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宇野さん(右)は宇宙に憧れ、宇宙ロボット開発に取り組む研究室を目指して東北大に入学した。研究室では月面探査ローバーの開発に参加。早く研究したくて早期卒業を選んだ(写真:本人提供)
時間もお金も節約 半年から1年早く卒業できる大学〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170824-00000063-sasahi-life
AERA 2017年8月28日号
オープンキャンパス真っ盛りのこの季節。最近では親同伴で学内を回る姿も珍しくない。教育環境や入試倍率、学費もそうだが、“出口”の就職率なども気になるところ。AERA 8月28日号で、コスパのいい進学先を調べてみた。
早期卒業制度を採り入れる大学が増えている。半年から1年早く卒業できて、その分、学費も安く済む。大学院への推薦や就職にも有利だという。
* * *
平山千明さん(23)は今年3月、横浜国立大学理工学部数物・電子情報系学科を3年間で卒業した。一定の条件を満たすと3年間で卒業して学位を取得できる、「早期卒業制度」を利用したのだ。
「浪人した1年を取り戻したかったし、早く専門の研究を始めたかったんです」(平山さん)
もともと、ロボットや人工知能の研究に取り組みたいと考えて、大学に進学した。入学して間もない1年生の4月下旬、先輩から飛び級の話を聞き、自身でも調べて早期卒業制度があることを知った。
平山さんの学科では、2年生終了時点で規定以上の単位を取得したうえで、成績の平均点が4.15以上ある学生に限り、この制度を利用できる。「4.5」が満点だから、なかなかの難関。平山さんは1年生の10月に自身の成績を確認して「これはいけそう」と、早期卒業にターゲットを定め、授業の履修や勉強の計画を立てて、2年生の秋に制度の利用を申請した。こう振り返る。
「大変だったのは時間のやりくり。毎週実験リポートを提出しなければならなくて、成績も良くなければいけない。時間をかけたかったけど、その時間が足りなかった」
一方で平山さんは、NHKのロボットコンテスト出場を目指すサークルに所属して、制御プログラムの開発を担当。アルバイトもしていたし、インターンシップにも参加していた。
●3年と4年を同時進行
2年生の終わりまでは、成績が良くなければならない以外はほかの学生とほぼ同様のカリキュラム。ところが、3年生では同級生と共に専門科目を受講しながら、4年生と共に研究室に所属して卒業研究に取り組むという「二足の草鞋(わらじ)」を履かなければならない。
「この時期が一番きつかった」
と平山さん。バイトは辞め、土日返上で大学に通った。そのかいあって今年3月、無事に大学を卒業。修士課程に進学した。
早期卒業制度は1999年の法改正で制度化された。早期卒業制度を導入する大学は増加傾向で、文部科学省の調べによると、2014年度に大学全体の約2割に相当する158校がこの制度を導入している。
大学院への「飛び級」制度では大学は中退扱いになるが、早期卒業制度ではちゃんと大学卒業の学位を得られる。大学によって条件や運用の仕方が異なるが、狭き門であることに変わりはない。そのせいか、この制度を利用して卒業した学生のいる大学は158校中63校で、早期卒業した学生数も、2014年度は270人に過ぎない。
大学院進学率が8〜9割と高い理工系学部の学生の利用が多く、早期卒業後は多くが大学院へ進学している。
法学部、経済学部、工学部で早期卒業制度を導入している東北大学でも、活用するのはほとんどが工学部の学生だ。
同級生と離れたくない
昨年9月、東北大工学部を3年半で早期卒業した宇野健太朗さん(22)は、入学直後に受けたオリエンテーションで制度を知り、「時間を効率よく使えるのがいい」と利用を考えた。
東北大では「成績優秀」など一定の条件を満たすと、上の学年の授業を「先取り履修」できるようになる。1年前期が終わった段階で先取り履修が認められるのは成績上位2割弱。1年後期以降、通常の授業に加えて毎学期1〜2科目を先取り履修することで早期卒業の資格を得る仕組みだ。宇野さんは言う。
「学期ごとに好成績をとって条件をクリアしないと、早期卒業ができなくなるというプレッシャーがあった。ミスは許されない。成績の維持は大変だった」
早期卒業の学生は成績優秀なだけではない。東北大大学院工学研究科の湯上浩雄教授は言う。
「彼らは時間管理がうまい。勉強ばかりしているというわけではなく、サークルもバイトもほかの学生たちと同じようにやっています」
実際、宇野さんもロケットを作るサークルの代表を務めたり、月面探査を目指すチーム「HAKUTO(ハクト)」の開発メンバーになったりしつつ、アルバイトもこなした。
早く卒業できれば学費が浮く。成績優秀なので大学院進学や就職でも有利だ。それなのに、活用が進まないのはなぜか。
同様に早期卒業制度を導入している東京工業大学副学長の水本哲弥教授は言う。
「実際に早期卒業を選んだのは、対象者の3分の1程度。多くの学生は、早期卒業に対して意外に慎重です。同級生と学年が離れるのがいやだという学生もいます」
東工大では昨年の入学者から早期卒業対象者が全体の5%から1割程度へと大幅に広がった。「成績が一定のレベル(おおむね平均90点)以上」など絶対評価で資格を得られるようになったからだ。成績の条件をクリアして早期卒業の対象になったことを3年生の5月に本人に通知する。
●早期卒業=成績優秀
スリランカの留学生ラネプラ・ヒュウェッジ・ネランジトさん(25)は早期卒業制度を知らなかったが、通知を受けて利用を決めた。研究者志望。早く大学院に進めるのがプラスだった。今年3月に卒業し、修士課程に進学した。同時期に3年で卒業したバングラデシュの留学生ワリッド・カリッドさん(23)は、
「3年生が忙しかった。研究室を選んだり、研究に慣れたりするのが大変だった」
東工大では、早期卒業後、修士課程に進み、その後、他の学生と同様に就職するケースが多いという。
時間もお金も節約できて「成績優秀者」の評価もゲットできる。「コスパ」を考えれば、早期卒業しない手はない。(編集部・長倉克枝)
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