知恵遅れの妄想と詭弁はもういいよ 世界で「殺人的熱波」50度超も 航空便、農作物に影響 2017/8/25 10:03
洪水に襲われた村=15日、インド・アッサム州(AP=共同) 世界各地が「殺人的な熱波」(米メディア)による異常気象に見舞われている。中東とアジア、北米で気温が50度を突破し、豪雨や森林火災で死者が続出。航空便の離着陸、農作物にまで被害が広がり「過去10年で最も厳しい夏」(イタリアのマルティーナ農林相)に苦しんでいる。 海外メディアによると、アジアと中東に熱波が襲来したのは5月下旬。パキスタンでは54度を記録。ユーラシアやアフリカ、オーストラリア大陸を含む東半球の観測史上最高気温に並んだ。6月にはイラン、アラブ首長国連邦(UAE)でそれぞれ50度以上を観測した。(ローマ、ニューデリー、東京共同) 【9月14日 AFP】地球温暖化によって今世紀末までに、アジアの山岳氷河の氷質量の3分の1以上が失われるとの研究結果が13日、発表された。これにより、淡水を氷河に依存している数百万の人々に悲惨な結果がもたらされるという。 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、これは地球の気温上昇幅が産業革命前の水準から1.5度未満に抑えられるとする仮定に基づいた「最良」のシナリオだという。気温上昇幅が3.5度、4.0度、6.0度では、それぞれ49%、51%、65%の氷質量がアジアの氷河から失われる可能性があるという。
チベット高原(Tibetan Plateau)を囲む地理的領域で構成されるアジア高山地域(HMA)には、極地以外で最も大量の凍結水が蓄えられている。 HMAはガンジス川(Ganges)、インダス川(Indus)、ブラマプトラ川(Brahmaputra)などを含む多くの世界的大河の水源となっており、数億の人々がこれらの水系に依存している。南アジア一帯と中国は、飲用水、発電、かんがい用水などをヒマラヤ山脈(Himalayas)の氷河融解水に依存している。 2015年に200か国近くが採択した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」では、2.0度を「優に下回る」水準に気温上昇を抑えつつ、さらに1.5度というより低い上限を達成するための「努力を追求する」との目標が掲げられている。 科学者らによれば、地球の表面温度はすでに約1.0度上昇しているという。 7月に英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に発表された研究によると、地球温暖化が2.0度未満に抑えられる確率は5%しかないという。1.5度未満については、確率は1%ほどだ。 一部の専門家らは、現在の傾向が続いた場合、地球は約3.0度の気温上昇に向かうと予測している。(c)AFP http://www.afpbb.com/articles/-/3142884?cx_position=1 2017年01月19日 地球の気温が3年連続で史上最高を記録したと明らかに http://gigazine.net/news/20170119-earth-temperature-constant-record/ 地球の平均気温が2014年、2015年に引き続き2016年も最高記録を更新したことがわかりました。
2016 marks three consecutive years of record warmth for the globe | National Oceanic and Atmospheric Administration http://www.noaa.gov/stories/2016-marks-three-consecutive-years-of-record-warmth-for-globe NASA GISS: NASA News & Feature Releases: NASA, NOAA Data Show 2016 Warmest Year on Record Globally https://www.giss.nasa.gov/research/news/20170118/ アメリカ海洋大気庁(NOAA)とNASAは、2017年1月18日に2016年の世界の平均気温をそれぞれ個別に発表しました。いずれの発表でも2016年は「観測史上最も暑い年だった」とのこと。 NOAAの発表によると世界の平均気温がセ氏14.83度(カ氏58.69度)で、最高だった2015年度を0.04度上回りこれで、2014年から3年連続で観測史上最高記録を更新し続けたことになります。 最も古い観測記録が残る1887年からの地球の平均気温の推移は以下の通り。年によって増減はありますが、気温の上昇傾向は明らかで、2014年以降は下がることなく増加していることがわかります。 http://i.gzn.jp/img/2017/01/19/earth-temperature-constant-record/a01.png NOAAによると2016年の海面温度は平均値よりも0.76度高く、北極圏での海氷の溶けるスピードはかつてないほどで海氷面積は392万平方キロメートルと1979年の観測以来最小になったとのこと。また、南極の海氷は431万平方マイル(約1100万平方キロメートル)で観測史上2番目に小さくなったと発表しています。
