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(回答先: Re: 2017年11月**日 投稿者 taked4700 日時 2017 年 9 月 19 日 14:50:16)
打つ手がない。
シーツや衣類でロープを作っても7階からでは多分地面には遠く届かない。そもそも、暗い中で窓から降りるのは危険だ。
もう多分30分以上は経つはずだ。携帯と懐中電灯を探さなければ。しかし、せいぜい20平方メートル程度のこの部屋でも、暗い中、瓦礫が散乱した床を探すのは難しい。多分、ベットや机の下だ。携帯も懐中電灯もベットの枕の横に置いておいた。ベットは多少位置がずれているはずだが、大きくは動いていない。
天井の板が砕けたものが散乱し、その中に壁を作っていたコンクリートの破片が混じっている。
腹ばいになってベットの下を探るのは嫌だ。横揺れの大きいのが来たら、ベットがぶつかってくる可能性がある。
いろいろ考えながら、またぼんやりと外を見た。まだ夜が明ける気配はない。多分、4時にもなっていない。
しかし、東京湾あたりはますます赤みが増している。ここは500mほど内陸だ。湾岸からここまでの間には倉庫や工場などがあって、住宅はほとんどない。低層や高層のマンションはある。普通なら、延焼はしない。
周囲からいろいろな音が聞こえる。人の声もあるはずだが、はっきりとは分からない。通路から聞こえてくるものはない。
そうか、懐中電灯や携帯電話は固定しておくべきだったのだ。ベットサイドに袋に入れて紐で固定しておくべきだったのだ。数か月前「やれることはまだまだある」と言われていたのを思い出した。
しかし、外に誰も出てこない。暗いから分からないのだが、懐中電灯の光は見えるはずだ。だが、その懐中電灯の光が周囲の路上には全く出てこない。
もうそろそろ1時間は経つだろう。大小の揺れが絶え間なく続いている。窓ガラスが割れないのが不思議なほどだ。
東京湾の赤さはますます大きくなっている。多分、海面に油が流出してそれが炎上しているのだ。
自然と目が窓の下の道の部分へ行った。水が来る。津波が来るはずだ。そして、津波は炎を運んでくる。
- 2017年11月**日(最終回) taked4700 2017/9/19 16:51:54
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