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環境汚染リスクが高く、国民からも非常に問題視されている廃プラスチックや未分別の古紙、繊維系廃棄物、バナジウムスラグなど固形廃棄物24種類の中国に対する輸入の全面的な禁止にともない、廃品回収産業が打撃を受けている西側諸国も少なくない。資料写真。
「海外からのごみ」輸入を全面禁止、日米豪は早急な対策を―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/b559749-s10-c20.html
2018年1月19日(金) 19時10分
2018年を迎え、環境汚染リスクが高く、国民からも非常に問題視されている廃プラスチックや未分別の古紙、繊維系廃棄物、バナジウムスラグなど固形廃棄物24種類の中国に対する輸入の全面的な禁止にともない、廃品回収産業が打撃を受けている西側諸国も少なくない。北京日報が伝えた。
アナリストは「中国が固形廃棄物の輸入基準を大幅に引き上げる措置を執ったことは、米国やオーストラリア、日本など『海外からのごみ』を輸出する国々にとって受け入れがたい措置であることは間違いないが、中国のこの措置は自国の環境保護事業の推進にプラスとなるだけでなく、長期的にみれば、これら輸出国はもとより世界の固形廃棄物の循環利用産業の発展と技術的進歩を促進する役割を果たすことになる」と指摘する。
▽米国:AIの活用を
統計データをみると、米国は世界で回収可能なごみが最も多い国であり、その約3分の1を海外に輸出し、さらにその約半分が中国に流れ込んでいる。
米国再生資源協会(ISRI)のまとめた統計をみると、2016年に米国から中国に総額56億ドル(約6208億円)の回収可能ごみが輸出され、うち約半分が古紙類で、重量は1300万トンを超えた。中国が昨年7月に「海外からのごみ」輸入禁止令を出した後、米国の回収可能ごみの価格は値下がりを続けており、昨年10月の古紙価格は前年同期比35〜40%まで値下がりしている。
「未分別の古紙」とは回収可能な古紙の中に回収不可能な物品が混じっている古紙を指す。米国の廃品回収産業の作業員は、「回収可能な古紙の入ったごみ箱から、ガラス瓶やリノリウム、ハンドバッグ、セーターといった回収できないものがしょっちゅう出てくる」と認めた。これまでは第2段階の分別作業は中国で行われていたが、時間や費用がかかるのはもちろんのこと、環境保護へのリスクも存在していた。
米国メディアの報道によると、中国がこのたび固形廃棄物の輸入基準を大幅に引き上げたことで、回収可能な物品に回収不可能な物品が紛れ込む割合の上限が0.5%に引き下げられることになり、米国の廃品回収産業にとって、「達成不可能な任務」だとしている。
だがISRIのシニアディレクターのアディナ・アドラーさんは、「中国の高い基準や厳しい要求は米国企業にとって悪いことばかりではない。中国が設定した輸入基準を満たすため、一部の米国の廃品回収企業は高いコストをかけて人工知能(AI)を採用しごみの分別を行うようになっているからだ」とした。
▽オーストラリア:プレッシャーもチャンス
オーストラリアメディアの報道によると、中国の禁止令が発効されると、オーストラリアの回収可能ごみ61万9000トンの輸出が影響を受け、金額にすると5億2300万オーストラリアドル(約465億円)に達するとしている。オーストラリア放送協会(ABC)は、「中国の禁止令は大きな影響を及ぼすことになる。市場に大量の回収可能ごみが流れ込み、値崩れすると考えられるからだ」との見方を示した。
オーストラリア環境・エネルギー省のジョシュ・フライデンバーグ大臣はコメントの中で、「中国の禁止令は一部の産業にプレッシャーをもたらすが、同時に一部の産業にとってはチャンスを生み出すことにもなる」と述べた。
オーストラリア廃棄物管理連盟のガル・スローン最高執行責任者(COO)は、「業界は中国のやり方を理解し、中国が国内の循環型経済の発展を推進したい考えであることをわかっている。そしてこの動きはオーストラリアにとっても自国の循環型経済を発展させ、廃棄物産業の雇用を生み出す機会になるといえる」と表明している。
また、スローンCOOは、「オーストラリアは『投入、生産、廃棄』という従来の考え方を捨て去り、『回収、再利用、再生産』モデルを構築し、メーカーが再生可能ごみを購入し循環利用するようにするべきだ」とした。
▽日本:輸出先の切り替え
長年にわたり、日本の回収可能ごみはその多くが中国に輸出されていた。統計データによると、日本が輸出した廃プラスチックの約半分、古紙の約70%が中国に売られていた。
オーストラリアの場合と異なり、日本の廃棄物回収処理システムは先進的だが、厳格な環境保護基準と非常に細かい処理方法のために処理コストが跳ね上がり、さらに中国の「海外からのごみ」輸入禁止令が実施される前は、中国の輸入企業の指し値が高いということもあり、日本の回収企業は競争上の優位性に欠けていた。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の「通商弘報」は、中国の関連政策の変更が日本に与える影響は少なくないと指摘している。そして日本から中国への回収可能ごみの輸出が終わる可能性さえあるとしている。日本で古紙輸出を手がける業界関係者は、「中国市場を失えば、日本の古紙輸出先は東南アジア諸国に切り替える可能性がある」と予測している。
中国環境科学研究院の劉暁宇(リウ・シャオユー)教授は、「中国の『海外からのごみ』輸入禁止政策は、短期的にみれば日米豪などこれまでごみを輸出していた国の関連産業に一定の影響を与えることは間違いない。だが長期的にみれば、これは中国国内の関連企業の自国の固形廃棄物処理能力を大幅に引き上げるだけでなく、回収率を引き上げ、固形廃棄物処理の単位あたり汚染物質排出量を引き下げ、ひいては中国の環境汚染問題の一層の解決に結びつくと同時に、世界の固形廃棄物循環利用産業の発展と関連技術の進歩をもたらすことにもなり、世界の生態環境の改善にも貢献することになる」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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