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日産の検査不正、大手保険会社の業績に大打撃か
http://biz-journal.jp/2017/11/post_21503.html
2017.11.28 文=編集部 Business Journal
日産自動車の西川廣人CEO
損害保険会社の業績は、大型災害の有無に大きく左右される。大手損保3グループの2017年3月期の連結純利益は、そろって過去最高を更新した。大規模な自然災害が少なかったからだ。
18年3月期も過去最高益を更新する計画を立てていたが、一転して減益になる。米国を襲った超大型ハリケーン「イルマ」などの災害被害の保険金支払いが発生するためだ。
イルマは9月に米フロリダ州に上陸し、甚大な被害をもたらした。8月に米テキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」よりも強力で、少なくとも過去10年における大西洋最大のハリケーンだったと専門家は分析した。保険金支払いなどで保険業界の損失は数百億ドルになると予想されている。
損害保険大手3社が11月17日に発表した17年4〜9月期連結決算の純利益は、3社とも減少した。ハリケーンで保険金支払額が膨らんだためだ。
3グループのなかでハリケーンなどによる損害額が最大となったのは、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの874億円。他方、SOMPOホールディングスは710億円、東京海上ホールディングスは640億円だった。
3グループの保険金支払額は2224億円に膨らんだ。2000億円を超えるのは11年のタイ洪水(約9000億円)以来。各社が海外の自然災害で想定する年間支払額を、半年で上回った。
国内でも、相次ぐ台風などの自然災害で保険金の支払いが膨らんだ。国内外の自然災害による保険金の年間支払額は3社合計で計4800億円超に達する見通しだ。3グループの通期(18年3月期)決算は最終利益で過去最高を見込んでいたが、この予想を下方修正した。
東京海上日動火災保険と日新火災海上保険を傘下に持つ東京海上の18年3月期の連結純利益は、前期比2%増の2800億円。三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に持つMS&ADインシュアランスグループは16%増の2450億円。損害保険ジャパン日本興亜を傘下に持つSOMPOは10%増の1830億円と予想していた。
これを、一転、下方修正した。東京海上は前期比16%減の2300億円、MS&ADは31%減の1450億円、SOMPOは9%減の1520億円とした。3グループ合計で7080億円の過去最高益を予想していたが5270億円に引き下げた。1810億円の目減りとなる。タイ洪水で最終赤字となった12年3月以来、6期ぶりの減益の見通しだ。
3社は海外比率を高めているため、海外の事業が業績を大きく左右するようになった。世界中の災害の影響を受けることになるわけで、海外展開のリスク管理が重要な経営課題となった。
■日産自動車、SUBARUの無資格検査問題の影響を懸念
悪い時には悪いことが重なるもので、日産自動車とSUBARU(スバル)の「無資格検査問題」が思わぬかたちで飛び火するかもしれない。販売停止の長期化より、顧客離れが心配という声が出ているのだ。
自動車保険を販売する代理店を自動車メーカーのディーラーが兼務していることから、新車購入と同時に保険に加入することが多いという。新車販売の落ち込みが保険の売り上げに悪影響を及ぼすことが考えられる。
もっとも懸念されるのは、リコール費用だ。自動車メーカーはリコール保険に加入している。SUBARUはリコール関連の費用を200億円と見込んでいる。日産は250億円とリコールの台数に比べて少ない見積もりになっているが、SUBARU並みに計上すればもっと膨らむ。
無資格の従業員に新車の完成検査をさせていたという不正行為によるリコールなので、物理的な不具合によるリコールとは大きく異なる。保険金の支払いに発展するかどうかは不透明だが、いずれにしても今後の業績にとって懸念材料である。
■保険金支払額の最高は、世界では米9・11テロ事件、国内では3・11東日本大震災
損保各社は大規模な地震や台風など自然災害が起きた場合に保険金の支払いに充てるため「大災害債」を発行している。東京海上日動は15年に「期間4年、発行額350億円」、三井住友海上は16年に「期間4年、発行額227億円」の大災害債を発行した。
損保ジャパン日本興亜は17年3月までにドル建てで4億8000万ドル(約520億円)を発行。国内損保のなかでは最高額だ。100年に1度起こると想定される巨大台風が対象で、期間は4年。
償還になると、少なくとも年2%の利回りが得られる。世界的な低金利のなか、年金基金など機関投資家に人気があった。しかし、大規模な自然災害で保険会社の支払いが膨らむと投資家がその一部を肩代わりすることになり、元本が毀損する。イルマなどの損失は損保3社だけでなく機関投資家にも影響を及ぼすことになる。
保険業界史上最高額の保険金支払額は、米国の「9・11同時多発テロ事件」だ。01年9月11日、ニューヨークはテロリストの攻撃を受け、おびただしい数の人命が奪われ、ツインタワーも崩壊した。業務の中断、物損、生命保険など多くの対象に支払われた保険金の総額は400億ドル以上(当時の円換算で3兆2000億円)に上ったといわれた。
国内の地震保険支払額は11年3月11日の東北地方太平洋沖地震の1兆2749億円。東日本大震災に係わる支払保険金は、静岡県東部、宮城県沖、福島県浜通りを震源とする地震などを合わせて合計1兆3156億円に達した。16年4月の熊本地震の支払い保険金は3753億円である(日本地震再保険会社調べ)。
風水害等による保険金の支払いは、日本損害保険協会の調べで、1991年9月の「平成3年台風19号」の5680億円が最高だった。
(文=編集部)
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