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就活生&転職したい人必見! 面接官に刺さる言葉は「決算書」にある
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171121-00000072-sasahi-bus_all
AERA dot. 11/23(木) 7:00配信
知っておきたい面接官に刺さる言葉…(※イメージ写真)
誰もが条件のいい会社、働きやすい会社に就職したいと思うものだ。しかし勤務時間や給与、福利厚生といった待遇面はわかっても、「働きやすさ」や「仕事のやりがい」を事前に把握することは難しい。
会社の商品や広告などから受けるイメージとは異なり、いざ入ってみたら「自分の考えていた仕事と違った」「思った以上にブラックだった」ということは、十分にあり得ることだ。
では、実際に入社する前に、会社の労働環境やブラック度を測る方法はないのだろうか。『100分でわかる! 決算書「分析」超入門 2018』の著者であり、グロービス経営大学院教授(ファイナンス担当)を務める佐伯良隆氏に、決算書から「自分に最適な会社」を見極める方法をうかがった。
■「会社の働きやすさ」は3つの視点から考える
「まず考えたいのは、“自分にとっての働きやすさとは何か”ということです。そもそも人によって、仕事でモチベーションを感じる部分は違います。仕事の内容、金、人、時間など、優先順位を決めることが大切です」
こうした優先順位は、企業分析を行う上での“視点”を定めるために欠かせないものだと、佐伯氏は話す。多くの人は、就職希望の会社を調べるとき、求人広告や公式サイトに掲載されている情報を見るはずだ。しかしそれだけでなく、会社の決算書を分析することで、より自分の希望に見合った会社を選ぶことが可能になると言う。
「企業分析は、“3つの視点”から行うのが基本。すなわち『収益性』『安全性』『成長性』です。例えば、『一つの会社に腰をすえて定年まで働きたい』のであれば、その会社の過去の決算資料から、収益性と安全性を分析してみることをお勧めします。また、『自分のスキルを早く高めたい』のであれば、成長性指標の高い会社で早くから経験を積むといいでしょう。決算書の分析方法がわかれば、こうした就職に有利な情報を数字から読み取ることもできるのです」
●企業が求める人材は「投資家情報」に書いてある
決算書から会社の収益性、安全性、成長性が分析できれば、より自分の優先順位とマッチングした会社を選びやすくなる。しかし例えば「社内の風通しのよさ」や「仕事のやりがい」などは、実際にその会社で働いてみないとわからないのではないだろうか。
「労働環境は、同僚や上司などの“人”にも大きく左右されるため、確かに事前に把握するのは簡単ではありません。ただ、その会社の理念や風土は、決算資料の『投資家向け情報』(IR情報)を見れば、ある程度把握できます」
IR情報とは、経営や財務の状況、業績動向、今後の目標や戦略など、株主や投資家に向けて会社が発表している情報のことだ。これらの情報をどのレベルまで投資家に対して開示しているのか。そして、投資家の理解を得るためにわかりやすく、偽りなく情報をまとめているかといったことから、その会社の情報公開への積極度(=風通しの良さ)が透けて見えると佐伯氏は語る。
「一方で、仕事にやりがいを感じられない人の多くは、『自分がやりたい仕事』と『会社側がやってほしい仕事』のミスマッチに原因があると考えられます。でも実は、企業がどういう人材を求めているかも、決算書にちゃんと書いてあるんです。例えば、『今後、海外売上比率を上げていく』とIR情報に書いている会社であれば、それだけ『英語力のある人材や国際的に活躍できる人材を欲している』ということ。外部に発信していることは、内部に必ず跳ね返ってきますからね」
これは逆手に取れば、就職試験の面接で自己PRをする際にも使える。消費者目線ではなく、投資家や経営者の目線で今後の戦略を理解していれば、「そのために自分が何ができるか」より面接官の心に刺さる具体的なプレゼンテーションができるだろう。
●ブラック企業を見極めるには「利益率」に注目
また佐伯氏は、「ブラック企業」を見極める上でも、決算書の情報は有効だと話す。
「収益性の低い会社、具体的には損益計算書の『売上高総利益率』が極めて低い会社は要注意です。これは同業他社に比べて“商品の付加価値が低い”ことを表します。端的にいえば、商品に魅力がないため、営業などのマンパワーによって無理をして売らなければ会社が存続しない可能性が高い。そのためブラック化しやすいといえます」
売上高総利益率とは、「粗利率(売り上げに占める粗利の割合)」のこと。日本の場合、製造業は25%、非製造業は15%がおおよその平均値だ。ただし同じ製造業でも、薬品メーカーは70%、電気機器メーカーは30%、鉄鋼業は20%程度と、業種によって差が大きい。そのため分析する際は、同業他社と比較する必要がある。
「アップル社のiPhoneのように、独自性の高い商品であれば、他社より価格が高くても勝手に売れます。競争力のある会社とは、大抵“商品力がある会社”なのです。一方、同業他社と品質が同じか、劣っていれば、薄利多売型の戦略をとらざるを得ません。それが極まれば、人件費の抑制や長時間労働が常態化してくるでしょう。過去数年分の売り上げや利益率を分析してみて低下しているようであれば、その分従業員に対する負担は増加している可能性が高いと考えられます」
いま就活中の人はもとより、転職を考えている人、働き方の見直しを図っている人は、ぜひチェックしてみてはどうだろうか。
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