げる国境税や大型インフラ投資に対する批判も当てはまると思う。人気取りの大風呂敷といった類の否定的な論調をよく見聞きするが、本当にそうなのか。
確かに、トランプ大統領がもともと示唆していたような関税の枠組みでの一方的な引き上げは、戦後70年かけて作り上げてきた国際貿易システムを破壊してしまうので、唯我独尊の米国でもさすがに自国への打撃を考えて実行しないだろうが、共和党案にあるような法人税制改革の一環としての国境調整税導入は決して絵に描いた餅ではないはずだ。そして、その結果得られる追加的税収は、法人減税や大型インフラ投資の財源として使うことが可能だ。
この点、レーガン政権下の1982―84年に大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたマーティン・フェルドシュタイン氏(ハーバード大学教授)が米WSJで示した論考に私は賛成だ。
同氏は、貯蓄・投資差額と一致する貿易赤字が貯蓄・投資を変えない国境調整税導入によって減ることはないが、輸入価格上昇と輸出価格下落を相殺するドル高が起こり、それが米国の交易条件の改善(外国通貨の実質購買力の低下)をもたらし、その果実が大幅な税収増になると論じている。
具体的には、輸入に対して20%の国境調整税(輸出は免税)が導入されるとすれば、ドルは25%上昇し、今後10年間で1兆ドル超(毎年1200億ドル)の税収増が見込めるという。フェルドシュタイン氏は、この税収増を元手に共和党案の法人減税(現行の35%から20%への引き下げ)が可能になるとしているが、インフラ投資の原資に充てることもできるだろう。偶然かもしれないが、1兆ドルは、トランプ大統領が議会演説で言及した大型インフラ投資の額とも一致する。
むろん、こうした考え方は、通貨安で貿易不均衡是正を目指すとするトランプ大統領の公式見解とは相容れないように思える。ただし、トランプ大統領が問題視しているのは、不公平な取引によって米国の富が流出することであり、その手段(通貨の強弱)にはこだわっていないはずだ。通貨高でも経済基盤の強化が可能であれば、米国の対外購買力を高めるので、むしろ大歓迎だろう。
そもそも前回のコラムで述べた通り、米国経済は労働集約的な低付加価値品を他国から買い、独占的な高付加価値品やサービスを他国に売る(サイバー空間に張り巡らせたインフラから「口銭」を稼ぐなど)新たな経済構造に転換済みだ。つまり、ドル高によって、むしろ自国利益を極大化できる構造になっている。
実際、経常収支赤字はサービス収支と第1次所得収支の増加で急速に改善しており、貿易赤字が現在の水準で推移すれば、あと6年程度で経常黒字国に転換する可能性もある。ドル高が進行すれば、さらに早まるだろう。こうした「強いドル」政策のメリットにトランプ政権が気付くのも時間の問題ではないか。
ちなみに、理想主義の仮面を捨て、帝国主義の本性をむき出しにした米国によって、一番不利な立場に立たされるのはやはり中国だろう。通商問題では日本も名指しされているとはいえ、安全保障問題とセットで槍(やり)玉に挙げられているのは中国だ。資本主義へのフリーライドを止め、公平な市場経済・取引環境の整備を急がないと、トランプ政権によって追い詰められ、緩やかな経済衰退を余儀なくされていく可能性は高い。
*武者陵司氏は、武者リサーチ代表。1973年横浜国立大学経済学部卒業後、大和証券に入社。87年まで企業調査アナリストとして、繊維・建設・不動産・自動車・電機エレクトロニクスなどを担当。その後、大和総研アメリカのチーフアナリスト、大和総研の企業調査第二部長などを経て、97年ドイツ証券入社。調査部長兼チーフストラテジスト、副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザーを歴任。2009年より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
*本稿は、武者陵司氏の個人的見解に基づいています。
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News | 2017年 03月 13日 11:43 JST 関連トピックス: トップニュース
焦点:トランプ氏の硬軟使い分け、企業トップが見た「裏の顔」
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3月8日、製薬大手6社のトップがトランプ米大統領に会うためワシントンに向かった1月、それが険悪な雰囲気の会談になり得る材料はすべて揃っていた。写真は1月31日、ホワイトハウスで製薬業界のトップと会談するトランプ大統領(2017年 ロイター/Yuri Gripas)
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Ginger Gibson and David Shepardson