一方、NASAも気候変動を調査するために地球規模の気温変化を観測し続けいています。NASAが公開する以下のムービーを見れば、年々、地球の気温が高まっていることがわかります。 NASA's Analysis of 2016 Global Temperature - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=s3RWTTtPg8E NASAが発表する10年ごとの平均気温のグラフでも、地球の気温が上昇傾向にあることがわかります。NASAのゴダート宇宙実験研究所のギャビン・シュミット氏は「毎年最高記録を更新するとは予想していませんが、長期的な上昇傾向にあることは明らかです」と述べています。 http://i.gzn.jp/img/2017/01/19/earth-temperature-constant-record/a02.png なお、NASAによると2016年の温暖化の要因はエルニーニョ現象によるところが大きく、2017年は平均気温が低くなる可能性がありますが、人間の経済活動にともなう二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が続く以上、地球の温暖化傾向が止まることを意味しないとのこと。
2017年1月20日に就任式を迎えるドナルド・トランプ次期アメリカ大統領は、「温室効果ガスと地球温暖化との因果関係は疑問だ」「気候変動は中国のでっち上げだ」と主張して、地球温暖化対策を行う国際的な枠組みのパリ協定からアメリカを離脱させると主張しています。中国に次ぐ世界第2位の二酸化炭素排出国であるアメリカがトランプ政権下でどのような政策を採るかは、今後の地球の平均気温の行方にも少なくない影響を及ぼしそうです。 http://gigazine.net/news/20170119-earth-temperature-constant-record/ 温暖化で平均気温8℃上昇の予測、北極が熱帯に 化石燃料を燃やし尽くし、氷河期が終わる「最悪のシナリオ」2016.05.26 http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/052500185/ 科学者らは、もしこのまま化石燃料を使い続ければ、温暖化によって極地の氷が解け、「大地がむき出しになって極地地方の熱吸収が活発化し、それがさらなる温暖化を促すだろう」と指摘する。(Photograph by DIANE COOK AND LEN JENSHEL, National Geographic Creative) これまでの研究では、とりわけ深刻な予測をしているものでさえ、今世紀末には地球温暖化の速度は緩やかになっていくだろうとされてきた。しかし、カナダの学者らによって5月23日付けの学術誌『Nature Climate Change』に発表された論文には、そうした楽観的な言葉は一切ない。気温は二酸化炭素排出量とともに確実に上昇し、石油の最後の一滴、石炭の最後のひとかけらが消費されるまで続くだろうと書かれている。
この論文によれば、もし地球上のすべての化石燃料が燃やされたなら、地球の気温は2300年までに産業革命以前の水準と比べて平均8℃上昇し、大気中には5兆トンの炭素が増加。北極の平均気温は17℃も上昇するという。 これらの数値は、従来の研究で示されてきたものよりも数℃高い。 専門家らは、本当にこの気温になったら、温室効果ガスの働きによって地球規模で食料が激減し、人間が住めない場所が増え、多くの動植物が絶滅するだろうとしている。 英オックスフォード大学の気候ダイナミクスグループの代表者、マイルズ・アレン氏は、氷河期が終焉を迎えるために必要な気温上昇は6℃であることを指摘し、「ここで議論されている変化とは、それほどに深刻なものなのです」と述べている。(参考記事:「気候変動 大特集 地球を冷やせ!」) アラスカにヤシが繁り、北極でワニが泳ぐ
8℃の気温上昇というのは、昨年、パリで各国が合意した「世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える」という目標をはるかに上回る数値だ。(参考記事:「【解説】COP21「パリ協定」勝ち組になったのは?」) これだけ気温が上昇すれば、アラスカにヤシの木が繁り、北極でワニが泳いでいた5600万〜5200万年前の始新世初期の気候に近い状況になるだろう。(参考記事:「気候変動 瀬戸際の地球 薄氷の北極海へ」) 哺乳類は始新世という高温の時代を生き延びた。初期の霊長類が現れたのはこの頃だ。しかし一部の馬は、暑さや炭素のせいで変化した食料事情に適応するため、イエネコほどのサイズに小型化した。米スミソニアン研究所の化石植物の学芸員であるスコット・ウィング氏は、現在の生物や生態系は、この先200〜300年という短い期間で起こる気温上昇に適応できない可能性もあると語る。 ウィング氏はまた、始新世の気温上昇が始まったとき、地球の極地は現在のように氷に覆われてはいなかったと指摘する。「気温の上昇によって氷床が解ければ、大地がむき出しになって極地地方の熱吸収が活発化し、それがさらなる温暖化を促すでしょう」(参考記事:「世界各地で氷河が融解」) 極地の氷の融解は海水位を上昇させ、そうなれば世界人口の40パーセント以上にあたる海岸地帯に住む人々は大混乱に陥る。(参考記事:「海面上昇は予想を上回るペース、NASA」) 新たな論文は、熱帯太平洋では降水量が4倍になる一方、南北アメリカでは最悪3分の1にまで、またオーストラリア、地中海、アフリカ南部、アマゾンの一部では2分の1にまで減少すると予測している。 アレン氏によると、熱帯雨林のシステムは崩壊し、さらには南欧や北米で起こる干ばつによって「農業が壊滅的な打撃を受ける」可能性があるという。 今回の論文を執筆したカナダ、ビクトリア大学の研究者であるカタジナ・トカルスカ氏のチームは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による報告書が触れていない重要な問題を指摘するため、新たにモデリングを行った。