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米国と原油高
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53036211.html
2018年01月21日 在野のアナリスト
南米ベネズエラの経済危機が叫ばれて久しいですが、昨年の原油生産量が前年比13%減の日量207万バレルと発表されました。それを補うかのように、米国のシェールオイル生産が日量1000万バレルに達しようとしており、年末には1100万バレルまで増産される、との見通しがでています。今の原油高は1.好景気、2.イランとの核合意の見直しに伴うイラン産原油の取引停止、3.ベネズエラの減産、4.中東の反政府組織による原油インフラへのテロ、5.ドル安、6.市場の暴走、など様々な要因により引き起こされています。しかしこうしてそれを上回る米国による増産があり、需給としての原油高でないことは一目瞭然です。
通常、南米でトラブルがあると米国が積極的に介入するのが常です。犯罪組織の温床になれば、米国への影響が小さくないからです。しかし米国は静観、ベネズエラの破綻を容認するかのような態度です。イランとの核合意見直しも、トランプ政権によるオバマ政権時代の否定、ということをさておいても、このタイミングで打ち出したのは理由もあるのでしょう。米国第一のトランプ政権、支持率も一定数は維持していても下落気味、経済が良好といってもほとんどオバマ政権時代の産物で、実はトランプ政権では減税ぐらいしか、経済を押し上げる政策はありません。それが国民に知られたら、非常にまずいことになります。
トランプ政権の成果とするための原油高、米鉄鋼産業などは相変わらず、悪い状況がつづきますが、シェールオイル産業は息を吹き返すことができる。関連産業でも雇用が増え、シェール関連への投資家は配当をうけとり、原油の輸入量減により貿易赤字を削減、産油国の動向に一喜一憂せず政治ができる原油安全保障が確立できる。こうした様々な利がありますが、唯一の弱点はガソリン高による国民の不満です。ただし景気は好調、時間当たり賃金も2.5%の上昇があり、不満の声が大きくならないので無視できるレベルです。つまり、トランプ政権で唯一自身の成果と喧伝できるのが原油高による効果なのです。
中間選挙の前、原油高を米国が仕掛けたとみてほぼ間違いないのでしょう。そしてそれは露国との約束だったかもしれない。選挙に協力してくれた謝礼、国内向けに制裁は解除できないものの、原油高にすれば露国経済は程よく助かる。トランプ氏にとって、ここ最近の原油高は『百利あって一害なし』です。そのために使える手は何でもつかう。ベネズエラが破綻しようが、イランが混乱しようが、原油の輸入が多い日本や欧州などのような国が困ろうと、何の不都合もない。トランプ政権にとっては、米国第一だからです。
予算案が否決され、政府機関の閉鎖がはじまります。共和、民主の非難合戦、責任のなすりつけ合いが終わるまで、醜い争いはつづくのでしょう。現状、イイトコどりの市場が、これを悪材料にするとはとても思えませんが、継続度合いによっては嫌気がさす可能性もあります。米国が始めた米国第一の経済政策、それが「百害あって一利なし」とみなされるようになったら、この暴騰相場も終わりでしょう。米国害一、そうみなされる段階をさぐることで、相場の転換をさぐることもできるのでしょうね。
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