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小笠原諸島付近でのM7以上地震の可能性:
6月7日の朝に久しぶりにヤフーの地震情報とHi-net自動処理震源マップをチエックしてみました。この2月以来です。次に示す二つのかなり大きな変化が見つかりましたので、それについて、どの程度の異常なのかを、簡単に確認してみました。
(1)震度1以上を観測した地震数で、関東地方の4月の地震数が大きく減少していたこと。
(2)Hi-net自動処理震源マップのN=の値(微小地震数であり、震度1未満の微小地震数を数えたもの)について、「最新24時間」の値が以前と比べて2割程度以上減少していること。また「最新7日間」や「最新30日間」でも減少傾向があること。
(1)について:
今年の関東地方の月ごとの地震数の推移は次の通りです。
2019年
01月分:36件(陸域:21件、海域:15件)
02月分:27件(陸域:10件、海域:17件)
03月分:29件(陸域:09件、海域:20件)
04月分:13件(陸域:05件、海域:08件)
05月分:26件(陸域:13件、海域:13件)
明瞭に4月分の地震数は他の月と比べて、大きく減少しています。2016年以降のデータと比べても、同様なことが言えます。
2016年
01月:40
02月:31
03月:18
04月:30
05月:26
06月:32
07月:63
08月:31
09月:31
10月:28
11月:22
12月:51
2017年
01月分:31件(陸域:20件、海域:11件)
02月分:43件(陸域:25件、海域:18件)
03月分:35件(陸域:18件、海域:17件)
04月分:32件(陸域:16件、海域:16件)
05月分:27件(陸域:14件、海域:13件)
06月分:49件(陸域:18件、海域:31件)
07月分:29件(陸域:14件、海域:15件)
08月分:42件(陸域:32件、海域:10件)
09月分:33件(陸域:20件、海域:13件)
10月分:29件(陸域:21件、海域:08件)
11月分:38件(陸域:25件、海域:13件)
12月分:24件(陸域:12件、海域:12件)
2018年
01月分:41件(陸域:16件、海域:25件)
02月分:26件(陸域:15件、海域:11件)
03月分:30件(陸域:14件、海域:16件)
04月分:24件(陸域:09件、海域:15件)
05月分:28件(陸域:18件、海域:10件)
06月分:49件(陸域:33件、海域:17件)
07月分:43件(陸域:16件、海域:27件)
08月分:29件(陸域:14件、海域:15件)
09月分:34件(陸域:13件、海域:21件)
10月分:36件(陸域:19件、海域:17件)
11月分:26件(陸域:14件、海域:12件)
12月分:33件(陸域:18件、海域:15件)
(*2016年から2018年のデータには、静岡県の陸域地震が含まれています。しかし、その数は最大でも2件程度なので影響は無視できます。)
上のデータを見て、2016年の3月の減少が大きいことに気が付かれると思いますが、これは2016年4月の熊本地震M7の前兆現象が中央構造線の北側で出ていたものだと思われます。同様な減少が九州でも、また全国でも出ていましたから。
震度1以上を観測する地震数が、一定の地域で減少すると、その数か月後にM7規模の地震が起こることがよくあります。2016年の熊本地震では明瞭に前月である3月に九州地域の地震数減少が起こっていました。
九州地域:(*南西諸島を含む)
01月分:28回(陸域:04件、海域:24件)
02月分:41回(陸域:04件、海域:37件)
03月分:15回(陸域:07件、海域:08件)
04月分(4月13日まで):11回(陸域:02件、海域:09件)
2011年の311大地震の時も、東北地方で同様な減少がありました。この時は、前年の11月から311大地震の2か月前である2011年1月まで3か月間にわたり、地震数減少が発生していました。
2010年
04月分:25件(陸域:18件、海域:07件)
05月分:29件(陸域:20件、海域:09件)
