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富士山大噴火 気象研「降灰量シミュレーション」の衝撃
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/237728
2018年9月17日 日刊ゲンダイ
富士山宝永噴火を想定した降灰シミュレーション(提供画像)
全国で相次ぐ自然災害――。9月以降でも、大阪が台風21号の直撃で高潮などの被害に遭い、関西空港は閉鎖に追い込まれたし、北海道では胆振東部地方を震源とする最大震度7の巨大地震が襲った。西日本や九州では今も復興作業が続いている。列島はどこも被害ばかりだが、最も恐れられているのが富士山の大噴火である。その時、いったい何が起こるのか。日本人であれば知っておくべきだ。
■10センチ積もるだけで都心はパニック
気象庁気象研究所が「大規模噴火時の火山現象の即時把握及び予測技術の高度化に関する研究」を発表した。簡単にいえば、富士山の大規模噴火(宝永噴火)の降灰量シミュレーション。1707年12月に起きた宝永噴火の噴煙の高さや継続時間の推定値を、実際の風向きなどの気象データ(2015〜17年)に当てはめて推計したものである。
その結果が恐ろしい。東京都心部の降灰量は10センチ以上になるという。研究に携わった、同研究所火山研究部の新堀敏基主任研究官は言う。
「3年間のデータを基に1096件の降灰事例を出しました。その結果、東京・大手町(都心部全般)は36事例で降灰量が10センチ以上になることが分かりました。確率にすると3%ですが、大きな数字と捉えています。実際の宝永噴火の降灰分布を見ても十分にあり得る値です」
たかだか10センチでもバカにできないし、そもそも10センチは最低ラインと考えておいた方がいい。全パターンを重ね合わせた最大降灰量の分布図を見ると、神奈川全域、東京都、静岡、山梨各県の一部では最大30センチ〜1メートルだ。神奈川、静岡、山梨各県の一部地域では1メートルを超える。千葉、茨城、埼玉各県でも、最大10〜30センチとなる可能性を指摘している。
宝永噴火では降灰が16日間続いた。同じように富士山が噴火した場合、山梨県と静岡県で75万人の避難者が出ると推定されている。
東京都心に住む場合、一斉避難は物理的に無理だろう。火山灰が舞う中での生活を強いられることになりそうだ。
気象庁が降灰予報で使用する降灰量階級表を見ると、1ミリ以上の降灰で地面は灰色に染まる。視界も濁るという。要するに、みんな身動きができなくなるのだ。
宝永噴火(梅雨の場合)による被害想定(C)共同通信社
■1250万人が目・鼻・のどをやられる
富士山ハザードマップ検討委員会(2004年)では、被害エリアの通行不能区間は、3700〜1万4600キロ、不通になる線路区間は1800キロだ。これではどこにも脱出不能だ。航空機は0.1ミリ未満という少量の降灰で6空港が不能になる。フィリピンのピナツボ山の大噴火(1991年)でも、4ミリで国際空港が使用不能になり、回復に10日を要している。
むやみに外に飛び出すのも危険だ。ガラス質の灰が目に入れば激痛が襲い、息を吸えば肺や気管を傷つけて炎症を引き起こす。米ワシントン州のセントヘレンズ山の事例では、降灰量6ミリで1000人あたり2〜4人が目・鼻・のどの異常など健康被害を訴えている。7.5センチで速やかな手当てを要したのは人口の1〜2%もいたという。
先の検討委員会のデータでも、「目・鼻・のど・気管支の異常」を被るのは、実に1250万人と推計されるから、避難所に向かうのもリスクが高い。
宝永噴火が発生した12月は特に最悪だった。
「冬は偏西風が強いので東方向に集中します。これは春まで同じで、逆に7、8月の夏に発生すれば西側にも降灰し静岡県全域が被害を受ける。ただ、噴火における降灰量は同じなので、分散される分、エリアごとの被害は小さくなる。それでも台風シーズンに噴火した場合の被害は計り知れません。風と雨で遠くまで運ばれて降りますし、土石流につながれば危険な水を浴びながら、逃げ場もありません。積雪シーズンも同様にリスクが高まります」(新堀研究官)
火山灰は水分を含めばコンクリートのようになる。雨水を吸い込めば体内のまわりの灰が固まる恐れもあり、命が危険だ。
もっとも、これは火山灰を発生させた宝永噴火と同タイプが起きた場合に過ぎない。800年代の噴火では溶岩流が発生したし、約2900年前に山体崩壊している。2012年の静岡県防災・原子力学術会議では、地震やマグマの突き上げなどによって富士山の山体崩壊が起きれば、東側に崩れた場合、御殿場市や周辺の河川沿いに住む約40万人が被災するという試算を出していた。
1707年の宝永噴火の49日前には宝永地震が起きている。南海トラフ沿いを震源にした巨大地震だ。噴火と地震が同時期に起きればひとたまりもない。災害に備え、覚悟はしておくべきだ。
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2018年9月16日
火山灰は導電性。電気はそこら中でショートして当分無いと思ったほうが良い。 あと、関東ローム層は何でできてるのかを考えた方が良い。
— TK(脱原発に三票(妻子込)) (@STOMKK) 2018年9月16日
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— Hikaru 星 光一 (@utopia_star) 2018年9月16日
富士山大噴火 気象研「降灰量シミュレーション」の衝撃
— オリオンの風 (@orion1223star) 2018年9月16日
1707年の宝永噴火の49日前には宝永地震が起きている。南海トラフ沿いを震源にした巨大地震だ。噴火と地震が同時期に起きればひとたまりもない。災害に備え、覚悟はしておくべきだ。
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— Hikaru 星 光一 (@utopia_star) 2018年9月16日
20180917富士山
— いちょう通り東第二団地防災委員会 (@icho_e2) 2018年9月17日
9月13日にOBとの観光で、次23日は光連協の日帰り「富士山について学ぶツアー」で2回富士山周辺を訪れる機会を得て富士山と文化や環境、火山噴火と防災について考えている不思議。以前より興味深く、以前より畏怖し、以前よりいとおしい https://t.co/x22OvQIQed
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