http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/185.html
Tweet |
静穏化の地震予知に関する有効性について
第204回地震予知連絡会(2014年8月22日)で提出された資料「地震活動静穏化に基づく予測能力評価」
http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou93/12_06.pdf
に、次のような記載があります。
>調査には気象庁震源カタログ(1983 年〜 2011 年)を使用した.対象はマグニチュード7クラス
(M6.7 以上)以上の震度 5 弱以上を観測した地震イベントとし,震源の深さ 200km 以浅のものを
選んだ.ただし続発性の地震や島嶼部付近の地震などは上の条件に合うものでも除外した.この結
果調査対象の地震イベントは全部で 26 個になった.
>調査の結果,全 26 個の地震イベントの内 15 個について発生前の静穏化が検出された.
つまり、M7クラスの地震で事前に静穏化が観測できたのは26件中15件だったというのです。静穏化現象の出現率は約58%です。5割以上の確率でM7クラスの地震についてかなり大まかではあっても地域や時期が予知できるのであれば、かなり確度の高い予測と言えると思いますが、この論文は、本来はもっと静穏化現象が有効な地震予知であることを暗に述べていると思います。
なぜなら、次の記述があるからです。
>地震発生前に静穏化が検出されない事例が存在する(全 26 個の内 11 個,全体の約 43%).
これらの事例が出現する主な原因として,基準期間の地震発生率が低すぎ‘静穏化’が起こりえな
いこと,基準期間の時系列がポアソン過程と見なすことができず評価が不可能になること,海域に
あって地震検知能力が低く静穏化を検出しにくいこと,地震前に近隣で大地震が起きると余震活動
の減衰の影響と静穏化との区別ができなくなること,などがある.地震観測網の海域への拡大や新
たな解析手法によって今後改善される余地があるのではないかと考えられる.
つまり、もともと地震が少ない地域であるとか、海域で地震の検知率があまりない地域では静穏化が検出できないということです。このことを逆に考えれば、陸域で、常時ある程度以上の地震発生がある地域であれば静穏化現象を見ることで大まかな時期、つまり半年程度の期間で、かつ大まかな地域、つまり関東地方とか、関西地方のような大まかな地域限定であれば、十分に予知が可能であるのです。
更に、この論文では本震発生前一か月程度の期間で現れる前震の観察をすることで予知の精度が高まるはずだとも述べられています。
武田信弘
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。