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2018経済・金融予測!「戌笑う」の邪魔をするリスクは何か(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan125/msg/317.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 1 月 06 日 12:40:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

2018経済・金融予測!「戌笑う」の邪魔をするリスクは何か
http://diamond.jp/articles/-/154664
2018.1.6 三井住友アセットマネジメント 調査部  ダイヤモンド・オンライン


  


2018年は「景気好調、株式上昇」
見落としているリスクはないか


 明けましておめでとうございます。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。今年も皆さんにとって良い年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。

 さて、今回のテーマは、2018年の日本と世界の金融市場を取り巻くリスクについてです。

 1月4日の東京株式市場の大発会は大幅高となり、日本株式市場が今年も強く推移する事を示唆していると感じている皆さんも多いかと思います。また、多くのコメンテーターが一致して「景気は好調、株式は上昇するでしょう」と言っています。そんな時こそ、見落とているリスクはないのかを考える絶好の機会だと思います。

 17年の世界経済の特徴は、「成長率は高くないものの、多くの国で同時的に景気が拡大し始めた年」と言えます。こうした状況になると、どこかの国の経済が多少もたついたとしても、世界全体の経済成長はほとんど影響を受けずに済みます。18年の世界経済に楽観的な人が多いのはこういった事情によります。

 例えば、国際通貨基金(IMF)が昨年10月に発表した世界経済見通しによると、16年の成長率が3.2%だったのに対して、17年は3.6%、18年は3.7%と、しっかりと成長する予想になっています。これはIMF以外でも一般的な見方です。ちなみに、三井住友アセットマネジメントの予想では、17年3.5%に対し、18年が3.6%、19年も3.6%と安定的な推移を見込んでいます。

 現在の景気拡大が長続きするだろうと見られているのにはもう一つ理由があります。それは「行き過ぎ」があまり見当たらないことです。

需要超過や「供給不足の行き過ぎ」が
起きるメカニズム


 景気サイクルにはパターンがあり、通常、景気が回復から拡大局面に入ると、人々や企業のマインドが前向きになります。

 企業は投資や雇用・賃金を増やし、積極的に借金をして事業拡大のための投資や本社の建て替えなどを行います。個人も消費をに前向きになります。返済が難しいような借金をして高額な家や車を買ったり、借金をして株式を購入したりする人が増える可能性があります。

 この状況が続くと、好景気の継続を見込む企業や人が増え、将来の収入や所得、収益をあてにした経済活動が増えていきます。さらに進むと、人手不足が加速し、給料が大きく上昇したり、モノ不足から物価が上昇したりするようになります。いわば「需要過多の行き過ぎ」、もしくは「供給不足の行き過ぎ」です。

 極端な場合には、企業や家計部門で借り入れが過大に膨らみ、さらに問題が大きくなります。それは、景気減速局面になってから表面化します。

 通常、景気が失速してインフレも落ち着けば、中央銀行が金融緩和に乗り出すため、景気は再び加速に向かいます。だから、株価や不動産価格が少し下がっても一時的な調整で済むことが多いのです。

 しかし、債務過大の状況で株や不動産などの価格が下落すると、多くの人々や企業が一斉に負債の返済に走ります。これがバブルの崩壊です。

 それでは、現在、こうした「行き過ぎ」は本当にないのでしょうか。

金融市場の「行き過ぎ」
中央銀行の保有国債は減少へ


 金融市場では、国債市場や社債などのクレジット市場で「行き過ぎ」が生じていると見られます。

 債券市場は、歴史的に見て利回り水準がかなり低い状況が続いています。これはインフレ率が低位で推移していることも要因ですが、それだけではありません。今まで米国の連邦準備制度理事会(FRB)やユーロ圏の欧州中央銀行(ECB)、日銀などが政策金利をとても低く設定してきたことに加え、巨額の国債や社債を買い入れていたことで利回りが押し下げられてきました。

 このため、満期までの期間が長く、償還リスクが相対的に高い債券であっても、金利水準はかなり落ち着いています。金融市場ではこれを「期間プレミアムが低下している」と言います。

 実は、こうした状況は、緩やかに解消に向かっています。例えば、FRBは利上げとともに保有国債残高を減少させる金融政策の正常化を進めています。ECBは18年初から国債や社債の買い入れ金額をそれまでの半分に減額しました。

 これまでは、FRBが国債を買わなくなっても、ECBや日本銀行が大量に国債などの金融資産を買い取っていたため、先進国間で長期金利は非常に低い水準に抑えられてきました。しかし、18年の秋にはECBの資産買い取りが終わる可能性があり、日銀の国債購入金額も徐々に減少していることも明らかになっています。こうした状況に鑑みると、今後も数年にわたって「世界に流動性(資金)が潤沢にあること」を前提にするのは危険だと思います。

 なお、今のところ、金融市場ではこれらに対する警戒感はほとんど高まっていません。それは、世界の主要中央銀行が極めてゆっくりと金融政策の正常化を進めているとともに、金融市場としっかりとコミュニケーションを取りながら、金融政策の変更を慎重に進めているからだと考えられます。

インフレで景気減速に転換するかも
日本の春闘・ドイツの賃上げに注目


 金融正常化が引き締めに転じるとして、景気の減速を本格的に心配する条件になるのは「インフレ」です。

 これまでのところ、先進国では、失業率が大きく低下しているのにもかかわらず、インフレ率は全くと言っていいほど上がっていません。しかし、状況は変わりつつあるかもしれません。

