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トランプ氏、大統領就任後すぐに規制撤廃・先送りに着手へ
By ANDREW ACKERMAN AND AMY HARDER
2017 年 1 月 20 日 17:25 JST
【ワシントン】ドナルド・トランプ氏は大統領就任後、すぐにも公約に掲げた規制緩和に着手する見通しだ。投資顧問業から住宅ローン保険、発電所の二酸化炭素排出に至るまで、ありとあらゆる分野の規制が対象になる。この件について政権移行チームと協議しているロビイストらが明らかにした。
ロビイストらによると、トランプ氏が20日に大統領に就任してから最初に取る行動の1つは、連邦政府機関に規則制定手続きを一時中止するよう命じることかもしれない。これは、歴代大統領が対立政党出身の大統領と交代した時に取った手法と似ている。
トランプ氏はさらに、今年発効するオバマ政権の主な優先政策の先送りを命じるとみられる。最大の標的は、数兆ドル規模の退職貯蓄運用業界を揺るがしている新しい規則だ。ロビイストらによると、4月に発効する、いわゆる「受託者規則」の実施を6カ月先送りすることを検討している。そうすれば、この規則を無効にする時間を議会に与える可能性がある。
トランプ氏は公式声明を発表し、オバマ大統領の2期目の任期の最優先事項だった気候変動関連規則を廃止する意向を表明する見込みだが、実際に廃止するには時間がかかりそうだ。
トランプ氏の政権移行チームは19日、コメントの要請に応じなかった。
トランプ氏はこれまでに、新政権は全ての政府機関の規制に狙いを定めると述べており、物議を醸しているオバマ政権の規制の一部撤廃を望んでいる共和党議員の支持を得られる可能性がある。だが、米国企業に対する規制を廃止するという約束をトランプ氏が果たすには数年かかりそうだ。手続きが複雑であるほか、民主党議員と州の司法長官が抵抗しているからだ。
それでもロビイストらによると、すぐに一部の規制撤廃に向けた行動を始める見通しだ。例えば、新政権は来週初めまでに、連邦住宅局(FHA)の住宅ローン保険料の引き下げを延期するための措置を講じる予定だ。FHAは、頭金が少なく信用力が低い住宅購入者向けの住宅ローン債務を保証している。
FHAを管轄する住宅都市開発省(HUD)は今月、2年ぶりに保険料を引き下げると発表した。これは、以前からFHAの保険プログラムが連邦政府に多大なリスクを負わせていると声高に批判している共和党員の間で論争の的になっている。
銀行抵当協会(MBA)のデービッド・スティーブンス社長兼最高経営責任者(CEO)はインタビューで、保険料引き下げの延期は、新政権が保険プログラムの評価を行うための賢明な措置だと述べた。
広範囲にわたる規制の一時中止は、まだ連邦官報で公表されていない、オバマ政権下の規制当局が取った措置を阻むかもしれない。例えば、連邦準備制度理事会(FRB)が先月制定した新しい救済防止規則が今後どうなるか疑問視されている。
FRBの広報担当者はコメントを避けた。
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トランプ氏、閣僚人事承認待たずに貿易協定で公約実行へ=報道官
[ワシントン 19日 ロイター] - トランプ次期米大統領の報道官、スパイサー氏は19日、トランプ氏が公約に掲げる環太平洋連携協定(TPP)からの離脱と北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しについて、米議会による閣僚人事の承認を待たずに実行に移す方針だと述べた。
トランプ氏は20日に大統領に就任する。同氏は昨年11月、TPPが「米国にとって大惨事となる可能性がある」とし、就任初日にTPPからの離脱を通告すると表明していた。