IPCCが提示した最悪のシナリオは、2100年までに増加する累積炭素量を最大2兆9000億トンとして計算したものだ。トカルスカ氏のチームは新たな研究において、もし既知の採掘可能な化石燃料資源がすべて消費された場合には何が起こるのかを考察している。 排出量の累積に上限を IPCCの最悪のシナリオでは、2100年までの気温上昇は2.6〜4.8℃とされており、それより先の未来を予測した数少ない研究はどれも、濃度が高くなった時の温室効果ガスの物理的特性によって、温暖化は減速するだろうとしている。トカルスカ氏のチームは、そうした予測においては、地球の複雑な炭素循環システムが考慮されていないと指摘する。なにより深刻な問題は、海が――ちょうど水がいっぱいに染みこんだスポンジのように――熱や炭素を吸収する能力を失うことだ。そうなれば、熱や炭素はもう大気中にとどまるしかない。 もちろん、人類が石油や石炭をすべて使い切るまで燃やし続けるかどうかはわからない。しかしクリーンな代替エネルギーの価格が下がり、世界中で使われるようになるまでは、化石燃料の使用継続は事実上避けられないだろうと専門家は見ている。 パデュー大学およびニューハンプシャー大学の地球科学者、マシュー・フーバー氏は、IPCCによる期間を限定した予測は、大きな誤解を生む原因となると述べている。(参考記事:「目標「気温上昇2度以下」は無意味?」) 「2100年までに何が起こるかを決まったことのように述べるのは有害であり、より長いタイムスケールで検討した場合に見えてくる重大なリスクを無視しています」 フーバー氏自身は、北極が熱帯化するほどの変化は、極地の気温が、新たな論文で指摘されているよりも10℃以上上昇しなければ起こらないと考えている。 それでも、気温の上昇は人口が密集する地域に殺人的な熱波を引き起こすだろうと彼は言う。 今回の論文の執筆者らは、彼らの研究が、気候政策に「炭素予算(累積排出量の上限)」の設定を組み込む動きを後押しするだろうと考えている。 アレン氏もまた、パリ協定では炭素予算についての言及を避けたが、科学が政策の方向修正をするよう働きかけるべきだと指摘する。 「ゼロエミッションを実現するためにまず必要なことは、それを達成しなければならないと我々が認識することです」(参考記事:「温暖化対策の切り札が地球にとっては逆効果?」) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/052500185/ いまさら温暖化論争? 温暖化はウソだと思っている方へ 江守正多 | 国立環境研究所地球環境研究センター気候変動リスク評価研究室長 2015/12/2(水) 19:38 https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20151202-00051987/ 2009年前後、「温暖化は本当かウソか」という類の論争に筆者はかなり巻き込まれた(例えばこれや、これや、これ)。当時は2007年から続く「温暖化ブーム」で、温暖化は怖いという本もウソだという本も書店にたくさん並んでいた。 その後ブームが去り、温暖化自体が次第に話題にならなくなると、「ウソだ」もあまり聞かれなくなった。2011年の福島第一原発事故後には、「温暖化は原発推進の口実だ」ということで、脱原発運動の中に「温暖化はウソ」がかなり聞かれたが、最近はそれも目立たなくなってきていた。 そこに突然やってきたのが、今週始まったCOP21(国連気候変動枠組条約 第21回締約国会議)による温暖化報道の急増である(筆者を含む関係者にとっては「満を持して」なのだが、関心が無かった人には相当に「突然」だろう)。すると、やはりというべきか、「温暖化はウソ」を聞く機会も増えた気がする。 そう思って、最近書いた記事にはその件の解説のリンクを埋め込んでおいたのだが、その記事に「まだCO2いってんのかよ」とか「本当にCO2が原因???」というコメントを付けてくださる方々は、もちろんリンクを読んでくださってはいないだろう。 そういうわけで、そのリンクの内容をここに書き下しておくことにした。 雑誌「パリティ」(丸善)の「温暖化問題,討論のすすめ」という枠で、2012年の2月号に書いたものだ。このころから筆者の「結論」は本質的に変わっていない。ただし、転載にあたって、物理科学の雑誌である「パリティ」の読者層を意識して書いた部分を省略し、一部に編集を加えた。 それ以外に参考になるものとして、以下をあげておく。 •Skeptical Scienceには、個別の論点への解説がたいへんよくまとまっている。オーストラリアの人が中心に作っている英語のウェブページだが、主要部分の日本語訳がある。
•『地球温暖化―そのメカニズムと不確実性―』(朝倉書店)には、日本気象学会の専門家による解説がまとめてある。 •IPCC報告の信頼性については、以前の記事に書いた。 •世界平均気温の上昇が止まっていないことについても、以前にここやここに書いた。 •地球温暖化データのねつ造(いわゆる「クライメートゲート事件」)等については、過去に準リアルタイムで解説したことがある。 •拙著『異常気象と人類の選択』(角川SSC新書)には、さらに少しアップデートした筆者の「結論」を一章(第2章)を使って記した。 なお、タイトルに「温暖化はウソだと思っている方へ」と書いたが、「ウソだ」と強く信じている人が以下の内容を読んで考えを変える可能性は残念ながら高くないと思っている。そこには根拠や論理だけではない動機が関係していると思うからだ。そういう方々とも対話する努力を惜しむつもりはないが、以下の内容はむしろ、「ウソだ」という主張を目にして何が正しいかよくわからなくなっている方、「ウソでない」という主張も見てから判断しようと思っている方へ、視点と情報の提供を試みるためのものである。
いまさら温暖化論争?