06月分:23件(陸域:11件、海域:12件)
07月分:18件(陸域:09件、海域:09件)
08月分:31件(陸域:12件、海域:19件)
09月分:40件(陸域:34件、海域:06件)
10月分:54件(陸域:49件、海域:05件)
11月分:11件(陸域:04件、海域:07件)
12月分:14件(陸域:08件、海域:06件)
2011年
01月分:11件(陸域:06件、海域:05件)
02月分:28件(陸域:09件、海域:19件)
03月分(3月8日まで):06件(陸域:04件、海域:02件)
しかし、関東地方での地震減少が4月にあり、既に6月の10日になります。2016年の熊本地震の時は、地震数減少があってから2か月しない内にM7が発生しました。いつ頃、大きな地震が発生するのかが問題です。
M7規模が発生するとき、その前兆は、その地域全体での地震数減少だけではなく、震度1以上地震の発生が全くない期間が5日間以上続くことがあります。そして、関東地方を見ると、今年になってから4日間以上の地震停止は起こっていません。
よって、関東地方の陸域での地震ではない可能性が高いと思います。海域、それも、関東近海ではなく、伊豆・小笠原海溝の、ある程度関東平野から離れた海域での大地震の可能性が高いと思います。
(2)について:
Hi-net自動処理震源マップのN=の値については、かなり地震数(N=の値)が減少しているという印象があったため、手元にデータがある中から、比較的最近で、地震数が比較的少ないと思える期間を選んで、比較をしてみました。
最新のデータとして、6月7日06:30現在での「最新30日間」(2019年5月8日06:30からの30日間)の「日本全国広域」
比較対象は、2018年8月21日17:15現在での「最新30日間」(2018年7月22日17:15からの30日間)の「日本全国広域」
です。
比較対象として2018年8月21日17:15現在での「最新30日間」(2018年7月22日17:15からの30日間)を選んだのは、以下の二つの理由です。
2018年の主な地震は、
2018年4月9日 1時32分ごろ 島根県西部 5.8 5強
2018年5月12日 10時29分ごろ 長野県北部 5.1 5弱
2018年5月25日 21時13分ごろ 長野県北部 5.1 5強
2018年6月18日 7時58分ごろ 大阪府北部 5.9 6弱
2018年7月7日 20時23分ごろ 千葉県東方沖 6.0 5弱
2018年9月6日 3時08分ごろ 胆振地方中東部 6.7 6強
でした。その他、11月に長野県中部でM2からM3程度の地震の群発が発生しています。
2018年7月22日17:15から8月21日17:15までの期間で大きな地震としては、
日本で震度1以上を計測した地震でマグニチュードが最大なものとして、
2018年8月17日 3時22分ごろ 硫黄島近海 6.6 1
震度が最大なものとして、
2018年7月31日 17時42分ごろ 福島県沖 5.4 4
2018年8月11日 6時11分ごろ 福島県沖 5.1 4
があります。
そのため、比較対象として次の二つの利点があると思えます。
1.2018年8月21日17:15現在での「最新30日間」の期間は、震度が大きかった地震の影響を受けていないこと。
2.2018年度でマグニチュードが最大の地震であった胆振地方中東部地震の比較的直前に近い時期にあたるため、仮に、現在が大きな地震の直前に当たっていた場合に、同じような傾向が現在出ているかどうかが分かること。
6月7日06:30現在での「最新30日間」で見た時、
マグニチュードが大きな地震は
2019年5月10日 8時48分ごろ 日向灘 6.3 5弱
震度が大きな地震は
2019年5月25日 15時20分ごろ 千葉県南部 5.1 5弱
です。
6月7日までの30日間には陸域での震度5弱が含まれ、比較対象である昨年8月21日までの30日間で最大の震度は海域での震度4ですから、基本的に、比較対象の方がN=の値(微小地震数)自体が小さくなる環境であったと言えるはずです。
