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トヨタ「前代未聞の役員人事」全舞台裏レポート 69歳の相談役が副社長に就任(週刊現代)
http://www.asyura2.com/17/hasan125/msg/164.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 12 月 22 日 15:44:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


トヨタ「前代未聞の役員人事」全舞台裏レポート 69歳の相談役が副社長に就任
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53839
2017.12.22 井上 久男 ジャーナリスト 週刊現代  :現代ビジネス


社外からの抜擢、子飼いの更迭、朝令暮改の組織改編……。まさに異例尽くしの大規模人事を断行した豊田章男社長の真の狙いとは。トヨタを長年取材し続けるジャーナリストによる全内幕レポート。

滋賀大卒の「破壊屋」を登用

「こんな衝撃的な人事は見たことがない」「あり得ない人事だ」。グループ企業の役員や幹部たちがこう口を揃えるのが、トヨタ自動車が11月28日に発表した2018年1月1日付の役員人事だ。

トヨタでは役員人事は4月1日付で行うのが通例だが、これまでに経験したことがないスピードで経営環境が変化していることに対応するためとして、役員人事を一気に3ヵ月前倒しした。人事を発表するにあたって豊田章男社長(61歳)が出したコメントにその危機感が表れている。

〈 自動車業界は100年に一度の大変革の時代に入った。次の100年も自動車メーカーがモビリティ社会の主役を張れる保障はどこにもない。『勝つか負けるか』ではなく、まさに『生きるか死ぬか』という瀬戸際の戦いが始まっている 〉――。

実際、トヨタを取り巻く経営環境は厳しい。世界の2大自動車市場である中国と米国では環境規制が強まり、電気自動車(EV)シフトが加速。

トヨタがそのEV戦略で出遅れる中、ITの雄グーグルやウーバー・テクノロジーズが自動運転、ライドシェア事業へ参入するなど、自動車ビジネスでは本格的な「異次元競争」が拡大している。

強くて巨大な恐竜が気候の変化に対応できずに絶滅したのと同様に、世界で約40万人の社員を抱え、日本企業の「稼ぎ頭」であるトヨタですらも生き残れる保証はない。

今回の役員人事で最も衝撃をもって受けとめられているのが、69歳の小林耕士・現相談役が副社長に就く人事だ。

小林氏は滋賀大卒業後の1972年にトヨタに入社し、主に財務部門などを経験。同世代からは「破壊屋」「アイデアマン」などと呼ばれ、歯に衣着せぬ言動で周囲を圧倒する仕事ぶりで知られる。トヨタで部長経験後にデンソーに転じて役員に就き、'15年からはデンソー副会長の要職にあった。

そんな小林氏をめぐっては、まず今年4月にデンソー副会長を務めながらトヨタ本体の相談役に就任する異例の人事が敢行され、関係者に驚きが広がった経緯がある。

トヨタで役員未経験者が相談役に就くことはなかったうえ、相談役は原則として本体の副社長経験者以上が就くポスト。現在は社長・会長を経験した奥田碩氏、張富士夫氏らが就いている。

その小林氏が副社長に登用されたのだから、まさに異例中の異例の人事。トヨタの副社長は65歳を目途に後進に道を譲るケースが多く、小林氏はその「副社長定年」をとっくに超えている。小林氏は相談役就任後、筆者にこうも語っていた。

「俺も歳だから最後のご奉公としてあと1〜2年頑張る」

それなのに、火中の栗を拾うかのごとく副社長に就き、財務を統括するCFOとCRO(チーフ・リスク・オフィサー)を担当する。

トヨタでは賃金や部品代金の支払いなど1ヵ月に必要な資金量はグローバルで1兆円近いと言われ、CFOの仕事は言うなれば「トヨタ銀行頭取」。小林氏はそんな重責を担うわけだ。

元上司、元部下、元秘書

トヨタ元役員は言う。

「これは『小林政権』の樹立です。豊田社長を『天皇』にたとえるならば、小林君は『摂政』に就いたということ。少なくとも社長代行であることは間違いない」

さらに、小林氏はCROに就いたことで、カネの流れだけではなく、リスク管理の名目であらゆる事業に関与できる権力も得る。「小林さんは実質的に社長代行をしながら、豊田社長の後継者を育成する密命も帯びている」と語るトヨタ幹部もいるほどだ。

