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2017年衆議院選挙、安倍首相が街頭演説(日刊現代/アフロ)
安倍首相、退陣なら不動産市況低迷の可能性…この1カ月、小泉退陣直前と同じ動き
http://biz-journal.jp/2017/10/post_20847.html
2017.10.06 文=吉崎誠二/不動産エコノミスト、社団法人住宅・不動産総合研究所理事長 Business Journal
9月28日、衆議院が解散となり10月10日に衆議院選挙が公示、22日に投開票ということになりました。今回は、衆議院選挙と不動産市況について考えてみたいと思います。
選挙と株価
衆議院の解散がささやかれ始めて、解散が近づくと株価が上がることが多いということは過去の例を見ても明らかなようです。
衆議院の解散により、政権与党は票稼ぎのためといわれるような、広域的に有益なかたちでの財政出動を公約に掲げることが株価に好意的な影響を与えるようです。政権を奪取したい野党はこうした政策を「バラマキだ」と批判するのですが、その公約がバラマキかどうかはわかりませんが、少なくとも株価にプラスの影響が出る可能性が高いことは間違いありません。もちろん、選挙関連株といわれる株式もあって、そちらは直接的に売り上げが増える可能性があるので、株価が上がるのもうなずけます。
2017年の衆議院選挙は予測しづらい選挙?
今回の選挙は、現時点ではどんな決着になるのか、予想が付きにくいといわれています。振り返ってみると、2005年の小泉純一郎首相による「郵政選挙」、09年の民主党(当時)が大勝した「政権交代選挙」、そして12年の自民党が政権を奪い返した「政権再交代選挙」、そして前回14年の「アベノミクス選挙」までは、風がはっきりしており、事前の各メディアの選挙情勢予測が同じで、ほぼ予測通りの選挙結果となりました。しかし、今回の選挙戦は今のところ風が見極めにくいため、予測がしづらい状況のようです。
現状(10月2日時点)をみていると、自公大敗というシナリオはなさそうですが、大敗しないまでも、希望の党などに強烈な追い風が吹くと、議席を大きく減らす可能性が高くなります。「自公で過半数」を勝敗ラインと設定、「過半数割れで安倍首相辞任」と報じられていますが、ギリギリ過半数をとったとしても現有議席から大幅なマイナスになりますので、安倍首相への責任論が噴出してくることは間違いありません。
今回の解散・総選挙においては、争点がなんだかはっきりしませんので、「郵政選挙」のような「○○選挙」という名前はついていません。執筆時点(10月2日)前後のニュースによると、希望の党に民進党の多くの議員が流れているようです。選挙直前に野党の第一党が事実上消滅するという、これも争点がぼやけることに拍車をかけるような出来事が起きており、「解散する必要があるのか?」という議論に拍車がかかりそうです。
こうしたなかで、解散の際に安倍首相が「消費税引き上げに伴う、使い道修正の是非を民意に問う」という争点を示しました。これは、いうなれば19年10月に消費税を確実に上げる前提ということになります。
今回の選挙結果と不動産市況について
では、衆議院解散〜選挙〜新しい内閣の成立という流れのなかで不動産市況は変化するのでしょうか?
もしも、自公の議席が伸びず安倍首相が退陣となれば、金融・経済の政策が大きく変化する可能性もあります。18年3月の任期満了を持って日本銀行の黒田東彦総裁の退任は確実で、金融緩和が終了となって不動産市況に陰りが鮮明になりそうです。
現在でも不動産価格がかなり上昇しており、本来は価格調整局面だと思います。金融緩和、低金利政策の影響下で、なんとか不動産市況は好調を続けていますが、それが一転する可能性があります。一部エコノミストが言うような「オリンピックまでは大丈夫」という状況ではなくなるでしょう。
一方、自公の議席が伸びた場合、安倍首相の続投の可能性が高くなり、そうすると争点にした消費税の使い道が信任されたということで、19年10月に予定されている消費税10%が、予定通り適用されます。
そうすると、18年半ば以降駆け込み需要が起こると思われます。14年に8%になった時に起こった13年の駆け込み需要は、5%から8%に上げると決めた時にあらかじめ10%に上げる段階的消費増税でしたので、かなり多くの駆け込み需要がありました。
そのため8%から10%に上がっても、その時ほどの大きな駆け込みが起こるとは思いませんが、ある程度の駆け込み需要が発生するでしょう。
首相の在任期間と不動産市況
では、近年の衆議院選挙と不動産市況について見てみましょう。
(1)第43回衆議院選挙 2003年11月9日投票
小泉首相:就任から2年6カ月
(2)第44回衆議院選挙 2005年9月11日投票(郵政選挙)
小泉首相:就任から4年4カ月
(3)第45回衆議院選挙 2009年8月30日投票
麻生首相:就任から11カ月
(4)第46回衆議院選挙 2012年12月16日投票
野田首相:就任から1年3カ月
(5)第47回衆議院選挙 2014年12月14日投票
安倍首相:就任から1年11カ月
(6)今回 第48回衆議院選挙 2017年10月22日投票
安倍首相:就任から4年10カ月
政権が安定している、あるいは首相の在任期間が長いという、政治的に順調な時の不動産市況は好調なことが多いといわれています。もちろん、不動産市況の波の要因にはさまざまなことがありますが、政権安定は投資リスクの低減をイメージさせ、また金融緩和のような不動産に好影響を与える政策を行っている時には、好況が維持されています。上記のなかでは、(2) 小泉首相と(6)安倍首相の時がそれに該当します。
衆議院選挙と不動産市況
選挙と不動産市況という、一見そんなに関係のなさそうなものを分析しようという試みは、あまり行われていないようです。地価などは1年に1回発表される類のものですし、また住宅価格指数は2カ月遅れの発表(例えば、7月分が9月末に発表)のものが多いですから、選挙前後のダイレクトな変化は見られません。そのため、ここでは動きの速いREIT(不動産投資信託)に着目してみました。
図2は、近年6回の衆議院解散、選挙の日前後における東証REIT指数の推移です(解散日を100として計算)。
これを見ると、解散1カ月前から解散日までに下がったパターンは2回。小泉首相の最後の選挙と今回の選挙の時です。先に書いた長期政権下での解散の時です。長期政権から変化が起こるかもしれない、という安定から不安定に変わるかもというリスク警戒の表れだと想像できます。
一方、解散後の上昇はやや大きめの上昇が2回。前回(47回)14年の安倍内閣の時と民主党が惨敗した12年末の野田内閣の時(46回)です。12年末の時は、民主党政権への失望からの脱却、政権交代への期待がこれからの市況の好転をイメージさせました。また、前回の時は不動産市況が上昇基調のなか、金融緩和等の不動産にいい影響がある政策の維持が見込まれたことによる期待だと思われます。
さて、今回はどうでしょうか?
図2の点線が今回の選挙における解散前1カ月〜解散日までの流れです。与党と野党、第三極の3つの対立構造が今回の選挙でははっきりし始めてきました。執筆時の流れでは、与党(自公)は大勝はないものの、ある程度の水準で議席を獲得しそうな情勢のようです。
そうだとすると、REIT指数の今後の動きは総選挙に向けては横ばいが続き、その後選挙日〜国会召集〜組閣までは、やや上昇ではないかと予想します。
いずれにせよ、衆議院選挙はなんらかの影響があると思います。注目の選挙が近づいてきました。
(文=吉崎誠二/不動産エコノミスト、社団法人住宅・不動産総合研究所理事長)
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