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ホワイトハウス版 “リアリティ番組” 最初のクビは誰だ? “カオス”楽しむトランプ氏、入国禁止の混乱で側近の解任も
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/175.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 2 月 14 日 12:20:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ホワイトハウス版 “リアリティ番組” 最初のクビは誰だ? “カオス”楽しむトランプ氏、入国禁止の混乱で側近の解任も
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8900
2017年2月14日 佐々木伸 (星槎大学客員教授) WEDGE Infinity


 トランプ政権が混乱の極みにあるとの批判が野党民主党やメディアばかりではなく、大統領の支持者らからも高まってきた。とりわけイスラム7カ国からの入国禁止の大統領令をめぐる対応の稚拙さに首席補佐官の解任要求も飛び出す始末。しかし当のトランプ氏は出演していたテレビのリアリティ番組のように「カオスを楽しんでいる」(米紙)風情すらある。

■稚拙な政権運営は「中学生大統領」

 この大統領令をめぐる政権内の混乱と無統制ぶりはひどかった。ホワイトハウスや司法省、国土安全保障省の言うことがばらばらで、空港の入国審査の対応も場所によって大きく違い、長時間拘束されたり、追い返された人が続出。国内ばかりか、世界中に混乱が広がった。

 長官の承認が遅れていた司法省では、大統領令に従わないと明言した長官代行が解任され、国務省では大統領令に反対する署名が1000人を超えた。次官や要の次官補クラスなど高官がほとんど辞任、ティラーソン新国務長官への引き継ぎも危ぶまれる事態に陥った。

 こうした国内の混乱に加え、欧州諸国や隣国カナダなどから、「宗教差別ではないか」との批判が相次ぎ、英国ではトランプ氏の訪問反対の署名が160万人を超えた。こうした中、ワシントン州連邦地裁が大統領令の効力停止の仮処分を決定、政権側はカリフォルニア州の連邦控訴裁に控訴したが、ここでも停止の維持を決定。トランプ氏の大きな後退となった。

 日米首脳会談の記者会見や首脳の移動中の米記者の質問は首脳会談の中身ではなく、大統領令の敗北と今後、入国禁止問題をどうするかに質問が集中。トランプ氏は「あらゆる必要な措置を取り、最終的には勝つ」と大見得を切ったものの、想定外の展開に戸惑いは隠せない。

 ワシントン・ポスト紙は「トランプ特急は脱線の瀬戸際」などと混乱ぶりを伝え、ニューヨーク・タイムズはトランプ氏の稚拙な政権運営を「中学生大統領」と冷笑を浴びせた。 

 混乱の原因は明白だ。歴代政権では司令塔役が首席補佐官で、指揮命令系統がはっきりしているのに、トランプ政権では首席補佐官と同格の地位を付与された人間が他に2人もいる。首席戦略官兼上級顧問のバノン氏と娘婿の上級顧問クシュナー氏だ。権限がこの3人に分散している上、大統領の信頼との親密な関係をバックに顧問のコンウエー氏がメディアに勝手に発信しているからだ。つまりはホワイトハウスの指揮系統がばらばらだというわけだ。

 特に入国禁止の大統領令はバノン氏と大統領のお気に入りの若手顧問で、スピーチライターのミラー氏が事前に情報が漏洩することを恐れ、マティス国防長官らにも知らせず大統領令を作成し、大統領に署名させた。トランプ氏は内容を十分に把握しないまま、署名したことを認めているが、大統領令そのものが拙速で、不十分だったため、連邦地裁での敗北となった。

■生き残り賭けて争わせる

 しかしトランプ氏はこうした部下同士の競争やホワイトハウスの無秩序をむしろ楽しんでいる様子さえある。ホワイトハウスでの部下たちの権力闘争を放置、自らホストを務めたNBCの人気リアリティ番組「アプレンティス(見習い)」に擬えているのではないかというのだ。

 この番組は参加者がトランプ氏の会社への本採用を目指し、与えられた課題を生き残りを賭けて競い合っていくという筋立て。課題を達成できなかった人を「お前はクビだ!」と叫ぶトランプ氏が人気を博した。「同氏は“カオスこそ望ましい結果を生む”と信じている」(米紙)と見られている。

 ホワイトハウスでの生き残りを賭けた戦いは現時点で「お前はクビだ」と言われる2人の落伍者が出そうな様相だ。その1番手は国家安全保障問題担当のフリン補佐官だ。フリン氏は国家安全保障会議(NSC)の事務局長としての統率力に欠けている上、政権発足前にロシアの駐米大使と対ロ制裁の解除について話合ったという疑惑で調査中の身の上だ。

 ペンス副大統領にもロシア大使との会談の内容に関して虚偽報告をして、ペンス氏をミスリードした疑いが掛けられている。米メディアはホワイトハウス高官らに「フリン氏はなお大統領の信頼を受けているのか」との厳しい質問を繰り返しており、同氏は政権3週間目にして風前の灯火という見方が強い。

 2番手はプリーバス首席補佐官だ。トランプ氏の親しい友人で「ニューズマックス・メディア」会長のクリストファー・ルディ氏が11日に大統領と会談し、プリーバス氏を解任するよう強く申し入れたと伝えられている。会長はプリーバス氏が連邦政府の仕事を分かっておらず、コミュニケーション能力もない、と首切りを求めたという。
 
 政権発足から1カ月もたたないうちに側近を更迭するのは大きな痛手だ。しかし「大統領職がトランプを変えるのではなく、トランプが大統領職を変質させる」(ワシントン・ポスト紙)というほどの予測不能で特異な大統領だけに、電光石火の早業で「お前はクビだ!」の台詞が出るかもしれない。
 

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