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ディズニーR、顧客満足低下でも値上げ連発で利益&現預金うなぎ上り
http://biz-journal.jp/2018/02/post_22243.html
2018.02.07 文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント Business Journal
ディズニーランドのシンボル・シンデレラ城
東京ディズニーリゾート(TDR)が復活の兆しを見せている。
運営会社のオリエンタルランドが1月30日に発表した2017年4〜12月期決算によると、売上高は前年同期比1.1%増の3644億円だった。わずかな伸びのようにも思えるが、前期に開催した東京ディズニーシー(TDS)15周年イベントの反動減で今期の売上高が前年比1.8%減と予想しているなかでの増収のため、集客は順調と言っていいだろう。
TDS15周年関連商品の販売が終了し、商品販売収入が前年同期と比べ19億円(1.8%)少なかったが、それでも増収となったのは、新規アトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」が好評を博すなど、入園者数が前年同期を若干上回り、アトラクション・ショー収入が40億円(3.0%)増えたためだ。
「ニモ&フレンズ・シーライダー」は17年5月にオープンしたアトラクションで、ディズニーとピクサーの共同制作映画『ファインディング・ニモ』と『ファインディング・ドリー』の世界を舞台にした屋内型アトラクションで、映像とライドシステムの動きを融合させて映画の海底世界を体験することができる。ゲスト(来場客)の評判は上々で、多くの人が高い評価を下していた。
このように、今のところTDRの集客は順調に回復しているが、楽観視できる状態ではない。というのも、近年の運営は必ずしも順風とはいえず、“ディズニー神話”を崩壊させかねない火種がくすぶっているからだ。それは、「顧客満足度の低下」という火種だ。
日本生産性本部が実施している、企業またはブランドの顧客満足度を測る調査に「JCSI(日本版顧客満足度指数)」がある。その中で、顧客満足度指数を基に企業やブランドをランキング化しているが、TDRは09年度から14年度までは1位か2位をキープしてきたものの、15年度に異変が起き、一気に11位にまで順位を落としてしまった。16年度はさらに落ち込み、27位となっている。顧客満足度の低下は著しい。
TDRの顧客満足度が下がった大きな理由として、パークの混雑が挙げられる。14年度までは入園者数が増加の一途をたどっていたが、入園者数が増えすぎたため、ひとつのアトラクションに乗るのに数時間待たなければならないという状況がしばしば発生するようになった。入園者数の増加がアトラクションの待ち時間の増加につながり、それが顧客満足度の低下につながったのだ。
■値上げで利益率が飛躍的に向上
そうしたなか、TDRは入園者数の抑制とパークの混雑緩和を狙い、16年まで3年連続でパークチケットの値上げを実施した。それが影響してか、15年度と16年度は入園者数がそれぞれ前年度より減少した。16年度は14年度比で4.4%減の3000万人となっている。
入園者数が減少したことでパークの混雑はある程度緩和したものの、値上げは顧客満足度を低下させた。インターネット上などでは、「チケットが高すぎる」という声があふれかえった。
14年4月のチケット料金改定時は、大人1日券が6200円から6400円になった。その後、15年4月には6900円に、16年4月には7400円になっている。わずか2年で1200円も上がったのだから、顧客満足度が低下するのも致し方ないだろう。TDRの入園料は、海外のディズニーランドなどと比較して安いこともあり、8000〜8500円くらいまで段階的に引き上げられるとの見方もあるが、顧客満足度のさらなる低下や入園者数の持続的な減少を恐れてか、17年は値上げを見送っている。
値上げは、顧客満足度の低下につながったが、利益率を改善させる効果はあったと考えられるので、経営上は正しい選択だったといえる。大幅に値上げした15、16年度の入園者数がそれぞれ前年度比で減ったなかで、チケット収入は増加し、入園者1人当たり売上高も増加した。つまり、入園者数が減ったことで入園者に対応するためのコストが下がった一方、入園者1人当たりが落とす金額が増えたので利益率が高まったというわけだ。
オリエンタルランドのテーマパーク事業の売上高営業利益率は向上している。値上げを実施した14、15、16年度はそれぞれ24.7%、23.8%、24.3%と高い数値を記録した。それ以前は、TDR30周年イベントで盛り上がった13年度を除き、長らく20%程度かそれ以下だったことを考えると、値上げ後の営業利益率は飛躍的に高まったといっていいだろう。値上げが利益率の向上に大きく貢献したのだ。
値上げで利益率が格段に上がったこともあり、最終的な儲けを示す純利益はうなぎ上りとなっている。17年3月期の純利益は前年同期比11.4%増の823億円と大幅な増益となった。17年4〜12月期も前年同期比6.3%増の694億円と順調で、通期では708億円を見込んでいる。
■豊富な資金力でさらに拡大か
また、稼いだ利益を貯め込んでいるため、「現金及び預金」も劇的に増加している。17年3月期末の現金及び預金は前期末に比べ26.1%多い2638億円にも上る。年々増加している状況だ。オリエンタルランドは年に500億円規模の投資を行っているが、近年は稼ぐ利益がそれを上回っているため、資金を貯めこむことができているのだ。
オリエンタルランドは豊富な資金を背景に、東京ディズニーランド(TDL)とTDSの2パーク開園以来最大規模の約750億円を投じて、20年度までにTDLにディズニー映画「美女と野獣」をテーマにしたアトラクションや街並み、飲食店などを建設する方針だ。併せてディズニー映画「ベイマックス」をテーマにしたアトラクションやミニーマウスのキャラクターグリーティング施設、屋内型大型シアター、ポップコーンの専門店も導入するという大規模プロジェクトとなっている。
TDSには約180億円を投じてフライトシュミレーター型のアトラクション「ソアリン」を19年度に導入する。世界中の名所や大自然を上空から眺める感覚を味わえるアトラクションで、海外のディズニー・テーマパークでは高い人気があるようだ。
一部報道によると、3000億円を投じてTDLとTDSの敷地を大幅に拡張する計画もあるようだ。事実上の第3のテーマパークという位置づけで、独自のアトラクションなどを導入する計画だという。リピーターの確保に加え、混雑緩和を実現する考えのようだ。この構想が実現すれば、約3400億円にも上ったTDS以来の大型投資となる。
オリエンタルランドは、TDRの顧客満足度の低下という経営上の不安定要素を抱えている。一方で、そういった問題を解決できるだけの豊富な資金を有している。そういう意味では、まだまだ安泰なのかもしれない。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
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