http://www.asyura2.com/17/hasan124/msg/637.html
Tweet |
老後のお金はいくら必要? 「90歳超の人生」に備えよ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171122-00000005-sasahi-life
週刊朝日 2017年12月1日号より抜粋
90歳までの人生を考えてマネープランを作る(※写真はイメージ)
老後マネーはこうして求める(週刊朝日 2017年12月1日号より)
高齢夫婦無職世帯の家計収支(2016年)(週刊朝日 2017年12月1日号より)
一冊の本が老後マネーの世界を揺さぶっている。
『ライフ・シフト』。英ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授らが書いた、「人生100年時代」を乗り切るための本だ。昨年秋に出版されると瞬く間にベストセラーになり、現在16万部。老後マネーの考え方もしっかり論じられているが、とりわけ「2007年に日本で生まれた子どもの半分は107歳まで生きる」とする予想が人々の心をとらえた。
ファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵さんは、『ライフ・シフト』後に、「より長寿」を意識する男性が増えたという。
「90歳までの人生を考えてマネープランを作る、これが私の持論です。あの本が出る前は、『どうせ90歳までは生きられない』と言う男性が多かったのですが、最近は『ひょっとしたら長生きするかも』に変わりました」
大手資産運用会社フィデリティ投信の研究所、フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長も、
「私は95歳までのライフプラン作りを提案しています。以前は『エーッ、長いな〜』だったのに、最近は『何だ、100歳でなくていいのか』という反応が多くなりました」
人生先立つものはお金。超長寿社会がどんどん現実化するにつれて、それへ向けてのお金の備えを気にする人々が増えているのだ。
果たして、どれくらいまでのライフプランが必要なのか。そして、最近では65歳が多いが、会社を辞める時までにいくら準備しておけば安心できるのか。
日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳だが、これは今のゼロ歳児が何歳まで生きるかを示す数字だ。実際の日本人が何歳まで生き延びるかは、厚生労働省の「簡易生命表」を見ご確認ればわかる。
最新のそれによると、「100歳」まで生き残る確率は男1.6%、女6.9%で、さすがにまだごく少数だ。しかし、「95歳」になると様相が変わる。男9.1%に対して女25.2%で、女性は一気に高まる。「90歳」まで下げると男25.6%、女49.9%となり、男性でも4人に1人が生存し、女性は実にほぼ半数が生きている結果になっている。
確かに、90歳は確実にライフプランに組み込む必要がありそうだ。夫婦単位で考えると95歳も十分視野に入ってくる。
しかし、今年夏、野尻氏の研究所が、全国の50〜60歳代の男女約1万2千人に「退職後のお金」についてアンケートを行ったところ、「いつまで生きるか」には、依然として「80代前半」の回答が大半だったという。野尻氏は「10年近いギャップに驚いた」と言うが、100歳はまだしも「90歳超の人生」へと、早めに意識を切り替えておいたほうがよさそうだ。
さて、「人生の終点」の予想がついたところで肝心の老後マネーである。
老後は年金収入で暮らし、受け取る年金以上のお金を使うのが普通だ。収入より支出が多くなるわけで、その差額を貯蓄から取り崩していく。従って、生きている間に取り崩す分を準備しておく必要がある。
65歳スタートで「90歳」か「95歳」のゴールで考えてみよう。計算方法は次のようになる。
収入である年金をいくらもらえるかは、年に1回来る「ねんきん定期便」でわかる。50歳超の定期便は支給額に近い数字が記載されているので、夫婦分を足せば年間の年金額が出る。企業年金などほかの収入がある場合は、それも加える。
一方、月々の支出は、現在の家計を参考に、老後にどんな生活を送りたいかを想像しながら金額を決めてほしい。これは夫婦で話し合って決めるのが鉄則だろう。月々の支出12カ月分に、国内旅行代や固定資産税など年単位でかかるお金を足せば、年間の支出額が出る。
年金額から支出額を引くと、いくら貯蓄を取り崩さなければならないかが出てくる。その金額に残り年数(この場合は25年か30年)をかけると、死亡するまでに生活費として必要になる取り崩し額が出てくる。
計算は、まだ終わらない。毎年は必要ないが、数年に1回、あるいはそのうちに必ずかかる費用があるからだ。住宅のリフォーム代や医療・介護費用、海外旅行などで、これらのイベントに必要になりそうな金額を見積もる。これに取り崩し額を足せば、老後に準備しなければならない金額になる(物価変動は考慮していない)。
注意したいのは、月々の支出一つとっても個々の家庭で金額が変わることだ。生命保険文化センターの意識調査によると、「老後の最低日常生活費」は夫婦で月22万円だが、「ゆとりある老後生活費」となると月34.9万円に跳ね上がる。要するに、必要な老後マネーは家庭ごとで異なるのだ。
とはいえ、生活レベルに応じた「目安」は必要だろう。ここからは、老後に対するさまざまな考え方と、そこから導き出される準備金額を見ていこう。
経済ジャーナリストの荻原博子さんは、細かい計算よりも、65歳以降は生活スタイルをガラッと変えればお金はかからないという。
「夫婦で20万円程度の年金がもらえるのなら、生活費はその範囲内で賄えばいい。年金に合わせた生活です。会社に行く必要がないから背広は必要ないし、夫婦2人だと食費もそんなにかかりません。これからは年金が減るといいますが、年を取れば消費する金額も少なくなっていきます」
生活費を年金で賄えるとすると、準備しておくべきお金は、「介護」と「医療」を考えればいいという。先の生命保険文化センターの調査によると、一人の介護に実際にかかった費用は「約550万円」。医療費は高額療養費制度があるため、70歳を過ぎた一般所得者の世帯では、どんなに医療費がかかっても負担は月額「5万7600円」で済む。
「すると、介護は2人で550万円×2=1100万円。医療費はざっくり200万〜300万円をみておけばいいでしょう。これに100万円余裕を持たせたとして、1500万円あれば最低限の準備はできます」(荻原さん)
1500万円は、住宅ローンの返済と教育費の負担が終わっていれば、その分を貯蓄に回すことで50代の10年でためられるという。
総務省の「家計調査年報」(2016年)を見れば、高齢世帯の収入や支出の全国平均がわかる。
それによると、高齢夫婦無職世帯の月々の実収入は「21万2835円」で、うち年金は「19万3051円」だ。ここから税金と社会保険料が引かれ、可処分所得は「18万2980円」となる。
一方、支出を見ると消費支出が「23万7691円」だ。主な支出は、食料(27.3%)、交際費(12.2%)、教養娯楽(11.1%)、交通・通信(10.6%)の四つ。現在のシニア世帯の旺盛な活動ぶりがここからもうかがえるが、この消費支出と可処分所得との差額、「5万4711円」が月々の貯蓄取り崩し額となる。
年間の取り崩し額は「5万4711円×12=65万6532円」になる。90歳のゴールまでだと「約1640万円」、95歳までだと「約1970万円」の貯蓄が必要になる計算だ。全国平均でさえ、寿命が延びれば「2千万円」が視野に入ってくる。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民124掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民124掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。