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東芝の迷走、日銀の瞑想
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52995949.html
2017年09月13日 在野のアナリスト
AppleがiPhone8とiPhoneXを同時に発表しました。Xは販売10周年の記念モデルで、顔認証を特徴とします。しかし10年使える最新機能、とする割には大して見栄えがしない。価格が上がって他社と比べても差がない。A10など独自コアで優位性を保ってきましたが、その差もなくなってきた。高級路線より鮮明にした今回、世界的な経済環境の動向次第では、Appleの神話にも陰りがみえるのかもしれません。
東芝の半導体事業の売却交渉が迷走中です。WDに米裁判にもちこまれ、もし裁判に負けたら他方に売却した場合、さらに深い傷を負うかもしれない。それを考えるとWDに売却した方が有利ですが、経営権の問題で折り合いがつかない。そこにきて、経産省が巻き返して日米韓連合を改めて推し始めた。東芝の優柔不断、経産省の横やり、そこにきて米国ファーストを標榜する米企業の思惑、といった複雑な構図に陥っています。
もしiPhoneなどがコケると、世界的なスマホ需要にも大きな変化が生じるかもしれない。そうなると、半導体事業の人気も下火になるかもしれません。早く売却しないと…と焦っていたら、ここに来て既存の株主を対象にして新株予約権を発行し、資金調達する案が浮上してきました。東芝としては1株価値は希薄化しますが、市場にもインパクトは少ないだろう、と考えているようですが、これだけ交渉が迷走するようだと、すでに経営陣への信頼は失墜しており、持ち株が増えても売却してしまうかもしれない。それを避けるために、転換時期を延ばしたら、株価が下落したときに既存株主は大きな負担をおうことにもなる。この手法は非常に微妙で、市場としても今のところ消化不良といった形です。
直近の株式市場は、売り方の買戻しが活発です。9日を過ぎて何もなかった、と理由が語られますが、むしろ安保理決議に対して北朝鮮が反発しており、より緊張は高まっている。それでも買い戻したのは、来週のFOMC待ちであるのと同時に、売り方が負けやすい環境だから、ともいえます。例えばここ数ヶ月、国内から外貨建て資産への投資が1兆を越えるなど、不思議な動きがめだつ。日本の低金利で海外へ投資…とも語られますが、低金利環境はここ数年の話であり、今年に入っての動きではない。年金はすでに比率を変更しているので、機関投資家というのも考えにくい。投信の設定でもここ数ヶ月で大型のものはあまりない。この動き、企業による内部留保の運用か? とも語られます。
しかし海外の株や債券には、日本マネーが兆円単位で入る。こうして海外が上がり、日本株も上がる、という構図になり易く、売り方としても非常にやりにくく、売り負けというケースが増えているのでしょう。米金融機関をみても、取引部門は悪化がめだつ。買いでしか収益をとれなくなり、汎用性を失っているのも原因の一つでしょう。
今の買い方を支えるもう一つの要因は、企業業績の堅調さです。そしてそれを覆すのは、軍事的な側面であろう、として売り方も仕掛けますが、その仕掛けが上手くいかずに買い戻すケースが、今回でもみられます。しかし業績を悪化させる要因は、不測の事態ではなく、政策当局のミス、不手際、そういった面なのだと考えています。
そしてそれは、恐らく現状では日銀がそうしたミスを犯す可能性が高い。動かないこと、動けないこと、によって日銀は負のエネルギーを蓄えつづけている。急に動けば市場のインパクトが高い。かといってこっそりと方針転換をするようだと、ある日突然、市場を大きく揺さぶる事態にもなるでしょう。どう動いても、日銀は市場に与える影響が大きくなってしまった。黒田バズーカとして規模を誇ってきたことのツケで、何をしてもこれからはネガティブインパクトになる公算大です。東芝は、経産省という存在によって消化不良なら、日銀は黒田バズーカによって視界不良、だから沈黙し、目を閉じて負の要因が溜まっていく事態を放置しているのです。東芝の迷走、日銀の瞑想、騒いでいるものより今、騒いでいないものが現実になったとき、市場に大きな変動要因が生まれる、ということを忘れてはいけないのでしょうね。
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