筆者は「常識者」対「反常識者」の論争という構図に参加することを好まないが(理由は最後に述べる),本稿では,第1に筆者が温暖化の科学の信憑性についてどう考えているかを述べ,第2によくある誤解のいくつかについて触れ,第3に現時点の温暖化の科学が間違っている可能性について考察してみる。最後に、「クライメートゲート事件」を含む温暖化の科学をめぐる社会的状況に関して述べたい。 温暖化の科学の信憑性
今回は,「常識者」の立場から常識を擁護するように説明するのではなく,筆者なりに虚心坦懐に考えてみたときに,温暖化の科学にどの程度の信憑性があると思うのかを素朴に説明してみたい。 まず,人間活動により二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスが大気中に増加していること,これは筆者には疑えない。産業革命以降に大気中に増加したCO2の量は,化石燃料燃焼等により大気中に放出されたCO2の総量の半分程度である。人為排出よりも支配的な正味の放出・吸収源は知られていないので,この量的関係だけを見ても,大気中CO2濃度の増加は人間活動が原因と考えざるをえない。 この間,観測データによれば,世界平均の地表気温はおよそ0.7℃上昇している(筆者注:2015年現在、この値はおよそ1.0℃まで上がった)。この値の信頼性を見極めるのは素朴にはなかなか難しいが,20世紀には海上も含めて世界のかなり広い範囲をカバーするデータがあることから,まず,これが都市化(ヒートアイランド)のみによる上昇でないことは確かだろう。データは様々な誤差をもっており,複雑な補正が施されているが,補正や誤差の見積もりは世界の独立した複数の研究機関により実施されて論文として発表されており,それらが互いに似た結果を示すことから,0.7℃程度(筆者注:2015年時点で1.0℃程度)上昇という見積もりが大きく間違っているとは筆者には考えにくい。 さて,大気中の温室効果ガスが増加すると地表付近の気温が上がることは,理論的によくわかっている。温室効果ガス分子が特定波長の赤外線を吸収・射出することは,いうまでもなく量子物理に基礎を持つ放射(輻射)の問題である。温室効果ガスが増えると赤外線の吸収・射出が増え,大気が赤外線に関して光学的に不透明になるため,同じだけの赤外線を宇宙に射出するためには地表面付近の温度が上がって地表面からの射出が増えるしかない。これは物理分野の方々にはよくわかる理屈だろう。 では,過去に生じた0.7℃程度(筆者注:2015年時点で1.0℃程度)の気温上昇は温室効果ガスの増加が原因であろうか。ここでいわゆる「気候モデル」というシミュレーションが用いられる(気候モデルの詳細については拙著『地球温暖化の予測は「正しい」か?』(化学同人)を参照されたい)。人為起源の温室効果ガスの増加を条件として気候モデルに与えて20世紀の気候のシミュレーションを行うと,観測された気温上昇と整合的な結果が得られる。 一方,温室効果ガスが増加しないという条件で計算すると,20世紀後半に気温はむしろ下がってしまい観測と整合しない。したがって,気候モデルを信用する限りにおいて,また,気候モデルに与える外部要因(温室効果ガス等の他に,太陽活動,火山噴火といった自然の要因を含む)のデータが適切で,かつ主要な要因に見落としがないことを前提とする限りにおいて,近年の気温上昇の主要因は人間活動による温室効果ガスの増加であると考えざるをえない。そして,この同じ気候モデルを用いて今度は将来のシミュレーションを行うと,対策を行わなければ今後100年間で数℃,地球の平均気温が上昇するという答えが得られるのである。 すると,筆者にとって,問題は(1)気候モデルにはどれだけ自信があるか,(2)外部要因についての知識にはどれだけ自信があるか,の2点に煎じつめられる。この問には後でゆっくり答えることにしよう。 よくある誤解
ここで,温暖化の科学をめぐって聞かれることがある具体的な誤解のいくつかについて触れておきたい。 「水蒸気を無視している」 地球の大気中で最も重要な温室効果ガスである水蒸気の効果が,温暖化の科学では無視されていると聞くことがある。これは単純な誤解で、実際は無視していない。大気中の水蒸気の温室効果,移流・拡散,相変化,雲が放射にもたらす効果,温暖化したときの水蒸気や雲の変化などが,すべて温暖化の科学の中で考慮されている。気候モデルの計算にも入っている。温暖化の文脈では「温室効果ガスといえばCO2」という説明が多いことから誤解が生じた側面があるかもしれないが,結果的にはデマの類である。 「気温が原因で二酸化炭素が結果」 エルニーニョ現象などに伴う数年の時間スケールの変動においては、平均気温の上昇・下降に遅れてCO2濃度の増加・減少が見られる。