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トランプ氏の暗殺を呼びかけるツイートが1万2000件を超えた(※写真はイメージ)
トランプ暗殺ツイート1万2000件が意味することとは〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170215-00000118-sasahi-soci
AERA 2017年2月20日号
大統領令への抗議活動の広がりとは裏腹に、トランプ米大統領の支持率は下がらない。民意が激しく対立するとき、大統領をチェックするのは司法と議会。機能するのか──。
「連日、反トランプ報道の嵐で、さすがに嫌気がさす。クーデターで権力を得た独裁者のような扱いぶりだ。問題のある言動は確かに多い。それでも正当に選ばれた大統領なんだ」
米国の大学で一緒に国際政治を専攻していたイタリア系アメリカ人の友人(44)とスカイプで話をしていたら、いつもは冷静な彼がめずらしく熱くなった。
熱心な共和党支持者だが、「トランプ氏はもともと、民主党支持者だった」として、共和党の大統領候補になることには反対していた。「下品なツイートにはあきれる。ツイッターは閉鎖するべきだ」との主張は変わらない。それでも、と彼は言う。
「大統領になった以上は、トランプ氏にチャンスを与えるべきだ。本当にダメだった時は、選挙で代えればいい。それが民主主義ではないのか」
難民や中東・アフリカ7カ国の国民の入国を一時禁止した米大統領令をめぐり、トランプ政権は各国政府や国際機関、グローバル企業のリーダーらから非難を浴びている。市民レベルの抗議行動は世界中に拡大、メディアもトランプ批判を繰り返す。米国司法が大統領令を差し止めるなど、トランプ氏は急速に求心力を失い始めている──。
そう現状認識を説明したら、友人は苦笑した。
「メディアに毒された見解だ。本当にそうなのか。ならば、なぜ支持率が上がるんだ」
●感情的になってもダメ
1月末に米報道機関ポリティコが行った世論調査では、支持率は49%。就任直前に米CNNが出した40%、就任直後に米調査会社ギャラップが出した45%との単純比較では、上昇傾向にあるように見える。ただ、ポリティコによると、報道など9機関が同時期に個別の世論調査をしており、支持率は36%から54%の範囲で差が出ている。9機関の平均は45%となり、少なくとも「支持率が全く下がっていない」とは言える。
「いまは自分も、消極的なトランプ支持者の一人」という友人の「トランプ敵視ありきの見解は一方的で説得力に欠ける」という指摘にはうなずける。
正当な選挙手続きによって民主的に選ばれた大統領を、気に入らないからといって「彼は私の大統領ではない」「得票総数で負けた」などと批判するのは、選挙制度の否定そのもの。攻撃的で粗野な言動や挑発的な政策は、よくも悪くもトランプ氏に一貫しているもので、大統領就任後に豹変したわけではない。その部分も含めて、国民の審判を受け、トランプ氏が大統領選に当選したという事実は重い、というのが彼の理屈だ。
反トランプ運動が民主的な手続きを否定し、国民の分断を助長しているように見えて、逆にトランプ大統領を応援したくなるのだという。
見えているものが全く違うので議論は平行線だが、彼の主張には矛盾がないとも感じた。反トランプ運動がトランプ氏個人への嫌悪感の表明ではなく、米国の伝統的価値観や民主主義的信念を守るための運動であると広く認識されない限り、どっちもどっちの終わりなきののしり合いが続くだけなのだろう。
一つ、気になることがある。
ソーシャルメディアの書き込みを分析する調査会社によると、トランプ氏の暗殺を呼びかけるツイートが大統領就任後の約2週間で1万2千件を超えた。シークレットサービスの捜査対象になっているケースもあるというが、米大手メディアはほとんど報じない。トランプ支持のデモも行われているのに、クローズアップされるのは反トランプデモばかりだ。
これらを偏向報道とみる人は、トランプ支持者を除いても少なくない。支持率が示しているのは、「トランプ離れ」よりも「反トランプ離れ」が広がり始めているという現状だ。
友人は言う。
「感情的になっても意味がない。『三権分立』があるじゃないか。議会や司法によるチェック・アンド・バランス(権力の抑制と均衡)をトランプ大統領も受ける。暴言を吐いても逃げられない。これこそが大統領を縛る米国のシステムなんだよ」
●民主的にやめさせよう
裁判所による大統領令の差し止め判断がまさにこれだ。さらに大統領を罷免するための弾劾裁判を実施する力も議会と司法に与えられている。
共和党支配の議会でチェック機能は働くのか。日本総合研究所の寺島実郎会長は強調する。
「大統領選は実質的には直接民主主義だが、それに対して議会制民主主義がある。大統領令発動で揺さぶるトランプ氏に対し、司法と議会がどう対応するのか、まさに真価が試される」
米国のみならず、欧州でも極右政治家の台頭が見られる今だからこそ、「世界は直接民主主義と議会制民主主義のせめぎ合いにある」と寺島氏。
「職業政治家がレーゾンデートル(存在意義)をかけて、国民の単なる代議者としてだけではなく、オピニオンリーダーとして語り出さなければいけない。それが非常に注目される」
もちろん国民にも有効な手段はある。議会が機能を果たしていないと判断すれば、来年の中間選挙で議員に審判を下せばいい。それ以上に2020年の大統領選では、トランプ氏に直接審判を下せるのだ。民主的に選ばれた大統領だからこそ、やめさせる手段も民主的でなければならない。(編集部・山本大輔)
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