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トランプ、恫喝ツイッター恐怖政治の代償…米中軍事衝突の懸念、企業がご機嫌取り合戦
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/261.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 13 日 01:11:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                ドナルド・トランプ次期大統領(ロイター/アフロ)
 

トランプ、恫喝ツイッター恐怖政治の代償…米中軍事衝突の懸念、企業がご機嫌取り合戦
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17718.html
2017.01.12 文=相馬勝/ジャーナリスト Business Journal


 ドナルド・トランプ次期米大統領は11日午後(日本時間12日未明)、ニューヨークのトランプタワーで記者会見を行い、フォードやクライスラーといった2大米自動車メーカーがメキシコでの新工場の建設計画を撤回し、米国内の工場増強を発表したことに謝意を表明。そのうえで、「私は最も多くの雇用を生み出す大統領になる」と強調するなど、トランプ新政権の政策の要は「米国第一(アメリカファースト)」であり、その中心は雇用創出などアメリカ経済の再生であることを改めて印象付けた。その意味では、これまでの発言と同じで新味はない。

 しかし、次期大統領が当選後、2カ月間も会見を開かず、その間、ツイッターで300回もメッセージを発信し、“恫喝”まがいに企業のメキシコでの新工場建設を批判するなどして、米国の2大自動車メーカーの計画を撤回させたことは、良くいえばトランプ氏がビジネスマンらしく交渉術に長けていることを示している。

 悪くいうと、米大統領という強大な権力をテコにして、相手を恐怖に陥れて屈服させるという権威主義的なやり方は批判されてしかるべきで、恫喝によって相手が従うのは最初だけであり、その後は大きな反発を生むことを忘れてはならないだろう。

■企業が相次ぎ「貢献」を約束

 トランプ氏のビジネス交渉術にしてやられたのは、米企業ばかりでなく、日本や中国の企業もだろう。米国経済再生や雇用の創出を政策の要に据えるトランプ氏のご機嫌を取るように、ソフトバンクグループの孫正義社長が昨年12月6日、トランプタワーでトランプ氏と会談し、総額500億ドル(5兆7500億円)を米国でIT(情報技術)分野を中心にした新興企業に投資し、5万人の雇用を生み出すことを約束した。

 また、トランプ氏は1月5日、ツイッターでトヨタ自動車のメキシコ工場新設撤回を求めると、同社は撤回要請には応じないものの、豊田章男社長が訪米中の9日、米国で持続的な投資を続け、今後5年間の総額は計100億ドル(約1兆1500億円)になる見通しを表明した。
 
 さらに豊田社長は次期米副大統領に就任するペンス氏と、10日(現地時間)に会談したと伝えられる。ペンス氏はトヨタの生産工場があるインディアナ州の知事を務めており、雇用や投資などでの米国経済への貢献について話し合ったもようだ。

 中国企業も右に倣えだ。中国を代表する民営企業の雄で、ネット通販最大手アリババ集団の馬雲会長も9日、トランプタワーでトランプ氏と会談。馬氏は「中国には3億人以上の中間所得層と海外商品への旺盛な需要がある」などと語り、米国製の衣料品などを中国で売り込み、5年間でアメリカ国民100万人の雇用を創出する「BABA」計画について話し合ったことを明らかにした。

 また、米紙ニューヨーク・タイムズによると、トウ小平氏の孫娘の夫で、中国有数の保険会社、安邦保険集団会長の呉小暉氏は昨年11月、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏とニューヨーク最高級老舗ホテルの中華レストランで秘密会談を行っていた。会食では最高級料理と1本2100ドル(約24万円)の高級ワインを何本も開け、トランプ氏の大統領選当選を祝福したという。

 クシュナー氏は米大統領上級顧問に指名されており、トランプ政権の最重要人物だが、クシュナー氏の中国人脈はかなり豊富なようだ。実は、クシュナー氏の兄弟が興した不動産投資会社がアリババの馬会長の資金援助を受けていることから、クシュナー氏が馬氏と親しくなった。また、馬氏とソフトバンクの孫社長もビジネスで親しい関係を築いており、孫氏は馬氏の紹介でクシュナー氏と会い、トランプ氏との会談の約束を取り付けたというわけだ。

■米中軍事衝突の可能性も

 その一方で、トランプ氏は記者会見で、オバマ政権下では中国が「経済面で、また南シナ海での巨大な要塞の建設で米国の弱みにつけ込んでいる」と批判するなど、中国に厳しい姿勢をとっている。中国側もトランプ氏がツイッターで、これまでの米政権が順守してきた「一つの中国」政策を無視するような発言を行い、台湾の蔡英文総統と電話会談を行ったことで、中国初の空母「遼寧」が東シナ海から南シナ海を経て、再び東シナ海に戻るなど、台湾を中心に一周するコースをとるなど激しく反発しているようだ。

 特に、中国の習近平国家主席は2013年6月のオバマ大統領との首脳会談で、「広大な太平洋には中国と米国の両国を受け入れる十分な空間がある」と発言している。これは中国が太平洋に進出し、ハワイを中心として西半分は中国が、東半分は米国が実質的に統治するということだ。すなわち、習氏の発言は「中国がアジア覇権をとる」という野望をオブラートにくるんだものといえる。

 このままでは、南シナ海問題などで中国を激しく批判するトランプ氏の大統領在任中に、台湾や南シナ海をめぐって、米中両国が軍事的に衝突する事態も考えられなくもないが、その際、米大統領上級顧問に指名されているクシュナー氏の出方がカギを握るとみられる。

(文=相馬勝/ジャーナリスト)
 

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