 日本では、今年度の企業業績が予想を上回ると見られ、今春の春闘の回答内容は想定を上回る可能性があります。もし、日本のインフレが前年比で1%を上回り、日銀の目標である2%に近づけば、日銀は金融緩和を修正することになります。その時に世界の金融市場の反応は大きくなる可能性があります。

 また、もう一つ注目すべきなのは、ドイツの労働組合・IGメタルの賃上げ闘争の状況です。来年春の賃上げ更改に向けて打ち出したIGメタルの賃上げ要求は、なんと「前年比6%増加」です。

 もし、欧州の中で最も景気が堅調なドイツの賃金が4%以上上昇したら、他国にも同じ動きが広がる可能性があります。つまり、IGメタルの賃金妥結の状況いかんで、ECBは追加の金融引き締めを検討すると見られます。

 欧州は、通常の名目金利からインフレ分を差し引いた「実質金利」の水準が日本以上に低いため、欧州から金利が高い国々へ資金が流れ出ているという背景があります。そうした中でECBが金融政策を本格的に転換して金利を高めようと誘導すれば、資金の流れが変わるでしょう。この場合、世界の長期金利は上昇に転じる可能性があります。

 こうした状況になると、長期金利が上昇するだけではなく、好調と見られている株式市場への影響が出るとも考えられます。今年は戌年で、相場の格言では「戌笑う」と言われていますが、それが持続しないリスクが高まります。

「労働力」が機械に奪われて
景気がよくても失業率が高まる可能性も


 労働市場には別の種類のリスクの兆しを読み取ることができます。

 多くの先進国では失業率が大きく低下しており、労働力が増える見込みは減っているとされていますが、これを疑ってみるのも一考の価値があります。

 というのも、労働参加率は通常の好況期と比べて低水準で推移しているため、失業率は計算上低く見えるだけで、実は労働力が労働市場に供給される余地が残っている可能性があるのです。

 労働市場に関するもう一つのリスクがあります。それは、「AI(人工知能)に仕事が奪われる」という技術革新に伴い生じるものです。

 どういうことかというと、給料の高い労働の担い手が人から機械へと変わりつつあり、それが全体で見た賃金の上昇を抑えているのではないかという見方もできるのです。先日、メガバンクが大規模なリストラを行うと発表したことも、この流れを汲んでいると言えるのではないでしょうか。

 こうした考え方は、まだエコノミストの間で確立していませんが、技術革新が賃金の上昇、ひいてはインフレの高まりを抑制している可能性は確かにあります。現在は、「技術による労働代替」と「好況から来る人手不足」のバランスが取れている状況だと思われますが、今後も同様の状況が続くと考えて良いかは疑問の余地があります。

 これから心配すべきなのは、人手不足が技術代替を上回って賃金が上昇したり、インフレになったりすることよりも、技術代替が大きく進んで労働需要が減退してしまうことかもしれません。景気がよくても失業率が高まる状況は、これまでほとんど経験したことがないだけに、政策当局者は大いに困惑すると思われます。

 企業は今のうちから新技術を活用した新しいビジネスや起業を行いやすくする等、新技術を積極的に受け入れ、取り込み、活用するような手立てや取り組みを大がかりに行うことが求められているように思われます。個人レベルでも同じことが言えるでしょう。

「地政学」リスクは
実は影響が小さい


 ここまで、経済やインフレといったいわゆる「ファンダメンタルズ」に関するリスクをご説明してきました。18年の見通しを語る上では、これら以外に注意するリスクとして、「地政学リスク」が挙げられます。

「地政学リスク」とは、政治的や軍事的、社会的な緊張の高まりが、その地域や世界の社会・経済に悪影響を与えることを指します。17年の「今年の漢字」に“北”が選ばれたように、昨年は弾道ミサイルの発射や核実験の強行によって、北朝鮮の動向に脅威と不安を感じた年でした。また、欧州ではテロが相次ぎ、中東では地域紛争が続いています。

 昨年は、こうした北朝鮮問題やテロといった「地政学リスク」がたびたび意識され、株価の下落や円高の進行など、リスクを回避する姿勢が見られました。しかし、こうした動きは一時的なものにとどまっています。それは各国の景気や企業業績など、経済に対する大きな影響が現れていないためだと考えられます。

 今後も、経済予測の文脈で「地政学リスク」が取り上げられたとしても、過度に懸念しない様にしたいと思います。リスクは確かに存在しますし、リスクが実現する可能性は決して低くはありませんが、大規模なテロは当局の懸命な対策が奏功するでしょうし、地域紛争は当事者や関係主要国同士の牽制が効いて大規模な戦闘状態にはならないと見られます。そうすると結果的に、大事には至らないと考えることができそうです。

(三井住友アセットマネジメント 調査部長 渡辺英茂)


 

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コメント
 
1. 2018年1月06日 20:06:01 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[868]

>心配すべきなのは、人手不足が技術代替を上回って賃金が上昇したり、インフレになったりすることよりも、技術代替が大きく進んで労働需要が減退してしまうこと

完全な杞憂

単に社会保障を強化すればよい


それより長期的なリスク要因としては、海外(特に新興国)に比べて投資が低迷することで、さらに国内の生産性が低迷し

交易上限が悪化して、輸入財の価格が上がる悪いインフレで貧困化が加速すること


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