[ワシントン 8日 ロイター] - 製薬大手6社のトップがトランプ米大統領に会うためワシントンに向かった1月、それが険悪な雰囲気の会談になり得る材料はすべて揃っていた。
その数週間前、トランプ大統領は、医薬品価格があまりにも高く、製薬会社は「殺人を犯しているのに罪を免れている」と非難して、製薬各社の株価を急落させていた。
ところが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)(JNJ.N)や、ノバルティス(NOVN.S)、メルク(MRK.N)を含む大手製薬の最高経営責任者(CEO)たちを迎えたトランプ大統領は、驚くほど愛想よく振る舞い、自らホワイトハウスの執務室を案内して回ったと、その朝食会に参加した数人が語った。
「それが険悪になる可能性はあったし、私たちもそうなるのではないかと考えていたが、それに比べたらはるかに良い会合だったのは確かだ」とこの会合の状況に詳しい業界関係者は語った。
トランプ大統領は、製薬業界への公然とした攻撃を繰り返さなかった。その代わり、製薬各社のコストを押し上げている「時代遅れの」規制に焦点を当てたという。製薬会社のCEOたちは、規制緩和と米国の割高な法人税率を変えるという大統領の言葉を土産に持ち帰った。
1月20日大統領に就任して以来、トランプ氏は自動車、航空、小売、医療保険といった業界リーダーたちと少なくとも9回の会合を行なった。8日にも、トランプ氏はニューヨークの不動産開発会社や、プライベートエクイティのトップたちと昼食会を催した。そこではインフラ整備に関する官民協力の可能性が議論される見込みだという。
早朝や深夜のツイート投稿や演説のなかで、トランプ大統領はこうした企業の多くに関して、彼らのコスト超過、高価格、海外での生産活動を非難し、幾度となく企業株価に悪影響を与えていた。
しかし、大統領との会合に出席あるいはその報告を受けた10数人近い企業幹部やロビイストをロイターが取材したところ、妥協せず厳しい要求をする大統領のツイートアカウント@realDonaldTrumpとは非常に異なるトランプ像が浮かび上がってきた。
大手企業のトップと直接会うときのトランプ大統領は、愛嬌と口当たりのよい言葉で相手をもてなす。その場合の大統領は柔軟で好奇心旺盛、さらに相手の誕生日を記憶するような追従上手で、相手の企業に対しても惜しみなく讃辞を浴びせていた、と非公開の会合について匿名を条件に取材に応じてくれた人々は指摘する。
株価急落をもたらすようなおおっぴらな攻撃をしているにもかかわらず、こうした大統領のプライベートな一面が、多くの企業トップに、トランプ氏はビジネスに好影響を及ぼすとの自信を与えている。大統領は7日にも、医薬業界の競争促進と薬価引き下に向けた制度に取り組んでいるとツイートし、製薬各社の株価をさらに押し下げた。
ホワイトハウスでの会合で、トランプ大統領はもっぱら規制緩和について重点的に語ったという。それは、オバマ前政権によって課されたルールの撤廃を、重要な優先事項の1つにしていることを裏付けている。トランプ大統領はよく、企業の新規雇用増大を妨げている規制は何かを問いただし、問題の解決を約束すると企業トップらは語る。
「大統領は会合前に(メディアの)カメラ向けに一言発言し、いったん扉を閉ざすと一転して、肩を叩き合うような親密な雰囲気に変わる」とこうした会合について説明を受けたある人物は語る。「愛想がよく、他の大物企業トップたちと大の仲良しのように見られたがる」
実業家出身のトランプ大統領は、企業トップとの非公開会合を、取締役会のように進行しているという。独断的な彼のツイートとは対照的に、列席する全員から意見を求め、オバマ氏やジョージ・W・ブッシュ氏といった前任者と比べても、台本通りの発言が少ないという。
<執務室のガイド役>
トランプ大統領が非公開会合で業界トップたちとどう接しているのかについては、あまりにも情報が少ないために、業界団体や企業幹部らは、この会合にどのように臨むべきか、ノウハウの交換を始めている。
「(こうした会合について)何を予想し、どう行動すべきか、水面下で情報共有が行われている」と語るのは、トランプ大統領との会合に向けての準備に携わったある業界団体幹部だ。ホワイトハウス詣でを控えた他の業界幹部からもひっきりなしに問い合わせの電話がかかってくるようになったという。
こうした会合の締めくくりとして、トランプ大統領はよく彼の執務室へと皆を招き入れ、そこに飾られた絵画や彫刻、家具、それに自分が選んだ敷物やカーテンを披露している。またオバマ氏から引き継いだキング牧師の胸像を紹介し、最後にデスクの向こうで記念撮影をする。
「大統領はツアーガイドになり、執務室を彼らに案内する」とこの業界団体幹部は言う。「執務室をとても誇りにしている」
<椅子を引き、誕生日の祝いも>
