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ドン・キホーテ店舗(撮影=編集部)
あのドンキがガラガラの異常事態…わずか8カ月で閉鎖、絶好調・ドンキに危険な兆候
http://biz-journal.jp/2017/09/post_20717.html
2017.09.26 文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント Business Journal
10月13日に、開店からわずか8カ月で閉店する「ドン・キホーテ神保町靖国通り店」(東京都千代田区)を訪れたときの感想だ。想像以上に閑散としていた。
神保町靖国通り店は東京メトロ・神保町駅から徒歩7分、靖国通り沿いにある。ビルの1階から6階までで営業しているが、売り場面積は999平方メートルだ。ドン・キホーテの標準的な売り場面積は1000〜3000平方メートルなので、同店の小ささのほどがわかる。そのため品揃えは限定的で、充実しているとはいいがたい。
神保町靖国通り店が立地するエリアは特殊だ。隣接する街・神保町は、古書や洋書、専門書を扱う書店が数多く軒を並べ、“古書店街”として知られている。同店から神保町駅までの通り沿いは大半が書店だ。神保町には古書店が180店ほどあるといわれる。一般の書店では扱っていない本を求めて、年配の方を中心に界隈は賑わう。ただ、人は多いものの、そういった人たちの大半はドンキを利用しないだろう。
神保町靖国通り店の周りには、スキー、ゴルフ、登山の用品店や楽器店といった専門店も多い。「ヴィクトリア」「石井スポーツ」「クロサワ楽器」「須賀楽器」といった専門性の高い店が軒を連ねる。このような専門店に来る客は目的買いのケースが多いため、そういった人たちがふらっとドンキに立ち寄ることは考えにくい。
神保町駅周辺は、学生街としても知られている。明治大学や日本大学、専修大学、共立女子大学などがある。ドンキは、こうした学生の来店が期待されるが、実際は限定的だろう。なぜなら、ドンキからもっとも近い大学でも、大通りを挟んでいたり駅の反対側にあるなど、通学の導線上になく、各大学からのアクセスが良いとは言い難いからだ。通学途中や休憩時間に気軽に利用できる立地とはいえないだろう。
また、神保町駅周辺にはビジネス街もある。そのためドンキは、学生だけではなくビジネスパーソンの来店も期待していた。通勤・通学途中や休憩時間のちょっとしたニーズに対応できるよう、弁当や総菜、スキンケアやオーラルケアなどのエチケットグッズを充実させたという。ただ、神保町駅から徒歩7分、小川町駅からも徒歩6分かかり、コンビニのように気軽に利用できるとは言い難い。実際に、ビジネスパーソンはドンキではなくコンビニや飲食店に流れていた。
■閑散としている神保町靖国通り店
筆者は、ある土曜日の昼12時台に神保町靖国通り店を訪れてみた。予想以上に閑散としていたが、滞在客数を数えてみたら45人だった。1階から6階までを数えなければならなかったので、多少の人数の誤差はご容赦いただきたい。昼時ということもあり、食品がある1階と2階はそれなりに客がいたが、3階から6階は閑散としていた。都心店でこの滞在客数では厳しい。
都心店であれば、ドンキが得意とする訪日外国人客を期待したいところだが、筆者が確認した限りでは外国人らしき客は1名しかいなかった。他店舗と比べて少ない印象だ。学生街・オフィス街での立地のためだろう。ドンキ全体の免税売上高の構成比は現在6〜7%程度で、上昇傾向を示している。免税客単価は国内平均の約4.5倍にもなる。そのため、訪日外国人客を取り込めないことは残念なところだ。
こうして神保町靖国通り店の滞在客の状況を確認した後、比較検証するために、神保町駅から4駅離れた末広町駅から徒歩3分の「ドン・キホーテ秋葉原店」(東京都千代田区)を訪れてみた。神保町靖国通り店で滞在客数を数えた後すぐに移動したため、同日のほぼ同時間帯(土曜日・昼12時台)での訪問だ。
秋葉原店はビルの2階から4階までで営業している。売り場面積は1937.2平方メートルで、神保町靖国通り店の約2倍だ。ドンキのなかでは標準的な広さがあるため、品揃えは充実しているといえる。逆に、売り場面積が狭い神保町靖国通り店の品揃えの少なさが際立つ。
秋葉原店の滞在客数を数えてみたら、146人だった。神保町靖国通り店の3倍、人数でいえば100人以上多い。どの階も若者と外国人を中心に賑わっていた。これらの客層はドンキと相性がいい層といえるだろう。大型電気店やアニメショップが数多く建ち並ぶことで世界的にも有名な秋葉原駅からも徒歩3分で行けることが影響していると考えられる。
秋葉原店には36台が駐車できる駐車場があることも大きい。一方、神保町靖国通り店には駐車場がなく、近隣で提携している駐車場もない。車で来店するのは困難だ。そのため、駐車場がある店舗と比べて集客力は劣ってしまう。神保町靖国通り店は24時間営業だが、駐車場がないため夜間の集客状況は日中以上に厳しい状況だろう。
■平日も神保町靖国通り店は客が少なかった
別の日の平日の昼12時台に再び神保町靖国通り店を訪れてみた。平日の状況を確かめるためだ。滞在客数は38人で、寂しい状況だった。食品がある1階はそれなりに混雑していたものの、それより上階は閑散としていた。平日のため、1階にはビジネスパーソンらしき人たちで若干賑わいを見せ、その多くが弁当などを買っていた。学生らしき人もいるにはいたが、数名だった。
その後、神保町駅から2駅離れた春日駅から徒歩5分、後楽園駅から徒歩5分にある「ドン・キホーテ後楽園店」(東京都文京区)を訪れた。今回も同日・同時間帯での訪問だ。同店はビルの1階と2階で営業している。売り場面積は2897平方メートルで、神保町靖国通り店の約3倍だ。滞在客数は75名で約2倍だった。
筆者が訪れた時だけでいえば、滞在客の絶対数は後楽園店のほうが多いが、売り場面積の単位あたりの滞在客数は神保町靖国通り店のほうが多いことになる。ただ、後楽園店には54台が停められる駐車場があるためか、主婦らしき人が多い。また、近くに「東京ドーム」やテーマパーク「東京ドームシティアトラクションズ」、レジャー施設「ラクーア」などがあり若者も多いため、おそらくほかの時間帯でもそれなりの集客ができている可能性が高い。したがって、1日単位で考えれば単位あたりの滞在客数でも後楽園店のほうが多いと考えられる。
もちろん、滞在客数などの情報は一時点のものであって、すべてを表しているわけではない。それを考慮しても、神保町靖国通り店は集客において困難を極めているといっていいのではないか。
閉店の理由をドンキの広報担当者に確認したが、「物件は当社のグループ会社が所有しており、ロケーションなどを勘案した結果、店舗としてではなく、間接部門の拠点やテナントへのリースなどで活用することを検討しています」との回答だった。ということはやはり、ドンキの店舗では集客が困難で採算が取れないということなのだろう。
それにしても、なぜドンキは神保町靖国通り店をあの場所に出店したのだろうか。神保町駅周辺の街の特性を知っていれば、経営に詳しくなくても、ほとんどの人が出店に適しているとは思わないはずだ。実際に、インターネット上では「やっぱり撤退になったか」などと、必然の結果と考える声が多数を占めている。
ドンキは1号店の創業以来、28期連続の増収増益を達成している。業績は好調といっていい。そのため、「ドンキは多少立地が悪くてもいける」といった慢心があったのかもしれない。または、潤沢な資金があるため多少の冒険があってもいいと考えたのか、もしくは実験的な出店だったのだろうか。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
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