スパイサー報道官は記者団に対し、貿易協定に関する公約実行について、トランプ氏が大統領令を通じて実施すると述べたとし、間もなく行われるとの考えを示した。報道官は「トランプ氏は待たないだろう」と述べ、公約の一部が「重要な優先課題であることを(同氏は)明確にしている」と指摘した。
財務長官に指名されたスティーブン・ムニューチン氏は19日に上院で行われた承認公聴会で、米政府は米国とメキシコの双方が恩恵を受ける形でNAFTAを見直すことは可能との考えを示した。
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ハイテクで「偉大な民主主義」は取り戻せるか政治家の言動をまとめるオンラインツールの必要性と課題
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ハイテク技術は民主主義をどう変えるのか。WSJのパーソナルテクノロジー担当コラムニスト、ジェフリー・ファウラーが解説する(英語音声のみ)
By GEOFFREY A. FOWLER
2017 年 1 月 20 日 11:40 JST
――筆者のジェフリー・ファウラーはWSJパーソナルテクノロジー担当コラムニスト
***
米国には選挙で選ばれた公職者がおよそ51万9000人存在する。そこで新たな大統領が就任するのを機に、ぜひ試してもらいたいことがある。アプリでもウェブサイトでも何でも使っていいので、地元選出の約30人を全員探し出すチャレンジに挑んでみてほしい。
地元選出の議員だけでなく、会計監査官や学校の役員まで全員調べるのはなかなか難しいはずだ。
今はスマートフォンを使えばどこのスターバックスに行くにしても道のりを細かく調べることができ、訪れた店舗の前で自撮りをすることも可能だ。しかし責任ある有権者となるための情報を提供するアプリは、実はまだ道半ばの状況だ。
昨年の大統領選の結果に関してはさまざまな意見があるが、たくさんの人がソーシャルメディアという名のブラックホールに吸い込まれたのは事実だろう。しかし、ソーシャルメディアを通して正しい知識を得ることは少なかったようにも感じられる。そこで筆者は今回、さまざまな政治家の言動をチェックできるような中立なオンラインツールを探してみた。
中にはドナルド・トランプ次期大統領のテレビ発言をデータベース化している非営利電子図書館「インターネット・アーカイブ」など、可能性を感じさせる新しいサービスもあった。しかし州政府や地方政府の最新の情報を利用者が簡単に入手できるサービスは少ないと感じた。
データへのオープンアクセスを推進する「サンライト財団」のような組織は、インターネットが政治を変える可能性を10年以上前から主張し続けている。また、「コード・フォー・アメリカ」のような組織では数千人ものボランティアが働く。従来は州議会議事堂の地下室でコピーを取る必要があったデータも、彼らの努力によってオンラインで閲覧可能となってきた。
しかしこれら団体の技術者たちは、道のりがまだ遠いことに不満を感じていると話す。オンラインでは政府情報のほんの一部しか入手できず、その情報も多くのデータベースに分散しているからだ。
これらデータベースをつなげて情報を整理し、自分の選挙区で当選した政治家がどのように活動しているか知ることは大切だ。しかしサンライト財団では資金調達が難航した結果、技術開発部門が閉鎖された。重要な選挙前にこれら善意のプロジェクトが進展するため、リソースを持つ組織との協力が必要になるだろう。
責任ある市民は何をするべきなのか? 政治家が誠実であり続けるように圧力をかけることができるオンラインツールをいくつか見つけたので、ここで紹介したい。
地元選出の議員は誰?