次にあるように、地域別に「現在」のN=の値を「比較対象」のN=の値で割ると、いずれも1.0未満になり、最も減少していたのは「本州中部」でした。但し、その現象の割合は最大でも15%程度であり、あまり大きなものではありませんでした。
比較対象--現在:(現在÷比較対象)
「日本全国広域」:19133-----17159:(0.897)
「日本全国拡大」:17829-----16225:(0.910)
「北海道」 : 1069------1006:(0.941)
「東日本」 : 9935------8811:(0.887)
「本州中部」 : 7718------6571:(0.851)
「西日本」 : 6787------6250:(0.921)
しかし、直接「日本全国広域」のマップを「現在」のものと「比較対象」とを比べると、小笠原諸島付近や沖縄本島付近でのドットの減少が目立つのです。そのため、「日本全国広域」と「日本全国拡大」の差を取り、その値を比べてみました。
比較対象--現在:(現在÷比較対象)
広域と拡大の差:1304-------934:(0.716)
上の結果から分かることは、30%近い減少であり、「東日本」などの減少割合よりも、より大きな減少割合が日本全国広域と日本全国拡大との差で出ていることです。
「日本全国広域」と「日本全国拡大」の差は、主に、緯度の南の方で、沖縄本島付近よりも南と小笠原諸島付近よりも南が「日本全国拡大」には含まれていません。具体的に言えば、「日本全国広域」は北緯20度よりも北側が含まれ、「日本全国拡大」は北緯28度以北が含まれています。
北緯28度線は奄美大島と徳之島のちょうど中間あたりを通っていて、北緯28度以南には、徳之島、沖縄本島、宮古島、石垣島などが含まれていません。同じく、小笠原諸島も北緯28度よりも南にあります。沖縄本島は北緯26度から同27度の間に存在し、西ノ島を含んで小笠原諸島は北緯26度から同28度の間にあります。
よって、「最新30日間」で見た場合、「比較対象」である2018年8月21日17:15現在と比べると、現在はどの地域も減少であり、特に沖縄付近と小笠原諸島付近で減少幅が30%程度あり、これは、他の地域の減少割合の2倍近い大きさであると言えると思います。
ところが、「最新7日間」で見ると、次に述べるように、減少ではなく、増加であるのです。特に「北海道」の増加が目立ちます。
「最新30日間」と「最新7日間」との違いは二つあり、一つ目は「最新7日間」の方が、「最新24時間」のデータの影響が大きいということ、二つ目は「最新30日間」よりも最近の変動を反映していることです。そして、「最新24時間」では、減少傾向なので、一つ目の影響と言うよりも二つ目の影響の方が大きく、この10日間程度で大きく微小地震の発生の仕方が変動している可能性があることを示唆していると思います。
比較対象--現在:(現在÷比較対象)
「日本全国広域」: 3570------3804:(1.066)
「日本全国拡大」: 3362------3612:(1.074)
「北海道」 : 181-------246:(1.359)
「東日本」 : 1926------1997:(1.037)
「本州中部」 : 1402------1488:(1.061)
「西日本」 : 1261------1338:(1.061)
「最新7日間」のデータについては、6月7日だけでなく、6月8日、6月9日のデータで見ても、ほぼ同様な増加傾向が出ます。
上の変化を見ると、この10日間ほどの変動とは、全体的に太平洋プレートの西進傾向が強まり、特に、北日本での太平洋プレートの沈み込みが大きいことを意味していると思います。
ところが、この「最新7日間」で、「日本全国広域」と「日本全国拡大」の差を見ると、「最新30日間」と同じく、減少なのです。
比較対象--現在:(現在÷比較対象)
広域と拡大の差: 208-------192:(0.923)
以上のことから、北緯28度よりも南側にある小笠原諸島付近での微小地震の減少が目立つと言えると思います。
また、それと関連して、北緯31度付近にある伊豆鳥島付近での地震減少が実際のマップを見ることで確認できます。
「最新24時間」では、より大きな減少が起こっています。
比較対象--現在:(現在÷比較対象)
