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「シリア 停戦を維持できるか」/nhk
2017年01月24日 (火)
出川 展恒 解説委員
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/261476.html
シリアのアサド政権と反政府勢力の和平協議が、ロシアやトルコが主導して、カザフスタンの首都アスタナで、
きのうから始まりました。出川解説委員に聞きます。
(中村)
Q1:協議はきょうまで開かれるということですが、成果は期待できるでしょうか。
(出川展恒 解説委員)
A1:はじめから壁にぶつかっているようですね。先月末、ロシアとトルコの主導で成立した停戦を維持してゆくための具体策で一致できるかどうかが最大の注目点ですが、まだ、アサド政権側と反政府勢力側が、直接話し合うことさえできず、間接的な協議にとどまっているようです。
内戦終結への道筋を話し合う和平協議は、別途、国連の主催で、来月8日、スイスのジュネーブで開かれることになっていますが、停戦違反が相次いでいるため、これを監視し、停戦を定着させるしくみを確立しなければ、和平にたどりつくことはできません。
Q2:シリアの内戦をとりまく状況も大きく変化しているようですね。
A2:はい。先月、シリア北部の主要都市アレッポをアサド政権が制圧し、アサド政権と反政府勢力の力関係は、アサド政権側の圧倒的優勢に傾きました。ロシアとイランが強力な軍事支援を行ったことが背景にあります。
そして、アメリカの政権が、ロシアとの協調を重視するトランプ政権に交代したことも重要です。今後、アメリカとロシアが、過激派組織ISという共通の敵と戦うため歩み寄れば、内戦終結も可能だと期待する見方もありますが、私はそれほど簡単ではないと思います。
Q3:シリアの和平が、これほど難しくなっているのはなぜでしょうか。
A3:理由はいくつもありますが、2つ指摘します。
1つは、反政府勢力に停戦を守らせるのは、もともと極めて困難だからです。「反政府勢力」と言っても、さまざまな背景や主義主張を持つ、内外100以上の組織を「十把一絡げ」にそう呼んでいるだけで、停戦の対象外になっている過激派組織もあります。すべての組織に停戦を守らせるのは、「至難の業」です。
もう1つは、関係国の足並みを揃えることの難しさです。仮に、ロシアとアメリカの歩み寄りが可能だとしても、アメリカとイランが協力できるかという問題があります。トランプ政権は、イランに対し、非常に敵対的だからです。
また、反政府勢力を支援してきたトルコのエルドアン大統領とアサド大統領の個人的な対立も障害となるでしょう。
とにかく、停戦を維持することは、和平の大前提であり、アサド政権と反政府勢力の双方が、話し合いの糸口を見いだせるよう、今回の協議を主催するロシア、トルコ、イランの仲介に期待したいと思います。
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