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関東地方の陸域地震多発と海域地震の減少は311前の東北地方の10月に相当!
8月1日から本日8月21日21:00までで関東地方では29件の震度1以上地震があり、その内6件のみが海域の地震で、23件が陸域の地震でした。関東地方の地震には伊豆・小笠原で発生したものも含みます。陸域の地震数÷海域の地震数で見ると、この8月は3.8であり、普通は1から2程度に収まるので、この8月は明らかに異常です。
311大地震以降、ここまで陸域の地震の比率が大きくなったことはありません。多分、311大地震前もないはずです。
311大地震が発生する前の2010年の東北地方の震度1以上を観測した地震について統計を取ると次のようになります。
*東北(2010年)
*1月:19件 (陸域:6件、海域:13件) 震度1:10件、M4以上:11件
*2月:21件 (陸域:13件、海域:8件) 震度1:15件、M4以上:5件
*3月:19件 (陸域:8件、海域:11件) 震度1:13件、M4以上:6件
*4月:25件 (陸域:18件、海域:7件) 震度1:18件、M4以上:6件
*5月:29件 (陸域:20件、海域:9件) 震度1:19件、M4以上:3件
*6月:23件 (陸域:11件、海域:12件) 震度1:15件、M4以上:9件
*7月:18件 (陸域:9件、海域:9件) 震度1:10件、M4以上:2件
*8月:31件 (陸域:12件、海域:19件) 震度1:20件、M4以上:14件
*9月:40件 (陸域:34件、海域:6件) 震度1:26件、M4以上:9件
*10月:54件 (陸域:49件、海域:5件) 震度1:32件、M4以上:13件
*11月:11件 (陸域:4件、海域:7件) 震度1:7件、M4以上:3件
*12月:14件 (陸域:8件、海域:6件) 震度1:6件、M4以上:4件
*1月:11件 (陸域:6件、海域:5件) 震度1:8件、M4以上:2件
*2・3月:34件 (陸域:14件、海域:20件) 震度1:21件、M4以上:15件(3月8日まで)
2010年9月は、陸域÷海域=5.7です。
2010年10月は、陸域÷海域=9.8にもなります。
ただし、2010年9月から10月、連続地震が福島県中通りで発生しています。そのため、例えば、10月は福島県中通りが27件発生していて、これを除外すると陸域22件、海域5件となり、陸域÷海域=4.4となります。
今年の関東地方のものは次の通りです。8月分は8月21日21:00現在です。
*関東(2017年)
1月分:31件(陸域:20件、海域:11件)・(震度1:23件:74%)・(M4以上:04件:13%)・(伊豆・小笠原:05件)
2月分:43件(陸域:25件、海域:18件)・(震度1:27件:63%)・(M4以上:07件:16%)・(伊豆・小笠原:04件)
3月分:35件(陸域:18件、海域:17件)・(震度1:24件:68%)・(M4以上:03件:09%)・(伊豆・小笠原:04件)
4月分:32件(陸域:16件、海域:16件)・(震度1:23件:72%)・(M4以上:08件:25%)・(伊豆・小笠原:07件)
5月分:27件(陸域:14件、海域:13件)・(震度1:19件:70%)・(M4以上:04件:15%)・(伊豆・小笠原:07件)
6月分:49件(陸域:18件、海域:31件)・(震度1:36件:75%)・(M4以上:08件:16%)・(伊豆・小笠原:15件)
7月分:29件(陸域:14件、海域:15件)・(震度1:20件:69%)・(M4以上:09件:31%)・(伊豆・小笠原:07件)
8月分:29件(陸域:23件、海域:06件)・(震度1:15件:52%)・(M4以上:08件:28%)・(伊豆・小笠原:02件)
陸域÷海域=の値を計算すると、2017年は次のようになります。
1月:1.8
2月:1.4
3月:1.1
4月:1.0
5月:1.1
6月:0.58
7月:0.93
8月:3.8
東北地方の2010年9月・10月が非常に陸域が多くなっています。これは、以前は海溝からハワイ側で地震が起こることで解消されていた地震エネルギーが海溝から陸域側へ伝わり出し、それが陸域の地震となって表れたものです。869年の貞観地震以降の三陸沖など、日本海溝付近で発生した地震の多くが津波地震と言われ、津波の被害に比べて陸域の被害が少なかったのは、陸域の地下では太平洋プレートが動かず、海域の、それも多くは日本海溝のハワイ側で海のプレートが破壊されて地震が起こってきたからです。そういった状況が何らかの原因で変化し、陸域へ太平洋プレートの西進圧力が伝わりだした結果、陸域の地震が2010年の9月・10月に極端に多くなったわけで、それが日本海溝と陸域の間に存在していた大きな固着域の破壊の前段階となり、2011年3月の大地震となっていったのです。陸のプレートと海のプレートの間の大きな固着域の破壊には、陸のプレートがそれ以上西へ押されないこと、そして、海のプレートの日本海溝よりもハワイ側で地震が起こって西進圧力が消費されないことの二つの条件が必要なはずです。そして、この二つの条件を充たすために、固着域から海のプレートの西進圧力がどんどんと陸のプレートへ伝わり、それが内陸部の地震となっていったのです。