「日本全国広域」: 327-----267:(0.817)
「日本全国拡大」: 309-----264:(0.854)
「北海道」 : 9------16:(1.778)
「東日本」 : 188-----166:(0.883)
「本州中部」 : 135-----111:(0.822)
「西日本」 : 114------91:(0.798)
比較対象--現在:(現在÷比較対象)
広域と拡大の差: 18--------3:(0.167)
但し、「最新24時間」は原則的に非常に短期のデータであるため、たまたま発生した大きな地震の影響を強く受けますし、日毎のばらつきの影響も大きいため、あまり意味はないとも言えます。つまり、比較対象である2018年8月21日にしても、現在の今年6月8日にしても、そのデータが、たまたまばらつきの中で地震数が少ない時のものであったということがあり得ます。特に、「北海道」が9とか16になっているのは、そのせいだと思えます。
しかしながら、「最新24時間」で見て、「日本全国広域」は300台であるのが普通でしたし、この6月8日や9日の「日本全国広域」が260前後で推移しているのも事実です。そのため、「最新24時間」で見た場合、明らかに地震数減少が起こっていると言えると思います。
以上の(1)と(2)から、伊豆・小笠原諸島、それも、比較的関東平野から離れた小笠原諸島付近でのM7以上地震が起こりつつあるのではないかと思えます。時期ははっきりしませんが、9月ごろまでには発生するのではないかと思います。
1605年2月3日に慶長地震が発生しています。この地震は地震動がほとんどなく、大きな津波が発生しました。震源域がいろいろと推定されていて、そのうちの一つに伊豆鳥島があります。自分としては、今起こりつつある地震もこれと同じ伊豆鳥島付近で起こるのではと考えています。
慶長地震の前の大きな地震としては、次のものがあります。
1586年1月18日(天正13年11月29日) 天正地震 養老断層(愛知県)、阿寺断層(岐阜県)の2つの断層の活動(いずれもM 8クラスか)の可能性が高い。さらに若狭湾に津波をもたらした断層も活動したと考えられ、3つのセグメントでのM 8クラス地震が同日に少なくとも3つ以上発生した可能性が高い。
1596年 9月1日(文禄5年閏7月9日) 慶長伊予地震(慶長伊予国地震)- M 7.0、四国を走る中央構造線断層帯での地震。
9月4日(文禄5年閏7月12日) 慶長豊後地震(大分地震) - M 7.0?7.8、大分県を走る別府-万年山断層帯での正断層型地震。
9月5日(文禄5年閏7月13日) 慶長伏見地震(慶長伏見大地震、文禄の大地震) - M 7 淡路島?神戸?大阪北を走る六甲・淡路島断層帯での地震。
これ等の地震は、基本的にユーラシアプレート内の地震であり、311大地震は太平洋プレートと北アメリカプレートとの間で起こった地震ですから、慶長地震の時の環境と現在とは異なります。その意味で、慶長地震の発生確率は低いと言えると思います。
なお、最後に、以上で述べたもの以外の可能性について、幾つか気になることを記します。
1.東京湾北部の微小地震数がこの6月は、今年2月以前に比較して、かなり少なくなっています。この意味で、東京湾北部地震の発生があり得ると思います。M7規模にはなると思います。時期ははっきりしません。なお、霞ケ浦付近や成田空港付近での発生になる可能性もあると思います。
2.この6月、箱根あたりで微小地震が集中して起こっています。これが噴火に結びつく可能性は低いと思いますが、小規模な噴火はあり得ると思います。
3.この6月、諏訪湖あたりで微小地震が集中して起こっています。この付近は中央構造線と糸魚川静岡構造線が交差しているため、ある程度大きな地震が中部地方のどこかで起こる可能性があるとは思います。規模や時期ははっきりしません。
4.関西での震度1以上地震の発生がない期間が続くことがこの半年程度比較的多く起こっています。そのため、関西でM6程度の地震が近い将来起こる可能性があると思います。
以上。
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