このことから、温暖化における「CO2が増加すると気温が上がる」という因果関係の存在を否定しようとする論があるが、これは間違いである。気温上昇によってCO2濃度が増加するのは陸上生態系の応答によると考えられ,これは温暖化の予測に用いる気候モデルでも再現できる。このことと,人間活動によるCO2濃度の増加で長期的に気温が上昇することは両立する事柄であり,現在の温暖化の科学で問題無く説明できる。 「過去の自然の気候変動を無視している」 温暖化の研究は過去(たとえば数100年〜数10万年)に起こった自然の気候変動を無視していると思われていることがあるが,それも誤解である。過去の気候変動に関する知見は,将来の温暖化を考える上で明らかに重要と認識されており,さかんに研究されている。例えば,気候モデルを用いて過去1000年の気候変動を再現する研究が世界中で行われている。過去の気候についてのデータには不確実性が大きいが,数100年スケールの変動は太陽活動の変動と火山噴火で概ね説明できる一方で,20世紀の温暖化は人間活動の影響を入れないと説明できない。したがって,現在の温暖化が過去の自然変動の延長ではないか,という素朴な問に対しては,根拠を持って否ということができる。 間違っている可能性は無いのか これらの誤解について読者に正しく認識してもらった上で,現時点の温暖化の科学が間違っている可能性について考えてみたい。先ほど述べたように,現時点で知られている気候変化の外部要因に関する知見と,気候モデル(これは気候システムに関する知見の結晶と見ることもできる)に基づけば,20世紀の世界平均気温上昇は人間活動による温室効果ガスの増加により説明でき,かつそれを抜きにしては説明できない。それにもかかわらず温暖化の科学が間違っているとしたら,どんな可能性が考えられるだろうか。 例えば,実は「未知のプロセス」があって,このまま温室効果ガスが増えても,気温を抑制するフィードバックが働き,気温はほとんど上がらないかもしれない。その場合,「未知のプロセス」抜きの気候シミュレーションで20世紀の気温上昇が再現されてしまうのはなぜか。それはたまたまかもしれない。20世紀も温室効果ガスの増加によって気温が上昇したのではなく,「未知の外部要因」のせいで上昇したのかもしれない。 このような批判的な考察は,科学を進める上で時として非常に有用であろう。未知の要素を2つ以上導入すれば,温暖化の科学が間違っている可能性を考えることができることはわかった。では,果たしてそんなことはありえるだろうか。筆者なりに答えるならば,その可能性がゼロであるとは原理的にいえない。しかし,現時点で,その可能性を真剣に考えなければならない証拠を温暖化の科学は突きつけられていない。 たとえば,「未知の外部要因」の一つとして宇宙線量の変化などを通じた太陽活動変動の間接効果には一部で根強い関心がある。しかし,太陽周期の変動を平滑化して見ると,太陽活動は1980年代から今まで弱まってきている一方,その間も地球の気温は平均的に上昇しているので,宇宙線などの効果を考慮しても期待される変化と逆符号であり,これが「未知の外部要因」の有力な候補になるようには,筆者には見えない。 また,現在の気候モデルによるシミュレーションは,20世紀の気温上昇のみならず,現在の平均的な気候状態,日々から年々の自然変動の特徴,さらには過去1000年の気候変化や最終氷期などの古気候に至るまで,不確実性の範囲内で観測データと整合する。主要な気候プロセスを概ね正しく計算できていなければ,これほど様々な時間スケールの現象を再現することは難しいはずであると筆者は思う。 科学として,未知の要素の可能性を問い続ける姿勢は重要だが,現在の温暖化の科学に関しては,「未知の要素があるに違いない」と決めてかかる理由は今のところ無い。 「クライメートゲート事件」の背後にあるもの さて,ではそんなに自信があるなら,なぜ研究者たちはデータの改ざんや公開拒否などを行ったのだろうか,と思うかもしれない。いわゆる「クライメートゲート事件」(イーストアングリア大学メール流出事件)の件である。実は,筆者の認識では,彼らはデータの改ざんなど行っていない。この事件の後,英国政府および大学の委託による3つの独立調査委員会が調査を行ったが,どの委員会の報告書も,科学的な不正は無かったと結論している(クライメートゲート事件を「データねつ造」として紹介する論者が、この重要な事実にほとんど触れない傾向があるのは興味深い)。 温暖化論争をフォローするうえでぜひ知っておいて頂かなければいけないことは,欧米の産業界の一部の意を汲むといわれる組織的な温暖化懐疑論・否定論活動の存在である(たとえば、『世界を騙しつづける科学者たち』(楽工社)を参照)。身も蓋もなくいえば,気候変動政策を妨害するために,その基礎となる科学に対する不信感を人々に植え付ける効果を狙って意図的に展開されている言論活動があるということだ。