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雑感。黒田日銀総裁の発言
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53037363.html
2018年01月27日 在野のアナリスト
ダボス会議の討論に出席した黒田日銀総裁が2%の物価目標に「近づいている」と発言し、引き締めが意識されて円高が進行。すぐに「認識は変わっていない」と火消しせざるを得ない状況に追い込まれました。黒田氏が成果を誇れば、それは緩和をする理由がなくなるのであり、彼は自らの行動によって、自らを『愚かな総裁』と喧伝せざるを得ない状況に追いこまれているのです。プライドが高い、とされる黒田氏にとっては憤激ものでしょう。
しかも一時期は黒田バズーカ、などと言われ、チヤホヤされていた、なのに、今となっては各国の中央銀行も黒田バズーカのようなやり方ではダメ、と気づいているために、黒田氏の主張など見向きもしない。だから自分に目を向けようと、成果を誇ったのでしょうが、タイミングが悪く円高に向かいやすい時期。そういうことも分からず、成果を誇ったのなら、やっぱりこの人物は経済について知らない、と暴露したのも同じです。
来年度の年金支給額は、今年度並みとすることになりました。物価は上昇気味ですが、賃金が下がるなど、マクロ経済スライドを導入するために計算上、支給額が減るはずなのに、です。そして減額するべきものを先送りすると、将来に増額しなければいけないような状況になっても支給額が増えない、という事態にもなります。
例えば将来、物価が2%上昇したとしても支給額が上げられない、となる可能性もあり得るのです。そもそも、コアコアの物価はまだ低いものの、生鮮食品やガソリンなどの生活に密接なところの物価は現状でも大きく上昇しており、こんなときに年金額を下げたら、怨嗟の声が蔓延するでしょう。つまりマクロ経済スライドは、基本的なところで失敗している、ということになり、その問題を覆い隠すために先送りをくり返せば、さらに将来の問題を大きくする、というジレンマを抱えているのです。そして安倍政権の、将来を犠牲にして今だけの満足度を上げる、という方針ともよく合致する、ともいえます。
しかし黒田氏の思惑は別にして、日銀が引き締めに転じれば円高、株安が襲い、インフレからは遠ざかることになります。つまりインフレにするためにとった策は、あくまで短期で目標達成するために規模を拡大させた。そのため、少しでも規模を縮小するだけで物価に下落圧力がかかり、目標達成からは遠ざかる。途中で止めたら、永久に2%にとどきませんし、2%に達成してから止めても、すぐに物価が下がって元の木阿弥となる。つまり黒田バズーカによる物価上昇策とは、手段としては最悪だった、ということになります。
日銀が始めたETFやREITの購入など、投機の動きは、仮想通貨でさえレバレッジをかけられるという意味で、個人にも広げようとしている。安倍政権は、まさに将来を犠牲にして今だけの満足度を上げる、ために日銀や個人に投機を推奨している、とさえいえるのでしょう。つまり政府は従来から、個人資産をいかに活用するか、ということに苦心してきた面があり、日銀にその役割を肩代わりさせ、個人には仮想通貨のようなものにレバレッジを認める、としているのです。しかし富裕層は仮想通貨のように手は出しません。年金でも同様ですが、結局一番困るのはぎりぎりの生活をする庶民、ということになり、これから仮に不景気になったら、一気に問題が噴出することでしょう。そういう日が「近づいている」からこそ、黒田氏にしろ焦って成果を誇りたがる、ということかもしれませんね。
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