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暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせた理由
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/post-9330.php
2018年1月17日(水)18時58分 パベル・ベインズ(シンガポールのブロックチェーン・スタートアップBluzelleの会長) ニューズウィーク
住んでいるネブラスカ州オマハにちなんで「オマハの賢人」と呼ばれる大富豪バフェット Rick Wilking-REUTERS
<「仮想通貨は確実に悪い結果になる」と、バフェットは言った。だがちょっと待て。自分は買ってもいなく理解もしていない仮想通貨になぜ口を出したのか?>
米著名投資家で大富豪のウォーレン・バフェット(87)が、伝統的な金融機関の幹部たちの声に同調し、空前の投資ブームに沸く仮想通貨市場に冷や水を浴びせた。
「一般論として、仮想通貨はほぼ確実に悪い結果になる」と、投資会社バークシャー・ハザウェイの会長と最高経営責任者(CEO)を兼務するバフェットは1月10日、米CNBCテレビのインタビューで語った。
バフェットは、投資で世界の一、二位を争う資産家になった。彼の発言は市場に大きく影響するため、いつも言葉選びには慎重だ。それだけに今回の発言はちょっと妙だ。なぜバフェットが、過去数年仮想通貨をけなし続けてきた金融大手の幹部に混じって、自分が投資もしていないどころか無知だと認めている仮想通貨に対し公然と口を挟む気になったのか。
恐らくそれは、銀行やヘッジファンド、バフェットが率いる投資会社のような従来型の金融機関が、株主からの圧力をひしひしと感じているからだ。仮想通貨の投資家たちが1000%超のリターンを得るのを横目に、金融機関の株主たちは1ケタのリターンで我慢してきた。ビットコインやイーサリアムなど、時価総額トップの仮想通貨に投資をしない理由を株主に説明し、納得させるのは容易ではない。巨額の利益を逸した事実が次々と明るみになり、株主の不満は膨らんでいる。
■株で儲けたのはほんの一握りだった
コカ・コーラ株で大儲けしたバフェットは、自分が理解できないものには投資しない、という持論を貫いてきた。投資対象を理解すべき、というのは正論だ。だがバフェットは、非常に保守的でもある。何か新しいものを理解しようとするよりは、初めから排除するタイプだ。ITブームには乗り遅れたと、公に認めている。すでに巨万の富を築いたのだから、イノベーションやさらなる学びへと人々を動機づけてくれたらよほど好感がもてるのに。だが彼は、実証済みの投資手法にこだわり続けている。
バフェットは株式の「長期保有」で900億ドルの資産を築き、周囲にもそれを推奨してきた。だが、長期保有で実際に大儲けできたのは、ほんの一握りの成功者たちだけだ。人類の進歩にはイノベーションが必要だ。バフェットの戦略はイノベーションに逆行している。事実、投資した新聞が経営難になったときも、バフェットは新しいメディアに見向きもしなかった。イノベーションにはリスクが不可欠だが、リスクがあるからこそ見返りもある。シリコンバレーの成功例や、IT企業が築いたすべての富は、彼らがリスクを取った結果だ。
バフェットがコカ・コーラ社の株を買い集めて持ち続けるより、世界の数千人が1人当たり500〜2000ドルを仮想通貨や関連技術に投資する方が、世の中はよほど良くなるだろう。仮想通貨の価格は、毎週のように最高値を更新している。ビットコインに次ぐ2番目の時価総額を誇るイーサリアムの価格は、1年前には10ドルにも満たなかったが、1月に初めて1400ドル台を突破し過去最高を更新した。これのどこが「悪い結果」なのだろうか(その後多くの仮想通貨と共に急落し、1月16日現在1000ドル近くまで下げている)。
(翻訳:河原里香)
International Business Times
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