http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/294.html
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改訂版東京湾の地震:加速する太平洋プレートの沈み込みが東京湾での地震を起こす!
2004年8月以降の震度1以上の東京湾での地震のデータベース
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=477
で見ると、11月15日までに60件発生があり、その年別集計は次のようになります。
2004年:01件
2005年:06件
2006年:05件
2007年:05件
2008年:01件
2009年:05件
2010年:04件
2011年:17件(17件全件が311大地震以降に発生)
2012年:04件
2013年:00件
2014年:03件
2015年:09件
2016年:00件
2017年:00件(11月13日まで)
上の2016年から東京湾での震度1以上地震の発生がありませんが、これは一種の静穏化が起こっていると見るべきだと思います。なぜなら、伊豆・小笠原海溝からの太平洋プレートの沈み込みは活発化していて、どんどんと西向き圧力が関東平野の地殻にかかっているからです。
Mの大きい順に並べる
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?sort=1&key=4&e=477
と、M5以上は次の2件です。
発生日時、震源地、マグニチュード、最大震度の順
2012年7月3日 11時31分ごろ 東京湾 5.4 4
2015年9月12日 5時49分ごろ 東京湾 5.3 5弱
それぞれの詳細情報は次の通り。
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20120703113100.html?e=477
発生時刻 2012年7月3日 11時31分ごろ
震源地 東京湾
緯度 北緯35.0度
経度 東経139.8度
深さ 100km
マグニチュード 5.4
震度4
千葉県 鴨川市 君津市
神奈川県 横浜中区 横浜南区 横須賀市 小田原市 秦野市 箱根町
静岡県 熱海市 東伊豆町
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20150912054916.html?e=477
発生時刻 2015年9月12日 5時49分ごろ
震源地 東京湾
緯度 北緯35.5度
経度 東経139.8度
深さ 70km
マグニチュード 5.3
震度5弱
東京都 調布市
Mが0.1小さい方が最大震度が5弱で、0.1大きい方が最大震度が4なのは、緯度が0.5度ずれていて、Mが0.1大きい方が東京湾の出口付近で起こったのに対し、Mが0.1小さい方が東京湾北部に近い位置、つまりより内陸で起こったからです。関東地方は地震計が稠密に配置され、陸域であればあるほど、震度の計測が精密に出来るからです。
0.5度はだいたい50キロ程度。
2004年以降のデータベースで、M5以上の2件が311大地震以降に発生していることは、今後より大きな地震が東京湾付近で起こり易い状況になりつつあることを意味しています。
なぜなら、日本海溝及び伊豆・小笠原海溝からの太平洋プレートの沈み込みは311前に比べて格段に活発化しているからです。特に、11月になってからの沈み込みは一段と活発化していることがHi-net自動処理震源マップの「最新7日間」、「日本全国広域」
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=EXPJPW&_period=7days&rn=86410
とか、「最新7日間」、「日本全国拡大」
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=JAPAN_MAP&_period=7days&rn=45832
を見るとよく分かります。11月16日現在で、関東平野の南方はるか沖、北緯31度から32度付近で、赤いドット(震源深さが浅い地震)が7個表示されていることが分かります。その他、黄色から黄緑、緑のドットが関東平野の南方沖に20個程度表示されています。2013年以降、ここまで多くのドットが関東平野の南方沖で表示されていることはなかったと思います。実際、パソコンに保存されている今年1月以降のデータを確認した結果、今年、ここまで多くの地震が関東平野南方沖で発生していたことを示すマップはありませんでした。
そもそも、「最新7日間」のマップで赤いドットが北緯31度から32度付近に表示されることはこの数年で皆無と言ってもよいくらいであったと思います。
以下、地震本部から出されている地震月報
http://www.jishin.go.jp/evaluation/seismicity_monthly/
から google で、
東京湾 site:www.jishin.go.jp/evaluation/seismicity_monthly/
を指定して出てきた結果から東京湾での記載を抜き出したものです。タイトルの横に、「:」を挟んで記載されていた地震月報のURLを載せました。
全部で8件あり、311大地震以降の分が5件です。最新のものは2015年9月の地震でした。M4規模が6件、M5規模が2件でした。M5は2件とも311大地震以降に発生しています。
311前の3件には、太平洋プレートが関係している地震は1件のみですが、311後の5件には太平洋プレートが関係している地震が3件ありました。微妙ですが、太平洋プレートの沈み込みが進展しつつあると考えるべきかと思います。
注目するべきは、2012年2月に東京湾のごく浅い地震が起こっていたことです。「ごく浅い地震」はこれ1件のみであり、かなり近い将来発生する東京湾北部地震は浅い地震であるはずでだからです。「M4.2 の地震(最大震度4)」が発生する 17 分前にほぼ同じ震源位置で 「M3.8 の地震(最大震度3)」が起こったということで、M7を超える場合も同じように直前に多少小さい地震が起こる可能性が高いと思います。
