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イオン、足を引っ張る「スーパー部門」 不調のワケは?(写真=Getty Images)
イオン、足を引っ張る「スーパー部門」 不調のワケは?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171001-00000002-zuuonline-bus_all
ZUU online 10/1(日) 9:40配信
スーパーマーケットの苦戦が続いている。業界全体の既存店売り上げは4ヶ月連続のマイナス。総合スーパー(GMS)業界最大手のイオン <8267> と2位のセブン&アイHD <3382> の既存店も低迷している。特に、イオンの3-5月のGMS部門は赤字だった。イオンのスーパー部門が不調の理由に迫ろう。
■スーパーマーケットの既存店は4ヶ月連続マイナス
日本スーパーマーケット協会が9月21日に発表した17年8月のスーパーマーケット販売統計では、全店売り上げは前年同月比1.3%増の9254億円とプラスを保ったが、既存店ベースでは同0.2%減と4ヶ月連続のマイナスとなった。5月は0.8%減、6月は0.7%減、7月0.4%減だった。
■業界大手2社の既存店売り上げは業界平均を下回る
スーパーマーケット業界は、低コスト化を図るためM&Aなどでグループによるスケールの拡大が進んでいる。セブン&アイの資料によると、15年度の業界トップのイオンリテールのシェアは約15%、2位のイトーヨーカ堂が10%で2位。上位10社の占めるシェアは年々上がりつつある。
イオンのGMS部門であるイオンリテールの月次の既存店動向は、3月3.4%減、4月1.2%減、5月3.3%減、6月2.5%減、7月0.1%増、8月2.7%減と、日本スーパーマーケット協会の既存店の数字を下回る厳しさだった。
セブン&アイのGMSであるイトーヨーカ堂の月次の既存店動向は、3月3.7%減、4月2.0%減、5月3.9%減、6月2.7%減、7月0.8%減、8月2.5%減と、既存店の数字ではイオンよりさらに厳しい。
■3-5月期はイオンのGMSは67億円の赤字に
イオンの18年2月期第1四半期(3-5月)のGMS事業のセグメント収益は、売上が7530億円(0.7%減)、本業の利益を示す営業利益が67億円の赤字だった。赤字ながらも前年同期の103億円の赤字から35億円改善し、利益の改善幅はイオンの7事業のなかでも最大。実は、イオンの第1四半期の11%増益に最も寄与したのはGMS部門の赤字改善だった。
既存店売上は前年同期比2.7%減だったが、商品改革・売場改革の浸透で粗利は0.2ポイント改善した。特に旧ダイエーの店舗は、イオンの商品・販売施策の浸透で既存店が3.3%増、粗利は1.6ポイント改善している。
セブン&アイの18年2月期第1四半期(3-5月)のスーパーストア事業の収益は、売上が4760億円(3.6%減)、営業利益は53億円(1.6%減)。減収幅はイオンより大きいが営業黒字をキープしている。ヨーカ堂の既存店は3.2%減だったが、テナントミックスによる売り場構成の見直しなどで粗利が0.5ポイント改善した。
イオンのGMS部門は厳しい状態ではあるが、ダイエーの負の遺産を引き継いだことによるものが大きいだろう。イオンのGMS子会社であるイオンリテールの売上は4882億円(1.0%減)、営業損失は62億円だ。粗利は25.7%、販管費および一般管理費率35.6%となっている。
一方、セブン&アイのGMS子会社のイトーヨーカ堂の売上は3112億円(1.6%減)、営業利益7億円(70.5%増)と売上イオンより落ち込んでいるのに黒字だ。粗利は25.7%、販管費および一般管理費率25.5%。両社を比べた場合、粗利は同じ水準だが販管費および一般管理費が10%程度もイオンの方が高い。
その差でイオンが赤字になってしまった。ただ、前述のように旧ダイエー店舗の収益は急速に改善しつつある。前期も第1四半期だけ赤字で残りの3四半期は営業黒字だった。ダイエーの移管コスト等が一巡すれば黒字体質になる可能性が高そうだ。
■イオンの今後の展開
スーパー以外の事業は総じて好調だ。現在のイオンの収益をささえているのは総合金融事業だ。イオンファイナンシャルサービス<8570>によるイオンクレジットカードが事業の中心で、イオンの営業利益の4割近くを稼いでいる。
デベロッパー事業も営業利益の3割程度を稼ぐ。イオンモール<8905>によるショッピングセンターの建設事業が中心だ。ドラッグ・ファーマシー事業のウエルシアHD <3141> も第1四半期は44%営業増益でイオンの収益改善に寄与した。
イオンは14年にウエルシアにTOBをかけて子会社化し、15年にハックドラッグ、タキヤ、清水薬局とM&Aによる拡大を続け、マツモトキヨシを抜いてドラッグストア業界のトップになった。
スーパー事業は、基本的に利益率の低い分野だ。採算を改善するためには、セブン&アイと同じようにテナントミックスを進めていく必要があるだろう。スーパーで採算が特に悪いのは衣料品。衣料品をテナントで扱うなどテナントミックスして、賃貸、不動産業のウェイトを上げていくことが今後のキーとなりそうだ。
平田和生
慶応大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。日本株トップセールストレーダーとして、鋭い市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスで国内外機関投資家、ヘッジファンドから高評価を得た。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。
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