たとえば,映画『不都合な真実』でも紹介された「クーニー事件」では,石油業界のロビイスト出身者がブッシュ政権に雇われて温暖化の科学に関する政府の文書を書き換えていたとされる。 「クライメートゲート事件」をスキャンダルとして騒ぐのであれば,「クーニー事件」についてももっと騒がないのはおかしい(しかも「クライメートゲート事件」の方は実際には不正は無かったのだから)。「クライメートゲート事件」で流出したメールの中で,気候研究者たちが批判者に対して攻撃的であり排他的であるように見えるのも,もとはといえば彼らが常日頃からこのような妨害活動の影響を受けて辟易し,腹に据えかねるほど憤っていたことが背景にある。日本国内ではこのような組織的な活動の存在を筆者は知らないが,影響は国内にも大きく波及している。ネット等で出回る欧米発の温暖化懐疑論の多くはこのような組織的な活動に由来する可能性が高いが,これらをせっせと「勉強」して国内に紹介してくださる「解説者」が少なくないからだ。 本当は,このことを指摘するのはあまり気が進まなかった。傍から見れば「お前はインチキだ。」「いや,そっちこそインチキだ。」という泥仕合になってしまうからである。そして,この状況こそが,組織的な懐疑論・否定論活動の思うつぼなのである。彼らは科学的な議論に勝つ必要は無く,この問題が論争状態にあると人々に思わせることができれば,それで目的は果たせるからだ。これが,最初の方で述べた,筆者が「常識者」対「反常識者」の論争の構図を好まない理由である。温暖化の科学の真偽をめぐって科学的な議論を深掘りすることはもちろん重要だが,それが結果的に一部の政治勢力の片棒を担いでしまう可能性については,十分に自覚的でありたい。 (「パリティ」2012年2月号より一部を省略・編集して転載) https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20151202-00051987/ 世界平均気温は上昇を続け「+1℃」到達:COP21の背景にある「+2℃」目標の意味とは? 江守正多 | 国立環境研究所地球環境研究センター気候変動リスク評価研究室長 2015/11/28(土) 8:26 https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20151128-00051826/
ヨ 2015年1〜10月平均気温の平年値からの変化(WMO) 世界平均気温が「+1℃」到達へ
世界平均気温が去年から今年にかけて記録的に上昇していることは以前の記事に書いたとおりだ。その後も上昇は続き、平年値(1981〜2010年の平均)に比べて9月は+0.51℃、10月は+0.53℃と、「ぶっちぎり方」がさらに激しくなっている(データは気象庁)。 世界平均気温の偏差(WMO) 世界平均気温の偏差(WMO) 年平均で見ても、世界平均気温が観測史上最高になると見込まれることをWMO(世界気象機関)が発表した。グラフを見ると、今年の値はやはりずば抜けており、今世紀に入ってからの気温上昇の停滞を一気に取り返して、80年代、90年代の上昇ペースに戻ろうとするような勢いにみえる。 もちろん、エルニーニョが終われば世界平均気温は一旦下がるはずだし、それからまたしばらく停滞する可能性も残っている。しかし、今年ほどの大きさではないにしても、この上昇傾向がしばらく続く可能性もある(ここで、「いやいや、私はそもそも気候変動の科学を信用していないから」という方は、よろしければこちらを先にお読みください)。 さらに、このWMOの発表によれば今年の世界平均気温は産業化以前(ここでは、1880-1899年の平均で近似)に比べて「1℃」高くなったとみられる。この数字は、国際社会が掲げている気温上昇抑制の目標である「+2℃」の半分までついに来てしまったという意味で、象徴的である。 「+2℃」目標とは? さて、観測された気温上昇の話はこの記事のまくらであって、本題ではない。 11月30日からパリで国連気候変動枠組条約の第21回締約国会議(COP21)が開催され、2020年以降の国際的な気候変動対策の枠組みの合意が目指される。そこで前提となるのが、今述べた「+2℃」以内という目標である(「+2℃」未満、ともいうが、実質的な意味は変わらない)。 「+1℃」に到達したことの象徴的な意味を噛みしめながら、この「+2℃」について考えてみたい(英国BBCの方も60秒で説明してくれているが、筆者なりにもう少し詳しい説明を試みる)。 国際合意としての「+2℃」目標は、2010年にメキシコのカンクンで行われたCOP16の合意で以下のように位置づけられた(前年のコペンハーゲンでのCOP15でも言及されたが合意文書が採択に至らなかった)。 産業化以前からの世界平均気温の上昇を2℃以内に収める観点から、温室効果ガス排出量の大幅削減の必要性を認識する
