http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/284.html
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関東地方陸域地震の頻発と千葉県東方沖地震の再発
まず、関東地方陸域地震の頻発についてです。
2017年関東地方:
01月:30件(陸域:19件、海域:11件)陸域÷海域=19÷11=1.73
02月:43件(陸域:25件、海域:18件)陸域÷海域=25÷18=1.39
03月:34件(陸域:17件、海域:17件)陸域÷海域=17÷17=1.00
04月:31件(陸域:15件、海域:16件)陸域÷海域=15÷16=0.94
05月:26件(陸域:13件、海域:13件)陸域÷海域=13÷13=1.00
06月:48件(陸域:17件、海域:31件)陸域÷海域=17÷31=0.55
07月:29件(陸域:14件、海域:15件)陸域÷海域=14÷15=0.93
08月:41件(陸域:31件、海域:10件)陸域÷海域=31÷10=3.10
09月:30件(陸域:17件、海域:13件)陸域÷海域=17÷13=1.31
10月:27件(陸域:19件、海域:08件)陸域÷海域=19÷08=2.38
今年の関東地方の地震の起こり方を見ると、6月に海域の頻発があり、8月から陸域の頻発が継続していることが分かります。
6月の海域の頻発は、伊豆・小笠原:15件と千葉県東方沖:10件があったからです。このことは、太平洋プレートの関東平野南部への沈み込みが6月にかなり一気に進んだことを意味しています。関東平野の南部にあたる緯度の付近で、日本海溝の及び伊豆・小笠原海溝からの太平洋プレートの沈み込みが6月に活発化したのです。
この結果、関東平野の内陸部での地震が7月末から8月にかけて頻発しました。
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_year?year=2017
で、「東日本」の震央分布図(月別)を見て確認が出来ます。例えば、東日本8月は
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_month?year=2017&month=8&area_type=japan_east
です。
8月以降の陸域の頻発は、陸のプレートと海のプレートとの間に出来た大きな固着域から海のプレートの沈み込み圧力が陸のプレート内へ伝達され、結果的に陸のプレート内の圧力が高まったためです。いわば、固着域が陸のプレートと海のプレートを接着剤で固定したような効果を持ち、太平洋プレートの西への沈み込み圧力が陸のプレート内での西向き圧力へと変換されているのです。
ほぼ同じような現象が311大地震前の東北地方でも観察されています。
2010年から2011年3月9日までの東北地方:
01月:19件 (陸域:06件、海域:13件)(陸域:6件、海域:13件、6÷13=0.46)
02月:21件 (陸域:13件、海域:08件)(陸域:13件、海域:8件、13÷8=1.63)
03月:19件 (陸域:08件、海域:11件)(陸域:8件、海域:11件、8÷11=0.73)
04月:25件 (陸域:18件、海域:07件)(陸域:18件、海域:7件、18÷7=2.57)
05月:29件 (陸域:20件、海域:09件)(陸域:20件、海域:9件、20÷9=2.22)
06月:23件 (陸域:11件、海域:12件)(陸域:11件、海域:12件、11÷12=0.92)
07月:18件 (陸域:09件、海域:09件)(陸域:9件、海域:9件、9÷9=1.00)
08月:31件 (陸域:12件、海域:19件)(陸域:12件、海域:19件、12÷19=0.63)
09月:40件 (陸域:34件、海域:06件)(陸域:34件、海域:6件、34÷6=5.67)
10月:54件 (陸域:49件、海域:05件)(陸域:49件、海域:5件、49÷5=9.80)
11月:11件 (陸域:04件、海域:07件)(陸域:4件、海域:7件、4÷7=0.57)
12月:14件 (陸域:08件、海域:06件)(陸域:8件、海域:6件、8÷6=1.33)
01月:11件 (陸域:06件、海域:05件)(陸域:6件、海域:5件、6÷5=1.20)
02月:28件 (陸域:09件、海域:19件)(陸域:9件、海域:19件、9÷19=0.47)
03月:06件 (陸域:04件、海域:02件)(陸域:4件、海域:2件、4÷2=2.00)*3月8日まで
*2・3月:34件 (陸域:14件、海域:20件) 震度1:21件、M4以上:15件(3月8日まで)(陸域:14件、海域:20件、14÷20=0.70)
海域での多発は観察できませんが、これは311大地震が沿岸部から200キロ程度も沖合遠くで起こったものだからです。海域での多発は、固着域付近で起こるため、固着域が沖合はるかにあると、震度を観測する場所が陸域であるため、震度を感知できないからです。
陸域÷海域の値を見ると、9月5.67、10月9.80となっていて、9月・10月に陸域の非常に大きな多発が発生していたことが分かります。
大きな固着域に海のプレートの沈み込み圧力が働くとまず最初に固着域周辺の地殻の圧力が高まります。これが海域での地震多発となります。その次に、固着域を通して海のプレートの沈み込み圧力が陸のプレートへ伝わり、それが陸域での地震多発となるのです。