もちろん、これほどまでに小林氏が豊田社長の信頼を得たのには理由がある。小林氏は豊田社長が役員になる前、財務部と国内営業に在籍していた際に2度上司を務めた。そこで公私にわたって面倒を見て、創業家の御曹司として特別扱いしなかったことが豊田氏の琴線に触れたとされる。

小林氏は豊田氏の8歳年上で、きっといい兄貴分だったのだろう。小林氏も筆者に、「一緒によく遊んだもんです」と語ったことがある。トヨタ元幹部も指摘する。

「章男社長は豊田家本家の嫡流ですが、グループ会社には豊田家分家出身の役員がいます。親戚同士でモノが言いにくいことを小林氏は察して、分家の役員にずばりと意見が言えることでも章男社長の評価が高い」

そんな小林氏はグループ企業再編論者。これまでトヨタのグループ企業は大きな再編をせずとも生き残れたが、いまや世界は合併・買収によって巨大な部品メーカー(メガサプライヤー)が誕生する時代。

トヨタでもそのメガサプライヤーの脅威に対抗すべく、すでに複数の企業にまたがった事業を集約する動きが出ているが、その動きを黒子として主導してきたのが小林氏だ。



トヨタ系列では豊田合成やトヨタ紡織など内装部品を作る上場企業にも重複分野があり、トヨタ本体がその再編を仕掛けてくる可能性もあるが、その際は小林氏が陣頭指揮を執ることになる。

激動の時代には、小林氏のような「破壊屋」も求められる――。そうした意味でも、トヨタ系列の企業にはすでに「小林ショック」が走っているのだ。

また、今回の人事で専務から同じく副社長に昇格する友山茂樹氏は、豊田社長が役員になる前から部下として仕えてきた「股肱の臣」。

CV統括部長から常務役員に昇格する好田博昭氏は豊田氏の元秘書である。最近のトヨタでは豊田社長の元部下や元秘書が優遇される傾向もまた見て取れる。

「豊田章男を守る会」

そうして重用され続ける人もいる一方、側近とされながら切られる人もいるため、「子飼いと言われる人たちも、些細なことにびくびくしながら仕事をしている」(トヨタ系販売店幹部)という。

今回は側近の一人である永田理副社長(60歳)が今年4月の就任からわずか9ヵ月で事実上更迭され、監査役に退く予定。

海外経験が豊富で英語も堪能な永田氏は、トヨタが米国でのリコール騒動で揺れていた'10年2月、「レクサス」などを製造する田原工場(愛知県)の工場長から豊田社長直属のコミュニケーション改善室長に抜擢。

その後、トヨタの収益源である米国事業を仕切る北米本部副本部長(専務)として米国での日本人トップの役職に就き、今年4月に国内に戻ってきたばかりだった。

「これは病気になったか不祥事を起こしたかのような人事だが、そういう話は聞こえてこない。永田さんがこんなに早く退任する理由は謎だが、この夏ごろから社長との関係がうまくいっていないという噂が流れていた。豊田社長の逆鱗に触れたのではないか」と、トヨタ関係者は言う。

そう語られるのは、過去に最側近として仕えた秘書が突然切られたケースなどもあったためだ。

今回の人事をめぐる報道では、従来にはない社外からの人材抜擢ということが多く指摘される。

実際、三井住友銀行の福留朗裕常務執行役員を迎えてトヨタの金融事業を統括する販売金融事業本部長(常務役員)に就け、グループの豊田通商の今井斗志光執行役員をアフリカ本部長(常務役員)に起用している。

こうした人事が「適材適所」として機能することが期待される一方、前述したように側近を異常なほどに重用するのを「お友達人事」、その側近をすぐに放逐するのを「気まぐれ人事」と批判する声が上がっているのも確かだ。

「トヨタの東京本社では幹部社員が通称『豊田章男を守る会』を結成して社長に取り入る動きも出ている」(トヨタ関係者)

こうして社員の中にも側近人事のおこぼれにあずかりたい人が出る一方で、人事にはかかわらないでマイペースに仕事をこなす人の間では、「ばからしくなり、士気が落ちている面もある」(同)。



さらに、今回の人事と合わせて実施する組織改編にも、一部の社内やグループ企業から「朝令暮改だ」との批判が出ている。

たとえば、これまで副社長は会社全体に目配りして社長目線で仕事することを求めるとして、もの造り分野の社内カンパニーの担当からは外していたが、今回から副社長6人のうち3人がカンパニーを担当するようになった。