この目標は、その後のCOPやG7サミット等でも繰り返し確認されている。 気候変動により深刻な影響を受ける小島嶼国等はさらに厳しい「+1.5℃」以内を目標にすることを求めているが、国際社会はこれに配慮しつつも、「+2℃」の方を「より実現可能性が高い」目標(十分に高いかどうかは別だが)として支持しているようだ。 なぜ「+2℃」なのか では、なぜ世界平均気温を「+2℃」以内に抑えるべきなのか? 「+2℃」を超えると危険な影響が生じるとIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書に書いてあるからだ、という説明を聞くことがあるが、それは違う。IPCC報告書には、何℃の気温上昇でどんな影響があるかは書いてあるが(それも不確かさが大きい)、どんな影響が「危険」(避けるべき)かは社会の判断であり、科学だけでは決められないという立場を明確にしている。 見方によっては、「+2℃」以内は厳しすぎる。後で述べるが、現時点で見通せる社会や技術を前提にすると「+2℃」以内に抑えるための対策費用は非常に高くなり、それによって回避できる気候変動の悪影響と比べても世界全体で経済的に見合わないという見方がある。 しかし、別の見方をすると、「+2℃」以内は緩すぎる。現時点でも既に、サンゴ礁の白化や死滅が起きている。北極圏に住むイヌイットの人々は氷が減って伝統的な文化を営めなくなってきている。そのような取り返しのつかない変化が、一部ではすでに起きている。しかも、先進国や新興国が排出した温室効果ガスが原因で、ほとんど温室効果ガスを排出していない貧しい国の人たちが深刻な被害を受ける傾向がある。これは著しい不正義であり、ただちに是正すべきだという見方がある。 このどちらかの見方が正しく、どちらかが間違っているというわけではなく、これは価値判断ないしは倫理観の問題である(一時流行ったマイケル・サンデルの政治哲学の本を読んだ人は、前者が「功利主義」、後者が「義務論」に近いことをおわかりいただけるかもしれない)。 したがって「+2℃」は、科学的な知見を参考にしながらも、何らかの意味で社会的、政治的に判断されて合意された数字だと理解するのがよいだろう。 気温上昇でさまざまなリスクが増加 気候変動のリスクについてはもう少し補足しておきたい。 まず、科学的にまだまだ不確かなことがある。たとえば、世界平均気温上昇がある「臨界点」を超えると、グリーンランドの氷が融けるのが止まらなくなると考えられる。そのスイッチが入ると、千年以上かけてグリーンランドの氷はすべて融け、それだけで世界の海面を7mほど上昇させる。何mも海面が上がるのは数百年先だが、そのスイッチを今世紀中に入れてしまう可能性があるのだ。臨界点が何℃かはよくわかっておらず、IPCCによれば「+1℃〜4℃のどこか」である。「+1℃」であれば、そろそろスイッチが入ってしまってもおかしくないのだ。 また、社会の側にも不確かなことがある。たとえば、2011年にシリアの内戦が始まった背景に、記録的な干ばつによる食料不足があったという指摘がある。そして、気候変動により、そのような干ばつが起きやすくなっていた可能性がある。これをもって今日の難民やテロが温暖化の結果だと短絡的に言うべきではないが、気候変動の影響が国際社会秩序の混乱の引き金を引いたり、規模を拡大させたりする心配は今後も存在するといえるだろう。 これらのリスクはいずれも不確かだが、気温上昇が進むにしたがって発現の可能性が高まることは間違いない。したがって、これらを心配するならば、気温上昇を可能な範囲で低いレベルに抑えるに越したことは無い。 「今世紀末までに排出ほぼゼロ」の意味 では、どれくらい対策をすると、世界平均気温上昇を「+2℃」以内に抑えることができるのか。 ここにも科学的な不確かさがあるが、おおまかにいえば「今世紀中に世界のCO2排出量をほぼゼロにする」ことが必要である。つまり、これから経済発展する途上国を含めて、今世紀末には、世界全体でCO2を出さないような世界にたどり着く必要がある。 初めて聞く方には驚くべきことだろうが、これは別に気候科学者だけが知っていた秘密でも、妄信でもない。現に、今年6月にドイツのエルマウで行われたG7サミットの首脳宣言には「今世紀中に世界経済の脱炭素化が必要」との認識が示されている。主要国のリーダーたちがこの認識を共有しているのだ。 筆者は最近、いたるところでこの話をしているが、受け止められ方はさまざまだ。 たとえば、「息は吐いてもいいんですか?」と聞かれることがある。息はもちろん吐いていい。その分のCO2は植物が光合成で吸収してくれて、自然界で循環するためだ。 ほかに、「何時代に戻ればいいんですか?江戸時代ですか?縄文時代ですか?」