また、最新の地震である2015年9月の地震について、
>発震機構が北西−南東方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部で発生した。
との記載があります。張力軸があるということは正断層型、つまり、断層面に互いに引き離す形の力が働いた地震であり、なぜ正断層型の地震が発生したのかが問題だと思います。
普通、ある程度深い所では、より深くまで沈み込んだプレート先端部がより浅い所にある部分を引っ張ることで正断層型が起こると説明されると思いますが、関東平野の下では、フィリピン海プレートはあまり沈み込んでいないのです。というか、日本列島付近ではフィリピン海プレートの沈み込みはあまり起こっていません。それどころか、台湾では、陸のプレートの上にフィリピン海プレートが乗り上げているということで、フィリピン海プレートの日本付近での沈み込みはまだ浅い部分で止まっているのです。
きちんとした根拠をいうことは出来ないと思いますが、太平洋プレートが西(または西北西)へ沈み込み、それによってフィリピン海プレートが引っ張られた可能性があります。なぜなら、関東平野の下では、陸のプレートのすぐ下にフィリピン海プレートがあり、その下に太平洋プレートがあるからです。フィリピン海プレートと太平洋プレートが重なり合っているわけで、互いに他のプレートの動きの影響を受けてしまうのです。
仮にそうだとすると、太平洋プレートの関東平野の下での沈み込みはかなり活発であり、西向き圧力が関東平野を作っている地殻に大きくかかっていることになるはずです。
どちらにしろ、「2012年9月〜2014年9月まで5回測定した結果、基準点は年間18.0±4.5センチの速度で、北西方向(陸側)に移動していることが判明した。これは、従来のプレート運動のモデル値(年間8.3センチ)と比べると、2倍以上に相当する」とされ、「日本海溝に沈み込む直前の太平洋プレートの速度は、年間18センチ前後に達し、従来のプレートの動きに比べて2倍以上大きかった」
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/1/11427.html
ということですから、311大地震からより時間が経過した2017年現在では、年間20センチ以上の速度で太平洋プレートが沈み込んでいるはずです。
この沈み込みの活発化が、関東平野南方沖での浅い地震の多発の原因であり、少なくとも、北緯31度から35度付近での浅い地震の多発がどの程度になるかを見ることで、東京湾(北部)のM7以上地震がどの程度切迫しているかをある程度予測できるのではないかと思います。現状は、昨年や今年前半に比べると格段にM7以上地震が起こり易くなっているとは言えるのではないでしょうか。
以下、地震月報からの抜き出しです。
(1)2004 年8月 25 日 東京湾の地震:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2004/2004_08.pdf
2004 年8月 25 日 01 時 49 分に東京湾の深さ
51 km で M4.4(最大震度3)の地震が発生した。
発震機構は、この付近ではよくみられる北西−
南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィ
リピン海プレート内部の地震と考えられる。余
震は2回観測している。
この付近の地震活動は、1970 年代後半以降低
調であった。
(2)2005年6月1日 東京湾の地震:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2005/2005_06.pdf
2005 年6月1日に東京湾で M4.0 以上の地震
が連続して発生した。M4.0 以上は以下のとお
りである。
・ 19 時 05 分(深さ 29km、M4.1、最大震度2)
・ 19 時 39 分(深さ 28km、M4.1、最大震度2)
・ 20 時 44 分(深さ 28km、M4.3、最大震度3)
発震機構はいずれも南北方向に圧力軸を持
つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプ
レートの境界付近で発生した地震と考えられ
る。地震活動は2日の午前中までにほぼ収まっ
た。
東京都多摩東部から東京湾にかけては、深さ
20km から 30km 程度のフィリピン海プレート上
面付近の活動域がいくつかあり、今回の地震は
東京湾の活動域内で発生したものである。
( )
領域c内のM−T、回数積算図
領域b内のM−T、回数積算図
(深さ 15km〜35km のみ)
今回の地震
領域c
A
A
1923 年8月以降の活動をみると、東京湾付
近のフィリピン海プレートに関係すると考え
られる地震(深さ 20km〜50km)はそれほど多
くなく、M4.0 以上は 10 回程度である。最大は
1962 年9月 24 日の M4.9 の地震である。( B )
(3)2008年9月 21 日 東京湾〔千葉県北西部〕:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2008/2008_09.pdf
〔 〕内は気象庁が情報発表に用いた震央地名
2008 年9月 21 日 07 時 17 分に東京湾〔千葉県
北西部〕の深さ 71km で M4.8(最大震度3)の地
震が発生した。この地震は太平洋プレートとフィ
リピン海プレートの境界付近で発生した地震で
あり、発震機構は北北東−南南西方向に圧力軸を
持つ型であった。
2008 年 10 月8日 15 時 07 分に千葉県北西部の
深さ 63km で M4.7(最大震度3)の地震が発生し
た。発震機構は北西−南東方向に張力軸を持つ正
断層型であり、フィリピン海プレートの内部で発