また、'13年に鳴り物入りで導入した先進国担当の第1トヨタ、新興国担当の第2トヨタという組織体制も、今年完全に消え失せた。

それだけではない。前述したように永田CFOは更迭されたが、その下にいる大竹哲也経理本部長(専務)も退任する。

経理財務のトップとナンバー2を同時に替えてしまうため、「激変の時代だからといって、これほど組織と人を目まぐるしく変えて大丈夫なのか」と、社内では将来を不安視する声も出始めている。

社員がこうして不安を募らせるもう一つの理由が、今回の組織改編で経営企画機能を持つコーポレート戦略部が廃止されることにある。

激動の時代だからこそ大所高所から会社の方向性を決める機能が必要なはずなのに、豊田社長のモットーの一つである「経営は企画するのではなく、現場で行うもの」を過度に忖度して経営企画機能をなくしてしまうのだ。

筆者は1995年10月からトヨタの経営をウォッチしてきたが、いまのトヨタの人事や組織改編が環境の変化に対応するためというのは「後付け」で、気まぐれなトップによる「迷走」に見えて仕方ない。

北米市場に異変アリ

すでにトヨタの足元には危機が及び始めている。前述のように世界ではEVにシフトする流れの中で完全に出遅れているし、EVにはトヨタが持つ世界最高峰のハイブリッド技術が転用できるのに商品化ができない。

「会議だらけで社内はまったく前に進まない」とトヨタ社員は言う。その原因は大組織だからではない。組織に忖度が蔓延り、士気が下がり、リスクを取って挑戦する社風が失われつつあるからではないか。

これまでトヨタがドル箱としてきた米国市場でも陰りが見える。12月2日に発表された米国の11月の新車販売で、ホンダは前年同月比8.3%、日産は13.9%のそれぞれ増加なのに対して、トヨタは3%の減少。

今夏に主力車「カムリ」がモデルチェンジしたばかりなのに、「レクサス」などが減少して足を引っ張った。'18年3月期中間決算('17年4月〜9月)でも北米地区の営業利益は2968億円から1411億円に半減している。



国内の消費者からも「いまのトヨタには買いたい車がない」との声が漏れる。2年前にモデルチェンジした4代目プリウスも販売計画台数に達せず、苦戦している。

現在のトヨタの姿は、オリンピックで金メダルを取れる能力がありながら、勝負に負けるアスリートに重なる。高い技術力はあるのに、それを優れた商品力に結び付ける力が不足しているのだ。トヨタが人事発表とともに出したコメントには、次のようにも書かれている。

〈 何が正解かわからない時代。『お客様第一』を念頭に、『現地現物』で、現場に精通をしたリーダーたちが、良いと思うありとあらゆることを、即断・即決・即実行していくことが求められている 〉

果たして今回の人事が、そんなトヨタの反転攻勢の一手となり得るのか。グループ全体はまだ、この人事の衝撃に揺れている――。

「週刊現代」2017年12月23日号より



 

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コメント
 
1. 2017年12月22日 20:02:21 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[6330]
現状、国内でEVを買おうとすると、国産車は、三菱自動車の「i‐MiEV」か「リーフ」に限られますが、20年には、トヨタやホンダ車などが選べるようになるはずです。
http://blogos.com/article/267019/

前倒しでお願いします。


2. 2017年12月23日 11:43:01 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[6333]
英ケンブリッジ、2018年に中国の自動運転バス導入へ
フランシス・バーキット氏
「GCPはジェームス・パーマー市長によるケンブリッジでの自動運転地下鉄システムの導入構想を支持する。中国産の自動運転バスを早急に購入しセント・アイブスでテストすれば、進展を早めることができる。私たちは市長の高品質の公共交通に関する構想に同意する。継続し、2018年に実行すべき」
http://japanese.china.org.cn/life/2017-12/23/content_50156293.htm

トヨタ、頑張ればバスも地下鉄も手に入るぞ!
とにかく急げ! 中国産より良いものを安くつくるのだ! そういうのは得意だろ!