最初にしなければいけないのは、自分の選挙区から選ばれた議員が誰なのか知ることだろう。すべての議員を調べられる場はないが、まず手始めに「myreps.datamade.us」から当たってみるのがいいかもしれない。シカゴの団体によって立ち上げられたこの無料サイトは、住所を入力するだけで地元から選出された議員の連絡先を見つけることができる。場合によっては州政府や市議会議員の情報も手に入れられる。
Myrepsの画面 ENLARGE
Myrepsの画面
選挙で選ばれた公職者51万9000人のうち、同サイトには5万人が登録されている。無料のサイトとしてはこれ以上の数が登録されている場を筆者は見つけられなかった。ただ筆者の選挙区に関しては1人間違って登録されていた上、地元議員は20人ほど探すことができなかった。この場合は図書館などで情報を得るしかないかもしれない。
議員に寄付した企業や個人を調べたい場合は、「Opensecrets.org」というサイトがあり、州レベルの調査には「followthemoney.org」も便利だ。ナンシー・ペロシ下院院内総務(民主党)は筆者の地元から選出されているが、同氏にとって昨年最大の献金者がフェイスブックであることを初めて知ることができた。
すべての政治家を網羅するには、大人数でひとりひとりの議員をこまめに調査していくしかないだろう。一般市民や地元政府がその作業に協力できるようなシステムも必要になる。これは非営利団体ではなかなか実現できないだろうが、利用者への情報提供で利益をあげているシリコンバレーの大企業なら可能かもしれない。グーグルは市民のためのデータベース作成に取り組んではいるが、まだ本腰を入れるには至っていない。
議員の発言を知りたい場合
保守派評論家ビル・オライリー氏やコメディアンのジョン・オリバー氏のようなコメンテーターを見ていると、彼らはネタにできる情報をたくさん抱えているように見える。一般市民も政治家の過去の発言をデータベースとして所有することができたらどうなるだろうか。
それを実現させようとしているのが、インターネット・アーカイブがとりかかっている「トランプ・アーカイブ」だ。このデータベースには2009年以降にトランプ氏が出演した800ものテレビ番組が記録されており、利用者は発言を元に動画を調べることができる。
インターネット・アーカイブは数年前から20のテレビ局のニュース番組を録画し続けている。ニュースの動画に字幕を付けたことで、キーワードで検索をかけられるのが特徴だ。政治家の発言の真偽が問われることが多い中、このサービスを利用すれば利用者が直接動画を見て確認できる。
ただトランプ・アーカイブは、テクノロジーを使って議員の発言を記録していく作業の難しさも浮き彫りにしている。動画は字幕の情報を元に分類されるが、発言の中に人物の名前が出てくると、それを発言者の名前と誤解をするようなパターンも見られる。仮に何千人もの政治家について同じようなデータベースを作成する場合、顔認識技術や音声認識技術を持つテクノロジー企業からの援助が必要になるという。
われわれはオンライン上の情報が永遠に消えることがないと考えているが、実はそうではない。議員の言葉や行動を逐一記録することを仕事にしている人はいないからだ。インターネット・アーカイブでは政府がサーバーに保管しているデータが消えてしまわないようなプロジェクトにも取り組んでいるという。
トランプ・アーカイブのスクリーンショット ENLARGE
トランプ・アーカイブのスクリーンショット
議員の活動内容を知りたい場合
有権者が政治に無関心になることがないよう、インターネットの可能性を最大限活用して政府の重要な情報が手に入れられるようにすることも重要だ。
「Govtrack.us」 というサイトでは、連邦議会議員が議案にどのような票を投じたかを調べられるだけでなく、本人が参加する活動や支持を表明している法案に大きな動きがあった場合はメールで知らせてくれる機能もある。ただ問題は、実際に何が起きているか知るためには、ワシントンでしか通じないような政治用語を理解する必要があることだ。
「Votesmart.org 」では、具体的な課題に関して議員がどのような言動をとったかを知ることができる。また 「Washingtonwatch.com」では連邦法が一般家庭にどれぐらいの経済的負担を生じさせたかを知ることが可能だ。「Brigade.com」 は政治情報をソーシャルメディア風に入手できるサイトだが、今は選挙の詳細を中心に伝える内容になっている。
筆者はフェイスブックやツイッターを通して可能な限り地元選出議員をフォローしようとした。そうすれば議員たちがどのようなことに関心を持っているかを知ることができるだけでなく、機会があれば質問も投稿できるからだ。ちゃんとしたコメントを残せば、何かしらの反応を受ける可能性もあるだろう。
フェイスブックは米国内の利用者に対し、今回の選挙で当選した議員とつながりを持つことを推奨している。また同社は偽ニュースを分析する活動にも取り組んでいる。
フェイスブックの広報担当者は、市民の社会参画にかかわるプロジェクトをこの他にも手掛けていると語る。ならば筆者の選挙区から当選した議員の投稿や活動がすぐわかるような機能を追加してもらいたい。猫のおもしろ動画を見つけるのと同じぐらい、デジタル民主主義に参加することも容易になるべきだからだ。
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