という感じのリアクションもある。筆者の認識では、何時代にも戻る必要は無い。今よりもずっと豊かな社会にむしろ進歩しながら、CO2だけを出さないようになればよいのである。 果たしてそんなことは可能だろうか? 化石燃料が余っているのに使うのをやめられる? 「理論的には」可能である。CO2を出さないエネルギー源を増やしていって、ほぼ100%にすればよい。 再生可能エネルギーをどんどん増やし、蓄電池やITも使って系統を安定化させる。化石燃料を使うならば、出てきたCO2は大気に出さず、地中に封じ込める(CCS=「CO2隔離貯留」とよばれる技術)。暖房や運輸の燃料は電気か水素かバイオ燃料に置き換え、それらをCO2を出さずに作る。機器の効率向上やITで省エネを進めるのも重要だ。バイオエネルギーとCCSの組み合わせや大規模植林で、大気中のCO2を吸収することもできる。原子力も選択肢の一つだが、気候以外の論点(事故、核廃棄物、核不拡散、労働者の被爆など)も考慮した上で、使うかどうか判断すればよい。 これは、「脱化石燃料」(CCSを付けて使う分を除いて)を今世紀中に実現するということである。しかも、化石燃料を使い果たしたから使うのをやめるのではなく、化石燃料がまだたくさん余っているのに使うのをやめるということである。 「現実的には」これは不可能にみえる。つまり、現状の社会経済システムと現状で見通せる技術を前提にする限り、これを実現するには膨大なコストがかかるのだ。COP21に向けて各国から提出された削減目標も、合計して「+2℃」以内を目指すペースには足りていない。 「膨大なコストがかかってもいいからやれ」という話になるなら、ほとんどの人にとってこの話は受け入れられないだろう。 おそらく、気候変動の科学を信用しない人たちのある部分には、この結論が受け入れられないので、前提が間違っていると思いたい、という心理が働いているのではないか。 ビジョンを共有してイノベーションを起こす しかし、疑うべき前提は気候変動の科学の部分ではなく、「現状の社会経済システムと現状で見通せる技術を前提にする限り」という部分だろう。30年前に現在のインターネット社会が見通せていなかったのと同様に、30年後には社会にも技術にも現時点で見通せないさまざまな変化が起きているかもしれない。そして、そのような変化を作り出そうとするのがいわゆる「イノベーション」だ。 ものすごく単純化していえば、たとえば石炭よりも安く発電できる「太陽光パネル+蓄電池」ができたとしたら、「脱化石燃料」は放っておいても起きる。誰にも頼まれなくても、世界中の人が石炭を使うのをやめて「太陽光パネル+蓄電池」を使うようになるからだ。そのとき、技術だけでなく、それを受け入れる社会も(たとえば地域分散エネルギー社会のような形に)大きく変貌するかもしれない。 そう考えると、「脱化石燃料」は一気にイメージしやすくなってくる。実際に起きることはもっと複雑だとしても、これに近いことは起きてもおかしくないのではないか。そして、そんなイノベーションを自分が起こしてやろうと思ってベンチャーをやっている連中がアメリカなんかにはごろごろいる。その代表的な一人であるテスラモーターズCEOのイーロン・マスクは、20年以内にエネルギーの主力は太陽光になることに強い自信を持っていると発言している。 実際に「脱化石燃料」が進むと、化石燃料企業は困るだろう。しかし、デジカメの普及による「脱フィルム」でフィルム会社が変わらざるを得なかったのと同じように、彼らも変わらざるを得ない。その変化を社会全体で後押しすることも大事だろう。 こうして、社会の中で少しずつ多くの人たちが「脱化石燃料は、必要だし、可能だし、みんなにとって望ましい」というビジョンを持つようになると、その割合がやがてある臨界点を超えたところで、社会は雪崩を打ったように一気にその方向に動くのかもしれない。 「石器時代が終わったのは、石が無くなったからではない」というのは、サウジアラビアで石油相を務めたシェイク・ザキ・ヤマニ氏の言葉だそうだ。 青銅器や鉄器といった石器よりもっとよい道具が発明されて、石器時代は終わった。同じように、化石燃料よりももっとよいエネルギー、いや、化石燃料社会よりももっとよいエネルギー社会を迎えることで、化石燃料を使い尽くす前に、化石燃料時代が終わるかもしれない。 それを目指すことが「+2℃」目標の本当の意味であり、このことこそが、COP21を機会に社会において本当に議論されるべきテーマであると筆者は考える。 https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20151128-00051826/ 発電をすべて原発に変えないと人類滅亡は間違いない
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