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タカタと自動車メーカーが闇に葬った「不都合な真実」…エアバッグ破裂、調査停滞の理由(Business Journal)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/490.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 04 日 00:47:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

       タカタが民事再生法の適用を申請(つのだよしお/アフロ)


タカタと自動車メーカーが闇に葬った「不都合な真実」…エアバッグ破裂、調査停滞の理由
http://biz-journal.jp/2017/09/post_20425.html
2017.09.04 文=河村靖史/ジャーナリスト Business Journal


 欠陥エアバッグ問題は、タカタが民事再生法を申請したことで収束に向けて動き始めた。自動車メーカーが負担してきたエアバッグ関連費用の総額は1兆4000億円を上回った模様で、大半が回収不能となる見通し。タカタは11月27日までにキー・セイフティ・システムズ(KSS)をスポンサーとする再生計画を東京地方裁判所に提出する予定。ただ、エアバッグの異常破裂の原因は依然として曖昧なまま。自動車メーカーも問題の再燃を懸念しつつ、問題を闇に葬ろうとしている。

 SUBARU(スバル)は8月25日、タカタ製エアバッグのインフレータのリコール費用の損失引当金として813億円を特別損失に計上すると発表、2017年4-9月期の四半期利益を前回予想から565億円マイナスの885億円へと大幅下方修正した。スバル以外の自動車各社は、タカタ製エアバッグのリコール費用を17年3月期までにほぼ引当済みだ。これで6月26日に東京地裁に民事再生法を申請したタカタのエアバッグを処理するため、自動車メーカーが負担してきた総額は1兆4000億円を超えた模様で、この大半が債務不履行となる見通し。

 タカタ製エアバッグの問題は、衝突事故などでエアバッグが展開する際、エアバッグを膨らませる火薬が想定以上の強さで爆発し、火薬の入っているインフレータ容器が破損、その金属片が飛散して乗員が死傷する。当初、タカタの海外工場で生産されたインフレータの品質管理体制に問題があり、タカタはこの工場で生産されたエアバッグをリコールするとともに、対策に乗り出した。

 しかし、その後、他の生産拠点で製造したエアバッグが異常破裂する事故が発生、原因がはっきりしないなか、リコール対象台数が拡大していった。

 タカタ以外のエアバッグメーカーは、火薬に硝酸グアニジンを使っていたが、タカタは硝酸アンモニウムを使用している。異常破裂する事故は、タカタ製で古い車が多かったことから、当初、原因は硝酸アンモニウムの経年劣化が原因とみられていた。しかし、比較的新しいモデルのエアバッグが異常破裂する事故が発生した。

 異常破裂の原因については、自動車メーカーが第三者に委託するかたちで調査に乗り出したが、原因ははっきりしなかった。ただ、硝酸アンモニウムが吸湿すると異常破裂するとの見方が強まる。異常破裂の原因の解明に時間がかかるなか、自動車メーカー各社はエアバッグの異常破裂による批判をかわすため、自主的なリコールに踏み切った。通常、欠陥があった場合、不具合の原因を明確にしてから対象を確定してリコールする。リコール処理費用は、リコール原因となった部品を製造した部品メーカーと自動車メーカーが責任の分担割合に応じて負担する。

 タカタ製エアバッグの場合、原因が解明されてからタカタにリコール費用の一部を求償することとし、自動車メーカーが費用を全額立て替えるかたちで自主的にリコールしてきた。これが、自動車メーカーがタカタに対して抱える1兆4000億円を超える巨額な債権だ。そしてタカタの問題がここまで拡大したのは、異常破裂の原因の究明が難航したことが背景にある。

■進まない調査

 タカタが6月26日に民事再生法の申請後に開いた記者会見で、高田重久会長兼社長は「(硝酸アンモニウムのインフレータは)自信を持った製品。不具合が発覚してから調べたが、原因は不可解。化学の専門家がテストし、解析もしたが最終的に再現できない。何が悪かったのかはいまだにわからない。当局も解析しているが最終的に決着がついていない」と、経営破たんした段階でも真の原因が解明されていないことを主張した。

