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インドもEVに舵切り、石油使用600億ドル削減の衝撃
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34203#image48871
2017年11月13日 ビジネス+IT
世界第5位のインド自動車市場は、世界第2位13億人の人口移動を支えている。そんな中、世界的な持続可能な社会への圧力はインドにも働き、5月、インド政府は電気自動車(EV)の開発支援を鮮明にし、タタ、マヒンドラなどインドの主要自動車メーカーもEVに力を入れている。これには、インドの新車販売台数1位でハイブリッド車の販売に注力していたマルチ・スズキ・インディア(現地のスズキの子会社)も影響を受ける見込みだ。インドで本当にEVは普及するのか。普及を阻む壁は何なのか。
執筆:エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)
電気自動車シフトを加速するインドの自動車市場(© Kriangkrai – Fotolia)
■再生可能エネルギーの活用に舵を切ったインド政府
ニチン・ガドカリ道路交通相
(写真:World Economic Forum/flickr,CC BY-NC-SA 2.0、記事に合わせた編集済)
モディ首相の肝いりで、インドは再生可能エネルギーの活用へと舵を切っている。2030年までの13年間で、再生可能エネルギーで走る自動車の利用を進め、石油使用を600億ドル減らすことで排ガスの37%削減を目指すべく、道路行政を推進する方針だ。
つい先日も、ニチン・ガドカリ道路交通相は、政府の意思は非常に固いとしたうえで、「我々インドは、断固として代替燃料の利用を促進していく。これは他に問うことではなく、私が押し進めていく」とインド自動車業界のロビイストに明言した。
■タタ、マヒンドラなどインド国内主要メーカーの戦い
ただし、インドのEVをめぐる現状はけっして芳しくはない。毎年250万台前後の乗用車が売れるインド市場だが、全土の道路を走っているEVは5,000台程度と言われている。
乗用車市場に出回っているEVの顔ぶれは、インド国内新車販売台数第4位の自動車メーカーであるマヒンドラのe2oPlusやeVeritoくらいだ。インド国内新車販売台数第3位タタ製では、TiagoのEV構想が英国で明らかになり、インド国内ではNanoのEV化に向けたテストが行われている。この2車種は、まもなく市場にお目見えすると思われるが、2018年中には難しいだろう。
商用車の分野では少し進展が見られるようだ。タタはハイブリッドバスのStarbus Hybridを打ち出し、インドの商用車メーカーのアショック・レイランドは電動バス輸送のブランドCircuitを送り出している。対抗して、マヒンドラは人荷用バンのeSuproだけでなく小型の電動の三輪タクシー(オートリキシャ)e-Alfaを発売した。
電気自動車の分類(出典:エクシール・エフ・エー・コンサルティング)
■インドのEV普及を阻む充電スポット問題
インドにおけるEVの普及には、燃料補給インフラ、航続距離、生産体制といった根本的な課題がある。タタは最近、ムンバイ初の充電スポットを設置したが、全土にわたるインフラはぜい弱なままである。
確かに、e2oPlusのような車種においては家庭用の15アンペアのソケットから充電することができるが、充電には通常8〜9時間、急速充電のオプションで1.5時間を要する。フル充電で140km走行できるのは魅力的ではあるものの、商業用に供されている充電ネットワークは数が少なく充電に時間もかかるため、いまだ都市部での利用に限られる。
さらに大都市以外の電力供給は一様ではないため、電力負荷制限が依然として問題となっており、インドの中小都市や地方におけるEV普及の妨げとなっている。
■EVを普及させるためにインドがすべき2つのこと
2015年、クリーンな燃料技術の自動車を広めるため、インドは「ハイブリッド及び電気自動車のより迅速な導入及び製造(FAME)」と呼ばれる計画を打ち出したが、あまり成果が上がらなかった。
モディ政権は現在、今年の12月までに国レベルでEVの戦略を明らかにする予定だ。そこにはEVに対する取り組みの原則や決定事項が盛り込まれ、EVの利用を促進するルールが打ち出される。加えて、バッテリーの製造や補助金についてのガイドラインも明らかになるだろう。これに沿って州政府も普及策を講じるものと思われる。
政府が注力すべき主要な分野は、以下の2点である。
(1)バッテリーのコスト 基本的に、EVが高くつくのはバッテリーが原因である。政府はバッテリーやリチウムの輸入を補助し、インドでのEV分野の起業を盛り上げる必要がある。近年では、バッテリーにかかるコストが、2012年にはユニットあたり600ドルだったのが、2017年には250ドルまで低下している。さらに2024年には100ドルまで下がり、ガソリン車よりも安上がりになると見込まれている。 |
(2)電力インフラ EV普及を支えるインフラ、すなわち充電インフラと、電力負荷増大に備えた強力で高性能な送電グリッドの整備が必要だ。充電スポットはインド全土で100余りにすぎないため、EVを所有しても長時間のドライブはわずらわしいものとなってしまう。つまり、EVは、おおむね都市部での利用に限られてしまうことになる。ちなみに、中国では、中国国家グリッド公社が2020年までに10万カ所の充電スポットを11の重点路線に設置して、202都市と3万6千kmをカバーしようとしているのは注目に値する。 |
■インドのEVの未来は明るい
EVをめぐる未来は明るい。自動車メーカーの多くはEVの製造ラインを備えているが、EVは可動部品が少ないため、旧来の化石燃料車に比べ、いったん生産ラインが稼働すれば、それら部品を組み立てるのは容易である。
全体を見ると、利用できるEVの選択肢はいまだ少ないが、充電インフラが改善すれば、さらに多くのモデルが、新し物好きな市場の消費者にアピールすることになるだろう。したがって、政府がEVの未来をぞんざいに扱うようなことがなければ、EVの可能性は確固たるものになるに違いない。
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