1月24日にホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領と朝食を共にした自動車産業ビッグスリーのCEOたちは、嬉しい驚きを味わった。
トランプ大統領は当選以来、自動車各社がメキシコで生産を行なっていることを頻繁に批判しており、米国メーカーがこれ以上米国の雇用を海外に移転させれば、「必ず重大な結果を招く」と警告してきた。
この日、大統領は「ルーズベルト・ルーム」に入ると、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)のメアリー・バーラCEOの肩を叩いて親しげに挨拶し、米国内での雇用を増やすよう穏やかに促した。会議の冒頭部分の録画によれば、会議が始まる前にはトランプ氏がバーラCEOのために椅子を引いてあげたという。
トランプ大統領はフォード・モーター(F.N)のマーク・フィールズCEOに「誕生日おめでとう。皆さん、今日は彼の誕生日だ」と挨拶。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)のセルジオ・マルキオーネCEOに対しては、彼と会えたことを「大変な光栄」だと表現した。
事前にツイートしていた内容とは異なり、トランプ大統領は、具体的に米国に工場を建設するよう、彼らに要求したりはしなかった。代わりに、規制に関するCEOたちの不満に耳を傾け、支援することを約束した。この会合について説明を受けた人々はそう説明した。
高名なゲストたちを相手にトランプ氏はお世辞を振りまき、ときには冗談も口にしている。
キャンベルスープ(CPB.N)のデニス・モリソンCEOがこうした会合で自己紹介したところ、トランプ大統領はすぐに「美味しいスープですよね」と応じたという。
別の会合で、米ディスカウントストア大手ターゲット(TGT.N)のブライアン・コーネルCEOが話しかけると、大統領は相手の社名を「Tar-Jay」と発音。ターゲットの社名をフランス語風に発音して高級そうに見せるという、よくある冗談を披露したのだ。
(翻訳:エァクレーレン)
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World | 2017年 03月 13日 10:10 JST 関連トピックス: トップニュース
中国の出生率は上昇へ、二人っ子政策が「著しい成果」=当局者
[北京 11日 ロイター] - 中国の国家衛生計画出産委員会は11日、同国の出生率が2020年にかけて上昇するとの見通しを明らかにした。すべての夫婦に2人目の子供を認める「二人っ子政策」が昨年、「著しい成果」を挙げたという。
同委員会の王培安副主任が全国人民代表大会(全人代)の合間に話したもの。副主任によると、昨年の出生数は1846万人と、過去5年間の平均を200万人超上回った。出生率は1.7%となり、2000―15年の1.5―1.6%から上昇したという。
中国は人口増加に歯止めをかけるため1970年代に一人っ子政策を開始したが、進行する高齢化社会を支える労働力減少への懸念から、2015年末に二人っ子政策を導入した。
副主任は、増加傾向は2020年まで続くとの見通しを示し、新生児数は年間1700万―1900万人になると見込んだ。
同国は世界で最も出生率が低い国の1つとなっている。
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ヘッジファンド、マクロの成績振るわず−トランプ時代への期待先行
Simone Foxman
2017年3月13日 06:48 JST
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A woman exercises with wooden dumbbells during an event marking Respect for the Aged Day at a temple in the Sugamo district of Tokyo, Japan, on Monday, Sept. 19, 2016. The proportion of Japan's aged has been rising steadily for decades, with U.S. Census Bureau data showing that last year more than one in four Japanese were over 65. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
高齢者人材のキャリア:通期利益上振れへ−「1億総活躍」も追い風
2017年1、2月のマクロファンド成績はプラス0.3%にとどまる
成績上向く転換点は近いと多くの運用者が期待
2017年はマクロ戦略ヘッジファンドが輝く年と考えられている。しかしこれまでのところ、そうでもない。