 実際、自動車メーカーは、欠陥エアバッグの原因物質が硝酸アンモニウムにある可能性は高いと考えられるものの、異常破裂の真の原因については曖昧にしたままだ。タカタの欠陥エアバッグが大きな問題となっていた当時、日本自動車工業会の会長だった池史彦氏(当時ホンダ会長)は「自動車メーカーは機械に関する専門家は多いが、化学物質に関する知見が不足していた」と述べ、自動車に使われている火薬やバッテリー液などの化学物質の経年劣化などを調査する方針を表明した。しかし、その後に自動車に使われている化学物質についての調査が進んでいる気配はない。

 ある自動車メーカーの役員は「専門家が2年以上かけて調べてもインフレータが異常破裂する原因がわからないのに、専門外の自動車メーカーが手を出せる領域ではない」と解説、当時の池会長の発言は「勇み足」と指摘する。

 そもそも自動車に搭載されているインフレータは、経年劣化で交換することを前提にしていないという。化学物質の経年劣化を考慮して一定年数ごと交換するにしても、その裏付けが必要となるが、自動車メーカーはそうした知識を持ち合わせていない。この問題を追及し続けることは「危険性も理解していないものを自動車に搭載しているのか」という自動車メーカーに対する批判になりかねない。結局、自動車メーカーは、この化学物質の経年劣化の問題をうやむやにする。

■臭いものにフタ

 それができたのも、タカタ製エアバッグのリコール問題が異例の経過をたどってきたからだ。本来、不具合があれば原因を特定してからリコール処理費用の負担を含めて責任の所在を明らかにするべきだ。しかし、タカタの場合、「硝酸アンモニウムがどうやら怪しい」という憶測をベースに、自動車メーカーは自主的にリコールした。

 しかもリコールは自動車メーカーの責任の下で実行されるが、今回の場合、部品メーカーのタカタが批判の矢面に立たされた。しかもタカタは、リコール費用によって経営破たんが確実視されていた。自動車メーカーから見れば、タカタがスポンサーとなるKSSに事業を移して退場すれば、異常破裂の真の原因や化学物質の経年劣化の問題を闇に葬ることはたやすい。

 異常破裂の原因がはっきりしないなか、タカタは民事再生法を申請した。エアバッグ、シートベルトの世界シェアが2割の大手サプライヤーのタカタが民事再生法を申請したことで連鎖倒産や自動車生産に支障が出ることが懸念されたものの、大きな混乱は起こっていない。東京地裁が事業継続に必要な取引先に対する優先的な債務弁済を許可したためで、重要な取引先には従来通りの条件で部品を発注している。政府や地方自治体が実施するセーフティネット保証制度や資金繰り支援策なども倒産抑制につながっている。

 ここまでは自動車メーカーが思い描いた通り順調にコトが進んでいるように見えるが、先行きを懸念する声もある。

 今年7月にはNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が、タカタの乾燥剤入りインフレータを搭載している日産自動車、マツダ、フォードのモデル合計約270万個のリコールを発表した。これまで乾燥剤入りインフレータは、異常破裂などの事故は発生しておらず、リコールの対象となっていないことから自動車業界に衝撃が広がった。乾燥剤入りのインフレータもリコール対象になると対象台数が大幅に膨らむためだ。ただ、NHTSAによると今回のリコール対象は乾燥剤に硫酸カルシウムが使用されているもので、これ以上は拡大しない見通しとするが「油断はできない」(日系自動車メーカー関係者)。

 一方、タカタはKSSに主な事業を移管した後も、乾燥剤入りのインフレータの生産は継続するが、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対して、19年末までに乾燥剤入りのインフレータの安全性を証明することが義務付けられている。これが立証できなければ、乾燥剤入りインフレータもリコールしなければならなくなる可能性もある。リコール台数がさらに膨れ上がり、自動車メーカーが巨額の負担をさらに背負わされる可能性もある。

 化学物質の経年劣化問題など、臭いものにフタをしたかっこうの自動車メーカー。戦々恐々としながらも、タカタ問題が静かに収束するのを待ち望んでいる。

(文=河村靖史/ジャーナリスト)

 

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コメント
 
1. 2017年9月04日 09:26:39 : i8bv9RsDJA : wHX11@lazC8[1]
自動車の制限速度をじそく30km以下にして、
エアバッグを廃止する。
それしか解決方法は無いでよ。