生した地震と考えられる。
今回の地震の震源付近(領域b)は、M5.0 以
上の地震が時々発生するなど、地震活動が活発な
領域で、最近では 2005 年7月 23 日に M6.0(最
大震度5強)の地震が発生している。
(4)2011 年8月:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2011/2011_08.pdf
8月 31 日 東京湾の地震 気象庁はこの地震に対して〔千葉県北西部〕で情報発表した。
2011 年8月 31 日 18 時 32 分に東京湾の深さ 72km
で M4.6 の地震(最大震度3)が発生した。この地
震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型
(CMT 解)で、太平洋プレートとフィリピン海プレ
ートの境界で発生した地震であった。
1997 年 10 月以降の活動を見ると、今回の地震の
震源周辺(領域b)では、2005 年7月 23 日に千葉
県北西部の深さ 73km で M6.0 の地震(最大震度5
強)が発生しているほか、M5.0 以上の地震が4回
発生している。
(5)2012 年2月 18 日 東京湾の地震:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2012/2012_02.pdf
情報発表に用いた震央地名は〔千葉県北西部〕である。
2012 年2月 18 日 14 時 13 分に東京湾のごく浅い
ところで M4.2 の地震(最大震度4)が発生した。
この地震は地殻内で発生し、発震機構は北西−南
東方向に圧力軸を持つ型である。
また、この地震が発生する 17 分前の 13 時 56 分
にはほぼ同じ震源位置で M3.8 の地震(最大震度3)
が発生した。
1997 年 10 月以降の活動を見ると、今回の地震の
震央周辺(領域b)の深さ 30km 以浅では、2011 年
3月以降、それ以前と比べ地震活動が活発になっ
ている。
(6)2012 年7月:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2012/2012_07.pdf
7月3日 千葉県南部の地震 情報発表に用いた震央地名は〔東京湾〕である。
2012 年7月3日 11 時 31 分に千葉県南部の深
さ 88km で M5.2 の地震(最大震度4)が発生し
た。この地震の発震機構は西北西−東南東方向
に圧力軸を持つ逆断層型である。この地震は太
平洋プレート内部で発生した。
1997 年 10 月以降の活動を見ると、今回の地震
の震源付近(領域b)では、これまで M4.0 以上
の地震は発生していなかった。
(7)2012年11 月 24 日 東京湾の地震:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2012/2012_11.pdf
気象庁はこの地震に対して〔千葉県北西部〕で情報発表した。
2012年 11月 24日 17時 59分に東京湾の深さ 72km
で M4.8 の地震(最大震度4)が発生した。この地
震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型
で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境
界で発生した地震である。
1997 年 10 月以降の活動を見ると、今回の地震の
震源付近(領域b)は、活動が活発な領域であり、
M5.0 以上の地震が時々発生している。そのうち、
2005 年7月 23 日に発生した M6.0 の地震(最大震
度5強)では、負傷者 38 人、住家一部破損 12 棟
などの被害を生じた(総務省消防庁による)。また、
「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」の
発生以降、地震活動がより活発になっている。
1923 年1月以降の活動を見ると、今回の地震の
震央周辺(領域c)では、M6.0 以上の地震が時々
発生している。そのうち、1980 年9月 25 日に発生
した M6.0 の地震(最大震度4)では、死者2人、
負傷者 73 人などの被害を生じた(「最新版 日本
被害地震総覧」による)。
(8)2015 年9月:http://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2015/2015_09.pdf
9月 12 日 東京湾の地震
2015 年9月 12 日 05 時 49 分に東京湾の深さ
57km で M5.2 の地震(最大震度5弱)が発生し
た。この地震は、発震機構が北西−南東方向に
張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部
で発生した。この地震により負傷者7人の被害
を生じた(総務省消防庁による)。余震活動は
低調であった。
1997 年 10 月以降の活動を見ると、今回の地
震の震源周辺(領域b)では、M4.0 以上の地
震が時々発生しているが、M5.0 以上の地震は
これまで発生していなかった。
1885 年1月以降の活動を見ると、今回の地
震の震央周辺(領域c)では、1923 年以降 M6.5
以上の地震は発生してない。1894 年6月 20 日
に発生した M7.0 の地震(明治東京地震)では、
東京、横浜などの東京湾岸を中心に死者 31 人、
家屋全半壊 130 棟などの被害が生じた(被害は
「日本被害地震総覧」による)。また、それ以
前の 1855 年 11 月 11 日に今回の地震の震央周
辺で発生した地震(安政江戸地震)では死者
7468 人などの被害が生じた(被害は「日本被
害地震総覧」による)。
2017年11月16日05時50分 武田信弘
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