大きな固着域が沈み込んだ海山であると仮定すると、その海山は円錐形をしているはずです。海山が、海溝へ沈み込む過程で円錐形の頂上付近は削られてしまい、ある程度丸みを持った凸形のでっぱりになっているはずです。そのでっぱりに陸のプレートの下面が密着しているというのが固着域の正体であると思います。
海山は、そもそも沈み込む前に海底を移動している期間が数百万年とか数千万年以上あるため、その間に海山の表面には最低限でもすうcm程度の堆積層が出来てしまっています。厚い場合は数メートル以上にもなるでしょう。こういった堆積層はかなり軟らかいため、クッションの効果を発揮して、凸形のでっぱりがあっても、そのでっぱりが陸のプレートを押し上げることはありません。しかし、でっぱりにかかる圧力が高まるにつれて、堆積層は押しつぶされていき、そのうちにでっぱりと陸のプレートの下面が直接接触するようになっていきます。そうなると、凸の沈み込み方向の斜面が陸のプレートを押し上げることになり、海のプレートの沈み込み圧力が陸のプレートを押し上げる圧力へと変化してしまいます。この結果、陸のプレートへ伝わって陸域地震多発を起こしていた圧力が減少してしまい、結果的に地震静穏化が発生するのです。
311大地震前の東北地方では9月から10月までの2か月間、陸域地震の多発があり、その後静穏化した期間が11月から1月までの3か月間続き、2月の多発という前震現象の期間を経てM9地震へと至りました。
現在の関東地方は、陸域多発の過程にあることは明らかで、今後、静穏化が発生すれば、明らかにM8以上地震の切迫状況にあることになります。
ここからは千葉県東方沖地震の再発についてです。
10月下旬から11月初旬にかけて、関東地方の地震の起こり方に変化が出てきています。千葉県東方沖地震
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=473
が9月15日の発生以来、50日間程度発生が止まっていたのですが、11月6日と同11日に発生しているのです。
この千葉県東方沖地震の主な震源域である犬吠埼沖に大きな固着域があることは、311大地震前には犬吠埼沖に微小地震の塊が表示されていず、311大地震以降にそれが表示されるようになっていることから明らかです。
http://www.jishin.go.jp/evaluation/seismicity_monthly/
で2011年2月までの関東地方のマップと2011年3月以降のそれを比較してください。
千葉県東方沖地震の震源域は主に二つあり、一つは犬吠埼付近、もう一つは九十九里浜の中央部付近です。
311大地震以降、犬吠埼沖で震源深さの浅い震度1未満の微小地震が数多く発生するようになりました。2004年2月25日からのデータベース
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=473
によると、震度1以上の千葉県東方沖地震は2017年11月8日までに873件の発生がありました。年別に集計すると次のようになります。
千葉県東方沖地震年別集計:
2004年:010件
2005年:011件
2006年:006件
2007年:044件
2008年:021件
2009年:027件
2010年:011件
2011年:234件(3+231)
2012年:202件
2013年:090件
2014年:072件
2015年:056件
2016年:052件
2017年:037件(11月08日まで)
311大地震前は、2007年に多発がありましたが、基本的に一ヶ月に1件から数件のペースで発生していたものが、311大地震後はその10倍以上の多発になり、2013年と2014年は減少傾向でしたが、2015年以降は年間50件から60件程度の発生が続いています。年間50件は311大地震以前と比べると明らかに増加していて、311大地震の影響で太平洋プレートの西向き圧力が主に千葉県東方沖地震の震源域にかかっていることが分かります。
2016年1月以降の月別集計をすると、次のようになります。
2016年千葉県東方沖:
01月:03件
02月:02件
03月:04件*三ヶ月計:09件
04月:05件
05月:02件
06月:07件*三ヶ月計:14件
07月:07件
08月:07件
09月:04件*三ヶ月計:18件
10月:05件
11月:01件
12月:05件*三ヶ月計:11件
2017年千葉県東方沖:
01月:02件
02月:05件
03月:08件*三ヶ月計:15件
04月:04件
05月:03件
06月:10件*三ヶ月計:17件
07月:01件
08月:01件
09月:02件*三ヶ月計:04件(10月は発生なし。11月11日段階で11月6日、11日の2件発生)
千葉県東方沖地震は、今年2017年6月に10件発生があり、2016年熊本地震以降の期間で月間の発生数が最も多くなったのですが、それ以降は一ヶ月に1件のペースに急減しています。三ヶ月毎の集計でも、ほぼ10件から20件の発生があったものが、この7月以降の四ヶ月の期間で4件となり、一種の静穏化が起こっているのです。
千葉県東方沖地震のこの7月以降の急減と同じような大地震前の静穏化は、311大地震以前の東北地方でも観察されています。このことは、311大地震前に東北地方全体(陸域と海域の地震を合わせた地震数)で静穏化が発生していたことからも、明らかですが、東北地方の一つ一つの震源域を見ても、311大地震前に静穏化が発生していたのです。