あまりにスピードの出る馬鹿車は製造禁止とする。
車なんて軽自動車で十分。


2. 2017年9月05日 00:22:50 : ZeK6Ht0u6A : sCHs8ig7imU[26]
原因がいまだにわからない?
それではそもそもエアバッグなど必要ない。
どうせ大した効果は無いから。

3. 2017年9月06日 22:17:54 : nCB5BtahRA : nmmh8zhEt1E[326]
エアバッグなんて、爆弾を自動車に仕込んでいるのと同じです。自動車は実のところ、何年使うか分からない。日本では、かつては6年だの10年だの言われていた。それくらい使えば廃車であった。しかし今じゃ15年前の自動車でも平気で使われている。2002年頃の自動車が中古車として流通しています。

自動車が高価なオーストラリアやニュージーランドでは20年前、25年前の自動車も多い。その長い寿命の自動車に、爆弾を仕込んでいるのだ。よく工事現場から不発弾が出てきたりするが、あれでも爆発します。それが異常爆発したら、最悪の場合、死にますよ。

●エアバッグが登場したのは、1971年のアメリカ・フォード車です。顧客にモニターになってもらった。その後、1973年にGMがオプション採用した。下の記事をお読みください。

エアバッグ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0

(一部、転載します。)

歴史
エアバッグが最初に実用化されたのは、1970年代中盤のアメリカ合衆国においてである。当時のアメリカでは、シートベルトの着用義務付けを法制化することに対し、「ロマンがなくなる」などという理由から反発があった。そのため、シートベルトを締めずとも死なないシステムをメーカーは用意する必要があった。

1971年、フォード社が顧客の車両にエアバッグを取り付け、モニター調査を行った。1973年にはゼネラルモーターズ(GM)が、キャデラック、ビュイックなど数車種でのオプション装備を可能とした。GMはこの装備をAir Cushion Restraint Systemと銘打っている。特にキャデラックでは、運転席と助手席ともにエアバッグを装備することが可能だった。ただし極めて高価であり、加えて誤作動による事故が発生したため1976年モデルを最後に姿を消している。

(転載終了)

その次の部分に、西ドイツのダイムラー・ベンツ社が、高級車メルセデスSクラスに採用したと書いてありますが、本来ならフランスのシトロエンSMが、欧州初のエアバッグ搭載車になる予定でした。初耳でしょ。下の動画をご覧下さい。

Citroen GS GSA 2CV safety promotional video
https://www.youtube.com/watch?v=43AgBuh9ot8
●03:48のところで、エアバッグが開いています。これが何よりの証拠です。

フランスのシトロエンは、1974年4月に倒産して同年6月にプジョーの支配下に入るまでは、常に世界の最先端を行く自動車メーカーでした。とにかく世界の最新技術をいち早く導入する先進メーカーとして知られていました。この高級車シトロエンSM(註 フランス語で女王の意味です。)は、アメリカに売り込むために開発された。

アメリカの安全基準、排気ガス規制が年々厳しくなる中、安全基準クリアの決め手となる新機軸エアバッグをテストしていたのです。下の写真もあわせてご覧下さい。
Citroenet
Citroën SM
1970 - 1975
http://www.citroenet.org.uk/passenger-cars/michelin/sm/sm-index.html

"DS 27"
A 2,7 litre, V 6 powered DS
http://www.citroenet.org.uk/prototypes/sm/sm-proto-01.html

●プロトタイプの時点の写真集です。1968年の撮影ですが、一番下の左側の写真に注目。ハンドルの真ん中に、でかい部分がある。これはDS21にはついていません。この部分にエアバッグを将来組み込む予定であった。このハンドルは、生産車と完全に同一です !

シトロエンの対米輸出の主力車種SMは、1974年以降の連邦安全基準(FMVSS)の強化による5マイルバンパー取り付けを拒否して、1973年一杯で対米輸出から撤退したと言われていますが、これを額面どおり受け取ってはいけません。バンパーなんて、何とかなる。フェラーリ308GTBでも輸出していたんですよ。

どうも、このエアバッグに欠陥があって、このまま輸出したら破裂事故を起こして膨大な損害賠償裁判に巻き込まれると判断したシトロエン経営陣が、SMの対米輸出を停止したのではないでしょうか。この情報、こちらのシトロエン・カークラブの年配のマニアから聴きました。

余談ですが、高級車シトロエンSMは、生産車の殆どが北米向けだったため、1974年の年末で生産を停止しています。


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