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川崎重工が外した目算、LNG船特需が一転して赤字の元凶に
http://diamond.jp/articles/-/152752
2017.12.13 週刊ダイヤモンド編集部
川崎重工業だけでなく、LNG船はどの企業でも納期が遅れているという Photo:川崎重工業/JIJI
「壮観な風景でしたよ。7〜8隻ありましたかね」。10月に香川県に出張したあるビジネスマンが言う。川崎重工業が船を建造している坂出工場の岸壁には、大量のLNG(液化天然ガス)船が並んでいた。
坂出港に行けば今も多くのLNG船を見られるが、実はこれ、川崎重工によるLNG船の受注増と、同船の納期延長が生み出した期間限定の風景かもしれない。
数年前、日本の造船業界はLNGを運ぶLNG船の“特需”に沸いていた。日本の電力・ガス会社や海運会社がLNG船の発注を増やしたことから、技術力に定評のある、同じ日本の造船企業に仕事が落ちてきたからだ。
川崎重工もこの恩恵にあずかった一社だったのだが、LNG案件は一筋縄ではいかなかった。2017年度に同社の船舶海洋カンパニーで見込まれる50億円の営業赤字の主因こそ、LNG船の納期延長によるコスト増なのだ。
最新のLNG船の建造遅れという川崎重工側の要因に加え、LNG輸出プロジェクト自体の遅れが重くのしかかっている。
■LNG価格の低迷が元凶
「これまで数十のLNG輸出プロジェクトが始動してきたけれど、そのうちスケジュール通りに完遂したのなんて、片手で数えられるくらいしかない」。あるエネルギー事業関係者は声を潜める。
LNG輸出プロジェクトは、タンクやLNGの液化設備の建設を伴うなど、ただでさえリスクの高いビジネスだ。しかも、発注した部材の品質不備、労働者との賃金交渉の難航など、遅れの原因に事欠かない。
特に今は外部環境も思わしくない。LNGの売り手からすると、LNG価格が高いときは、多少コストがかさんでもとにかく早く設備を造って売り出した方が好都合だ。しかし、LNGの価格が伸び悩んでいる今は、建設コスト等の増額に対して保守的な態度を取らざるを得ない。「早く設備を造るうまみがないから、何か問題が起きるとすぐに建設も止まる」(エンジニアリング会社役員)。
プロジェクトが進まなければLNGを運ぶ船もすぐには要らなくなるというわけで、LNG船の納期が遅れているのだ。
スケールメリットを生かして効率よく船を建造しようとしていた川崎重工の目算は外れた。建造資材のコストや要員の人件費に狂いが生じて、想定したコストダウンが見込めなくなったからだ。
完成した船を係留しておく場合のコストも、「船主に配慮して、一定期間はうちが負担しなければならない場合もある」(川崎重工役員)というから手痛い。
川崎重工はガスや石油の海底設備のメンテナンスコストを低減できる自律型無人潜水機を開発中。それでも、LNG船で食らったとばっちりを挽回するのは簡単ではないだろう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)
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