年初の2カ月の成績は素晴らしいとは言い難い。ヘッジファンド・リサーチによれば、マクロファンドの2月末までの成績はプラス0.3%。これに対しヘッジファンド全体の平均はプラス2.2%。MSCIワールド指数は5%上昇した。
「トランプ氏が大統領に選ばれれば米金融当局がタカ派色を強めるだろうという読みがあった」と、アバディーン・アセット・マネジメントの米州ヘッジファンド担当責任者ダレン・ウルフ氏がインタビューで述べた。「米国と世界の他の国・地域との政策の乖離(かいり)は通常、マクロ戦略ファンドにとって追い風だ」と解説した。
トランプ政権への期待先行
トランプ政権への期待先行 Photographer: Olivier Douliery/Pool via Bloomberg
ところがそうはいかなかったとヘッジファンド運用者らは言う。一つには、今までのところ変化が大きくはないためだという。市場は税制や貿易について実現した改革によってではなく、提案された政策に期待して動いてきた。同時に、運用者らは大統領選挙後の熱狂の波に乗ろうとしながら用心もしている。
一部のファンドは米国債の動きを読み間違えた。さらに、外国為替市場の動きもマクロファンドに「優しくなかった」と運用者向けニュースレターを発行するロバート・サベッジ氏は指摘。「大半のファンドが今もドルをロングにしているが、成果は上がっていない」と述べた。
日本株をロング、円をショートにする日本のリフレトレードでも損失が出た。「第4四半期には大きな利益を上げたが2017年に入ってからそれを返上した」とウルフ氏は話した。
それでも、マクロファンドの成績が上向く転換点は近いと多くの運用者が考えている。オディ・アセット・マネジメントのクリスピン・オディ氏は1月成績に関する顧客宛て書簡で、「各国政府が互いや自国の中央銀行と対抗する時期に入りつつあるように思われる。奇妙なことだが、これでやりやすくなる」と書いている。
ヘッジファンド、17年は資金流出ペース鈍化か−マクロ戦略への期待で
一部ファンドの成績は以下の通り。
FUND YEAR-TO-DATE PERFORMANCE THROUGH FEBRUARY
Rubicon Global Fund -9.0%
Caxton Global Investment* -0.8%
Tudor BVI Global Fund -2%
Brevan Howard Master Fund +0.5%
Bridgewater Pure Alpha II +1.2%
Autonomy** +9%
*3月3日までのリターン
**3月9日までのリターン
原題:Hedge Funds Find No Joy in Macro as Returns Lag Trump Rally (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-12/OMLVQ1SYF01S01
大手鉄鉱石生産会社、値下がり局面乗り切る見通し−現金収入確保で
David Stringer
2017年3月13日 11:22 JST
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海上輸送市場の供給業者の約90%、60ドルで利益確保へ:CRU
鉄鉱石の指標価格は先週、2月10日以来の90ドル割れ
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世界の大手鉄鉱石生産会社は、予想される価格下落を乗り切ることができる見通しだ。生産コスト削減競争により、業界の利益率を圧迫する水準が劇的に低下し、鉱山業界の回復につながった現金収入の確保が引き続き可能になるとみられるためだ。
調査会社CRUグループのシニアコンサルタント、エイドリアン・ドイル氏(シドニー在勤)は電話インタビューで、世界の鉄鉱石海上輸送市場に供給する生産者の90%余りが、指標価格が1トン=60ドルの水準で利益を確保することができると指摘。3年前には同じ価格水準で損失を回避できる生産者は約65%にとどまっていた。
海上輸送市場で供給が拡大し、中国で在庫が膨らむ中、鉄鉱石の指標価格は先週、2月10日以来の90ドル割れとなった。メタル・ブレティンによれば、中国・青島の鉄鉱石(鉄分62%)価格は9日、1ドライトン=86.79ドル。2月21日には94.86ドルと、2014年8月以来の高値を付けた。
原題:Top Iron Ore Miners’ Cash Juggernaut Set to Survive Price Crash(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-13/OMQBXR6TTDS001
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