3. 2017年12月23日 19:06:29 : t09dumgomc : _QSLFc9uuag[293]
異例なる 人事はやはり 「オトモダチ」

4. 2017年12月23日 23:32:16 : rkJU4oOov6 : NsyCTgkVO_g[378]
何故学生は大きな会社を就職先に選ぶのか、それは生活を安定させたいからである、
決して会社の発展を願う物ではない。
言われた事をこなすのは難しくても目標が有りその目標に向かい行動を起こす事が
出来るが、新たな目標を見つけ会社組織に利益を生み事を始める事は会社では
許されないしやる事でもない、言われた事を上手にこなすだけに長けてれば
それでいいのである、何故なら大会社であるからだ。
だがて会社は時代の波に砕かれ消えて行くのである。

5. 2017年12月23日 23:37:37 : x4SD1Zk57E : 7uWsLigaK_Y[43]
トヨタ自動車が、どうやら「先祖帰り」しつつあるようですね。当方があちこちでコメントしていますが、トヨタは元々「超保守派」自動車メーカー。少しでも気を緩めると元に戻ると思われていたが、やっぱりそうでしたか。

トヨタは先進技術の採用に当たって、「石橋を叩いて渡る」自動車メーカーである。これが同社を窮地に追い込んだのが1970年代の排気ガス規制の達成の遅れだ。同業他社に比べ、昭和51年規制と昭和53年規制の達成が遅れに遅れ、とにかく合格したのが一番遅かったのである。

この時代に躍進したのがホンダである。ホンダは独自技術のCVCCを開発し、アメリカのビッグスリーでも困り果てていた排ガス規制に合格。これがホンダの技術力の高さの証明となり、小型車シビックは売れに売れた。この勢いに乗って上級車種アコードを投入。北米市場において確固たるシェアを獲得した。

トヨタの苦境の隙を突いて大きく成長したのが、当時の三菱自動車だ。同社は航空機メーカー発祥の自動車メーカーであり、社長の久保富夫先生は陸軍高速偵察機の設計を担当していた。ライバルの富士重工(かつての中島飛行機)も航空機メーカー発祥の自動車メーカーだが、エンジン燃焼に切り込んで排気ガス規制に合格。三菱自動車はMCA-Jetと称し、富士重工はSEEC-Tと称していた。

プリンス自動車(註 中島飛行機の一部)を吸収合併した日産自動車も、NAPS-Zを開発して排気ガス規制に合格した。そのような中、トヨタは中々開発が進まず、当時新聞でもよく叩かれたものである。

ようやくにして最後尾で合格したトヨタTTC-Lだったが、出力低下は深刻であった。当時のカリーナやコロナに積まれていた1.6ℓOHVエンジンはろくに走らず、失望感は否めなかった。それと燃費の悪化も商品力を下げていた。トヨタ得意の充実装備や室内の質感で「お買い得感」に訴えたが、肝心のエンジンの出来の悪さが自動車雑誌に叩かれた。自動車本来の性能より装備で売るトヨタ商法に対し、自動車マニアは一斉に反発。自動車好きが相手にしないトヨタの構図が定着した。

あの頃トヨタの自動車に乗っていると、自動車好きではないと見られたものだ。「ノンポリ」(註 ポリシーのないこと。)のための自動車とか、自動車を知らない人がセールスに進められて買っているメーカーだと言われた。少し褒めてみたとしても、「面白みはないが、安心して乗れる。」と言う表現しか出来なかった。

●同業他社に立ち遅れたといえば、前輪駆動車の投入も最後のほうだった。これについてだが、実は1950年代末期に新小型車パブリカを開発していた時に前輪駆動の採用が決定していた。ところが当時の前輪駆動車は、耐久力に優れ、しかも小型にまとめた前輪等速ジョイントがなかった。戦前から前輪駆動方式を採用していたシトロエンも、当時のDS19には大きな「ひょうたん型」のジョイントを採用していたのである。

開発を担当した豊田英二技師は、まだ時期尚早だとして前輪駆動採用の決定を覆し、後輪駆動に切り替えた。そのため、せっかく前輪駆動を前提にして新開発された水平対向エンジンの長所は生かされなかったのである。

このように、少しでも新技術に「不安要素」が残っていると、それを恐れて採用しないのが、トヨタの基本方針なのだ。それが1990年代以降、ハイブリッド方式の開発で「超保守派」の企業姿勢は薄まりつつあったが、それが再び元の木阿弥に戻りつつあるようですな。

元の記事から引用します。

★「会議だらけで社内はまったく前に進まない」とトヨタ社員は言う。その原因は大組織だからではない。組織に忖度が蔓延り、士気が下がり、リスクを取って挑戦する社風が失われつつあるからではないか。

何とも憂慮される状況です。


6. 2017年12月25日 13:24:18 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[6350]
フィンランドの研究車両「Martti」が雪道での完全自動運転に成功!
最高速度は時速40キロ。
https://www.techable.jp/archives/69083

冬の運転もAIにお任せください。
トヨタ、ファイトだ!


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