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小さな事業所では、1人の職員がさまざまな業務を掛け持ちせざるを得ない場合もあるが……=iStock
<事務職パート>「約束と違う」入社直後に退職決意のワケ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171008-00000007-mai-bus_all
毎日新聞 10/8(日) 9:30配信
子育てが一段落し、介護施設で「事務職パート」として働き始めたA子さん(42)。しかしすぐに本来の業務ではない介護の仕事をさせられるようになり、残業も続いて退職を決意しました。問題の本質は何か。特定社会保険労務士の井寄奈美さんが解説します。【毎日新聞経済プレミア】
◇自宅近くの職場でパート勤務を始めたものの……
A子さんは職員数約20人の介護施設で、1カ月半ほど前に事務員としてパート勤務を始めました。しかし、すでに退職することを決めたそうです。
A子さんは、新卒入社した会社で経理事務職を10年以上務めました。結婚を機に専業主婦となり、子育てと近所に住む祖母の介護に追われました。昨年祖母をみとり、子育ても一段落したので仕事を探し始め、自宅から自転車で通える今の職場の事務職募集を見つけて応募しました。
応募するとすぐに所長と面接となり、これまでの経歴や祖母の介護の様子などを聞かれました。定時は午後5時で、残業はほとんどないと説明を受けました。事務員はA子さん1人だけですが、所長の人当たりもよく子供の学校行事にも配慮すると言われ、「マイペースで仕事ができるだろう」と思い勤務することに決めました。
勤務を始めて1週間はほとんど仕事がありませんでした。小さな事業所で業務量が多くなかったのです。所長は「電話番として座っているだけでいい。事務所に誰もいないと困るから」と言うのですが、2週間が過ぎても状況は変わりませんでした。
A子さんがぼんやりと事務所の机に座っている間も、介護職員は慌ただしく動き回っていました。もともと介護職員は人の入れ替わりが多く、急に出社しなくなる職員もいて、常に人が足りていませんでした。
◇介護職のシフトに組み込まれて残業が常態化
そんなある日、A子さんは所長から次のように言われました。
「A子さんはおばあさんの介護をしていたんだよね。今日介護職のスタッフが急に休んで困っているんだ。申し訳ないんだけど、ヘルプしてもらえないだろうか」
A子さんはその日も特にやるべき仕事がなく、終業まで何をして過ごそうかと考えていたところでした。そこで所長の申し出を受け、その日1日はヘルプとして介護の業務に当たったそうです。
ところが、その日以降ヘルプ依頼が続くようになりました。最初はスタッフの急な欠員の穴を埋めるだけでした。しかし、いつの間にか介護職員のシフトに組み込まれているようでした。
事務の業務量は少ないとはいえ、担当はA子さんだけです。A子さんはヘルプが終わってから事務所で本来の仕事をするようになり、午後7時ごろまで残業する日が続くようになりました。
◇給料は事務職の時間給だけ
そして、給料日が来ました。給料明細を見ると、A子さんの給料は事務職として計算されていました。介護職の方が時間給が高いことは求人票を見て知っていました。A子さんがヘルプで現場で働いた分は、給料に反映されていなかったのです。またA子さんは毎日のように残業が続いて家族の食事の支度を満足にできなくなり、強いストレスを感じるようになりました。
そこで所長に「事務だけに専念させてほしい。ヘルプする場合でも残業する必要のないようにしてほしい」と申し出ました。しかし、「介護職を募集している。今だけなんとかならないかな。みんな本当にギリギリでやっているんだよ」と返されてしまいました。
A子さんの状況は一向に変わらないため、近く退職を申し出るそうです。
◇入社時の約束を変更するには本人の同意が必要
労働基準法では採用時に労働条件の明示を義務づけ、従事する業務内容も明示すべき事項に含まれます。労働条件を変更するには、就業規則に配置転換の規定が必要です。規定がない場合は、本人の同意を得る必要があります。
小さな事業所では、1人の職員がさまざまな業務を掛け持ちせざるを得ない状況も多くあるでしょう。それでも採用時に「こういう仕事もやってもらうことがある」ことを伝えておくべきです。
会社内では職種ごとに給与体系があるのが一般的です。A子さんの場合、事務職で採用されましたが、1日の大半を介護業務に当たる日が増えていました。介護職の業務をした場合は、相応の時間給を支払うべきです。
会社の都合を優先し労働条件などの入社時の約束を果たせないと、従業員から信頼を失い早期退職につながる可能性があります。会社と従業員の関係は「労働契約」で結ばれています。「約束は守る」「約束を変更したいときは相手方の承認を得る」ようにしなければなりません。「困ったときはお互いさま」と相手の善意に乗じないことが大切です。
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