関東地方は、その南側がすぐに海域であり、鹿島第一海山を境に日本海溝が伊豆・小笠原海溝へと変わっているため、311大地震が起こった震源域と比べて、ずっと海域での地震が起こりやすい環境です。2010年9月・10月の陸域÷海域の値は6から10程度で、この8月の関東地方の3.8に比べると2倍程度にはなりますが、関東地方の海域地震の起こり易さを考えると、関東地方のこの8月の3.8は2010年9月・10月の東北の値に十分匹敵する異常値であると思います。
このこと、つまり、関東地方の内陸部の地震の多さを視覚的に確認することが出来ます。
「東日本の震央分布図(過去30日間)」
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/?area_type=japan_east&recent_type=30days
を見ると、関東地方の茨城県から千葉県あたりの内陸部に地震が集中していることが分かります。
しかも、黄色や黄緑のドットが多く、赤いドットはほとんどありません。赤いドットは震源深さが10キロ程度からより浅い地震を表し、黄色や黄緑のドットは、震源深さが30キロとか50キロ程度の地震を表します。つまり、震源深さのやや深い地震が関東平野の内陸部で集中的に発生しているのです。基本的にこの原因は関東平野の東方沖からの太平洋プレートの沈み込みです。
過去の月別のデータを見ることができます。2017年6月であれば
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_month?year=2017&month=6&area_type=japan_east
2010年8月であれば
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_month?year=2010&month=8&area_type=japan_east
と指定することで見ることが出来ますが、現在のような集中はありません。
多分、現状と最も似ているのが2016年9月
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_month?year=2016&month=9&area_type=japan_east
のものです。しかし、この時でさえ、陸域:20回に対して、海域:11回と、相当数の海域地震が起こっています。
この8月の関東地方の異常はそれだけではありません。8月10日 20時48分ごろの茨城県沖、M3.5、最大震度1まで、海域の地震が7月30日から10日間もの長期にわたり発生が無かったことです。2010年10月の東北地方でさえ、海域の地震は5件発生していて、その日付は次の通りです。
10月03日
10月06日
10月12日
10月16日
10月18日
つまり、月の前半に集中していて、後半は18日の一件のみとも言えるのです。しかも、東北の海域の地震はその後、11月12日まで発生がありません。東北の海域の地震は10月19日から11月11日まで24日間も発生が無かったのです。そして、その11月は東北地方全体の地震数が明確に減少し始めた月でもありました。8月、9月、10月の頻発期間を除いて、1月から7月までは毎月約20件の地震がありましたが、11月から12月は、陸域・海域合わせて毎月10件程度にまで急減したのです。
そして、この8月の関東地方でも、8月19日 18時15分ごろの栃木県北部、M3.0、最大震度2を最後に、陸域の地震は起こっていません。8月21日 0時40分ごろ父島近海、M4.2、最大震度1が発生していますが、陸域の地震は起こっていないのです。
現在の関東地方は2010年9月から10月の東北地方と似ています。いわゆる東京湾北部地震M7のような首都直下地震ではなく、茨城県あたりや房総半島沖を震源とする地震がまず起こるはずですが、そういった地震が起こり始めると、ほぼ確実にM6以上地震の頻発期間に入ることになります。
そういった事態になる前に輸入比率の高い物品の国産化を進める必要があります。食料自給率の向上やエネルギー資源の開発です。地熱開発はその両方に役立ちます。
2017年08月21日22時40分 武田信弘
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