ヤフーの地震サイトで、福島県沖地震の2009年12月以降のリストを次のURLで出せます。
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=289&sort=0&key=1&b=167
2009年福島県沖:
12月:06件
2010年福島県沖:
01月:00件
02月:03件*三ヶ月計:09件
03月:04件
04月:03件
05月:01件*三ヶ月計:08件
06月:02件
07月:00件
08月:06件*三ヶ月計:08件
09月:01件
10月:01件
11月:00件*三ヶ月計:02件
12月:02件
2011年福島県沖:
01月:04件
02月:06件*三ヶ月計:11件
三ヶ月計で見ると、2010年08月までは8件以上であったのが、2010年11月までの三ヶ月では2件に激減しています。また、2011年は前震活動記の多発を意味していると思います。
ヤフーの地震サイトで、宮城県沖地震の2009年12月以降のリストを次のURLで出せます。
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=287&sort=0&key=1&b=266
2009年宮城県沖:
12月:03件
2010年宮城県沖:
01月:06件
02月:04件*三ヶ月計:13件
03月:03件
04月:02件
05月:02件*三ヶ月計:07件
06月:04件
07月:02件
08月:05件*三ヶ月計:11件
09月:04件
10月:01件
11月:01件*三ヶ月計:06件
12月:01件
2011年宮城県沖:
01月:00件
02月:01件*三ヶ月計:02件
三ヶ月計で見ると、2010年11月までは6件以上であったのが、2011年2月までの三ヶ月では2件に激減しています。また、2011年2月に1件発生しているのは1月の0件から見ると前震現象と言えるかも知れません。
2009年12月からの岩手県沖地震
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=286&sort=0&key=1&b=127
でも静穏化が観察されています。
2009年岩手県沖:
12月:03件
2010年岩手県沖:
01月:01件
02月:00件*三ヶ月計:04件
03月:03件
04月:01件
05月:02件*三ヶ月計:06件
06月:03件
07月:05件
08月:03件*三ヶ月計:11件
09月:00件
10月:01件
11月:05件*三ヶ月計:06件
12月:00件
2011年岩手県沖:
01月:00件
02月:03件*三ヶ月計:03件
岩手県沖についても、2010年7月と11月にそれぞれ5件の多発があり、その後、2010年12月から2011年1月の二ヶ月間は発生がありませんでした。2月の3件は前震現象としての多発です。
以上のような状況は、千葉県東方沖のこの7月以降の状況と似ていると思えます。
問題は、千葉県東方沖地震の今年11月に入ってからの2件の発生です。
関東地方の震度1以上を観測した地震実績から、11月11日までの過去6日間と過去15日間で、今後の30日間を推測すると、かなり異なった結果が出てきます。
過去6日間から推測する今後30日間の地震数:55件(陸域:35、海域:20)陸域÷海域=35÷20=1.75
11月06日から11月11日までの6日間:11件(陸域:7件、海域:4件)
過去15日間から推測する今後30日間の地震数:38件(陸域:26、海域:12)陸域÷海域=26÷12=2.17
10月28日から11月11日までの15日間:19件(陸域:13件、海域:6件)
過去6日間からの推計が陸海合計で55件、過去15日からの推計が38件で、過去6日間で地震の頻度が大きくなっているのですが、問題は陸域・海域の比です。過去6日間からの推計では1.75、過去15日からの推計では2.17で、過去6日間の方が海域の割合が多くなっているのです。
311大地震直前である2011年2月の東北地方はも同じように海域地震の方が大きくなっていたのです。
02月:28件 (陸域:09件、海域:19件)(陸域:9件、海域:19件、9÷19=0.47)
つまり、11月になってからの関東地方は陸域多発から海域多発へ移行する期間にあたっている可能性があります。まだ海域多発の傾向がはっきりと出てているわけではないため、半月とかの期間で311大地震と同じような海溝型の大地震切迫とは言えないと思いますが、どちらにしても半年程度から、非常に遅く見ても1年程度で海溝型の大地震が発生してしまいます。
更に、海溝型の大地震が発生する前に、M7程度の沿岸部や東京湾北部での地震が先行する可能性があり、これはいつ起こっても不思議ではないほど切迫していると思います。
また、311大地震と同じく海溝型の大地震である1766年延宝房総沖地震の再来があると、その後は、太平洋プレートから陸のプレートへかかる西進圧力が急激に強まり、その結果、関東平野から関西方面での陸域の浅い地震が急増するはずです。
いろいろな意味での震災対策を急ぐ必要があると思います。
2017年11月12日12時05分 武田信弘
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